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10年を越えて。

「古瀬ワークショップデザイン事務所」のウェブサイトを制作、2020年7月23日の海の日に公開しました。

拙い文章だけど個人的に特別な想いがあるので、書き残しておこうと思います。

まーぼーとの関係

「古瀬ワークショップデザイン事務所」の古瀬正也(以下、まーぼー)とは大学時代からの友人で、仕事をしたことがないときに“仕事ごっこ”と言って、いろんなウェブ制作を依頼してくれていたような仲。

僕はウェブサイトをデザインする方法も知らないときで、紙に書いたイラストをスキャンして画像化、それをちまちまコーディングするということをずっとやっていたことを思い出します。(だいたいは今も変わらないけど)

あれからおよそ10年。
そんな友人のウェブサイトを新しくするというのは僕にとって一大プロジェクト。話を聞いていくと、「まーぼーは次の航海に出るんだな」と思いました。これは大いなる誤読だけど、僕はきっとその船を作る役目なんだと。

僕がこの仕事をしていることも、いろんなことに好奇心をもって挑戦できることも、まーぼーがその在り方をずっと肯定してくれていたからだと思っていて、これまでもらってきたプレゼントを贈り返すような気持ちで、今もてるすべての力をここに込めようと思ったのでした。

そして制作

ウェブサイトの中心にあるのは「詩」です。
制作前にまーぼーは「対話に生きる」という詩を書いていて、これを載せたいと伝えてくれました。

「詩」はまさにまーぼーの現在地がぎゅっと詰め込まれたようなもの。意志があり力強く、さまざまな思想が入り交じり、すべての方向性はこの「詩」に向かうものとなりました。

「詩」に散らばる言葉たちを丁寧に、忠実に表現する。誇張しすぎず、でも言葉がすっと入ってくるようなデザインはなんだろうかと、「詩」を中心にまーぼーの意図や想いを、僕の美意識のフィルターを通してどう表現するかの一点に集中し、制作しました。

まーぼーが書いた「詩」の全文はウェブサイトにも掲載されています。

言葉の海をつくる

「詩」の中にも制作のヒントになった一文があるので紹介します。

交わした言葉は、わたしの底に沈殿し、
わたしの内なる辞書を書き換えていく。
ひっそりと、でも、確かに。

言葉が“沈殿”している海のイメージは、サイト全体のトーンで表現しています。「海」というキーワードから「水」もモチーフとなり、メインビジュアルは水の動きを感じ取れるものにしました。

制作のプロセスもすごく対話的だったと思います。デザインの前に言葉があり、その言葉に呼び寄せられるようにデザインをつくる。そのデザインに対し意図が明確でないところをつぶしていく。どちらもがデザインをしていて、役割や専門性が水のように交じり合っていたと思います。

いつだって飛び込んでいける、懐の深い海。
僕がまーぼーに感じていることが、ウェブサイトを表現する言葉にもなりました。

ご興味があれば、ぜひアクセスして、言葉の海に飛び込んでみてください。

最後に

制作者として、自分が作ったウェブサイトにあまり主観はいれないのですが、今回は「2人の作品みたいなウェブサイトにしよう」と言っていたこともあり、僕としてもそのつもりで全力を注いだので、このような文章を書かせてもらいました。

改めて、まーぼーありがとう。

Spotifyプレイリスト「浮かぶ」

ウェブ制作に際し、この世界観に寄り添うようなメロディをもった音楽を選んでみました。耳にイヤホンを入れ音楽を流したときに変わる目の前の風景。その風景の中でウェブサイトをみてもらえたら、その没入感の中で言葉を読んでもらえたらと思いました。僕が音楽が好きだから、という理由もありますが、ウェブサイトを見るときのBGMとして聴いても変ではなく、海に浮かんでいるような気持ちで聴いてもらえる曲を集めました。

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最後にだけど、まーぼーの次の航海を楽しみにしています。

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ウェブサイト(https://furuse.ws
言葉・思想・設計:古瀬正也
意匠・実装・写真:藤原慎也


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