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つらつらと

 幼い頃から文を書くのが得意だった。初めて小説もどきのような物語を書いてみようと思ったのは中1か中3のときだったと思う。中1の時のきっかけは覚えていないが、中3の時のきっかけは覚えている。中2ぐらいから仲良くなった女友達から自分が書いているという小説を貸してもらった。それは挿絵つきの小説で、どちらかというとちょっとセンセーショナルな内容の短編がいくつか収められていた。その女友達は、初めて人に小説を見せると言い、恥ずかしいから秘密ね、と言っていた。その友達とは、距離の量り方を間違えたせいでもう連絡が取れなくなってしまった。悲しい。
 自分はときどき、人との距離の量り方がわからなくなるときがある。いや、毎日変化しているといった方がいいかもしれない。逆に(なんの逆)、初対面の人との方が会話が弾む、なんとなく素で話せるような気がしている、いつも。これは何度か他の人に話したことがあって、でも共感を得られたことは一度もない。こんなことは珍しいのだろうか。友達になればなるほど、かえって何を言おうか気を遣いすぎて、気がつけばお互い何も喋らない時間が発生することがよくある。自分にとって、何も喋らない時間というのは恐怖だ。だから、沈黙ができたときにはその間を埋めようとして絶対に自分からしゃべる。黙っていることができない。耐えられない。だから質問を多めにしてしまう。質問をすること自体は悪いことじゃないのだが、質問で会話と会話の間を埋めようとしてしまう。何を書きたいかわからなくなってきた。とりあえずこのあたりで終わりにする。
(660字)

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