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12000円の自尊心

祖母ですら働いているのに俺は一人noteを書いている。金を取る予定のないnoteはただの呟きで、日曜の昼間眠たくなりながら一人で呟いている私と日曜の朝から働いて帰ってきたら洗濯物を畳みご飯を作る祖母のどちらが生産的かなんて一目瞭然である。せめて祖母の負担にならないように洗濯物を畳んで買ってきてくれたおやつを美味しい顔で食べることしかできない。たとえ私がダイエット中で歯を磨いた後だったとしても。

働いていない私にとって祖母にできる恩返しといえば、作ってくれたご飯を機嫌よく完食することと多少の家事を手伝うことくらいである。あとたまに何がほしいとかリクエストして、「可愛い孫」としての地位を保っておくこと。まあ普段はそんなこと考えずに好き勝手やっているわけではあるが、たまに思い出しておかないと忘れてしまうことがある。

いずれ字で金を取れるようになったら嬉しいなとは常々考えているが、芸人のnoteを読むたびに面白すぎて自尊心を削られている。そんな面白い体験したことねぇよという類のおもしろもあれば、ただの日常を有り余る文才と発想力で笑わせるタイプのおもしろもある。後者は本当にタチが悪くて、クソ〜〜〜〜〜〜!!!!!!と嫉妬に脳を焼かれながら悔しさに身を任せるしかない。文才がほしくて仕方ない。それか画力を死ぬほど上げて漫画で天下を取りたい。上位互換が死ぬほどいるので諦めに拍車がかかっている。小学生の時感じていた唯一無二感がバリにバカンスに行った。今日もつまんないnoteを書いて淘汰されるだけの群衆のうちの一人になることしかできない。クソ〜〜〜。悔しい。

久しぶりに小説を書いている。最近トップヒットジャンルの二次創作だ。絶対検索に引っかかりたくないので名前は出さないけど察してくれるとありがたい。このジャンルにもいわゆる神はいて、pixivで1作品につき1000以上のブックマークを安定して獲得している。そういう人の作品はやっぱり面白い。発想力で面白いタイプもいれば、ひたすらに綺麗なタイプ、何から何まで死ぬほど面白いタイプもいる。俺もその仲間になりて〜〜という気持ちと逆カプが王道ということから来る悔しさで小説を書いている。下心にも程がある。
普通に腐女子なので掛け算を得意としているのだが、推しカプが王道だった試しがない。あると思ってpixivで検索したら0件だったときは流石に痺れた。いつだって主人公攻めはマイナー。王道ジャンルでの話である。閑話休題は使われすぎてて逆にダサいので使いたくないというプライドが邪魔をする。閑話休題。

しばらくスランプに陥っている。小説や字を書くことに対してではなく、絵を描くことができなくなっている。少し前まで小説も書けなかった。2ヶ月くらい何も生み出せなくなり、自尊心が死んだ。しばらく自分の価値がなかった。働かないままコミュニケーション能力が最底辺を突っ走っていると、何かを生み出すことでしか自分の価値を見出せなくなる。血迷って資格の勉強をしだした。結局申し込み期間を過ぎてしまった。次回受けるかは微妙。

他人から乙一を借りていたことを思い出したので読んだ。GOTHを読んだ。いつまで経っても厨二病なのでめちゃくちゃ楽しく読んだ。漫画版があることを知り、LINE漫画で読んだ。何かのクーポンで単行本が16コインになっていた。小学生の時にお姉ちゃんと実際のお金で本を貸し借りしていた時より安くてビビった。姉からはカゲロウデイズやNo.6を100円で借りていた。譲り受けたので今は私の本棚にある。
しかしコインがなかった。私は迷って、アベマのプレミア会員登録の無料期間でコインをもらうことにした。ちゃんとコインは私の手元に来て、GOTHの漫画版を読み切ることができた。絵が小説の雰囲気と合っていて理想だった。

アベマのプレミア会員になった。無料期間中だけだが。もったいなかったのでアニメでも見るかと思い、最近TLで好きな人が多いアニメを見ることにした。さすがトップヒットジャンル、めちゃくちゃ面白かった。アニメを全話見終わった一週間後、単行本全巻を買っていた。

結果的には速攻で好きになったように見えるが、かなりの葛藤があった。単行本全巻を買ったらだいたい15000円くらいする。奥森皐月のThreadsでの投稿である「パソコン買ったから10万円くらいなくなっちゃった 10万円をこのパソコンで稼ぎたいわね」を心に置いていたので、本当に15000円かけるだけの価値があるのか自分に問うた。
心に聞いたら全力で「ある!!!!!!」と答えたのであてにしなかった。感情はいつだって客観的じゃない。それでも叫んでいた。心は「この漫画を買ったら絵を描けるようになるよ!この漫画は俺を救ってくれる!!!」とひたすら主張していた。理性が「アニメを全話見ただけでも大丈夫だろう。書きたいキャラが出てきていないなら3期4期を待て」とたしなめていた。熟考した結果、漫画喫茶で全部読んでからどうにかしようという結論を得た。第三勢力さんの勝利である。

結果からいうと第三勢力さんはあてにならなかった。一番近くの漫画喫茶に行ったらその漫画が存在しなかったのである。私はここで単行本全巻買うことを決めた。古本で買ったため、実際は12000円くらいで済んだ。働いていないと常に金がないので節約が命を保つ鍵になる。それはそれとしてメガネを失くしたので先日新しく作った。

現状絵は描いていない。その代わりに漫画と小説を書いている。漫画を書いてるなら絵を描いてるじゃないかとお思いの方もいらっしゃるかもしれないが、漫画は雑な人物を描いているので全然別である。身を削るような真剣な絵は描いていない。しかし字が書けるようになったのでだんだん自尊心が回復してきた。自尊心につける値段として12000円は高いのか安いのか分からないが、この自尊心が12000円以上の働きをしてくれることを祈る。

歯医者代がかさんでおり……(同情を誘う文章)