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むすめの『会いたい』

転勤族の我が家。
年長になる娘は、保育所を3か所を経験し今4ヶ所目となる幼稚園に通っている。
いろんなところを転園、経験しているとはいえ、人見知りが人一倍強い娘。相変わらず朝のテンションが大事である。なので、朝は歌ったりしりとりしたり、連想ゲームしたり、15分歩く道中はなかなかの濃さだと思っている。
さてその道中だが、いつものようにお喋りをしながら歩いていたら、娘が突然『ママは子どもの時何色の自転車だった?』と聞いてきた。『ピンクだったかな、赤だったかな〜』となんとか40年前のことを思い出そうにも、何色だったか、さもなくばなにかのキャラクターだったか、全く思い出せない。ところが、この【赤】という言葉に、娘は東京にいた頃に乗っていたストライダーのことを思い出したようだ。『あの坂道で乗る自転車(ストライダー)、楽しかったな。また乗りたいな。また買って!』え〜、もうお姉さんだし、むしろコマとって乗らないと!なんて気軽に返していたのだが、『あそこで乗りたいから東京に戻ろうよ。』と言い出した。『東京じゃなくたって坂道いっぱいあるよ。』と返すと、今度は『〇〇ちゃん、元気かな・・』と以前に通っていた保育園のお友達の名前が出てきた。『〇〇ちゃんももう引っ越ししちゃったって連絡きたよ』と返すと、『もう会えないの?』と娘。『会えるよ、どこに住んでいたって、会いたいって言ったら会えるよ。』『00ちゃんは?』ここで私の返しが悪かった。『00ちゃん、みんないなくなっちゃったって、泣いてたって言ってたね。』この言葉に娘が固くなったことに気がついて、しまった、と思ったけれど、出た言葉はもう取り戻せない。『カナダにいる〇〇ちゃんは?アメリカにいる〇〇ちゃんは?』と、かつてさよならした子たちが次々出てくる。幼稚園に着く頃には、すっかり消沈してしまって、ママと離れるのが嫌だとなってしまった。
日々小学校に行くのが嫌だ、小学校に行くのが楽しみだ、と変動が激しく、葛藤しているのが目に見える。たくさん勉強があることは心配。お姉さんになることは楽しみでもあるし、不安。新しい出会は楽しみ。できることが増えるのも楽しみ。お兄ちゃんより勉強ができるようになるんだ、なんて野心もあるらしい。でも、これでまた転勤になったら、どうなっちゃうんだろう、とやっとどうにかなるやろ!と思えるようになっただけに、やばい、と思ってしまう。せめて娘の落ち着く年齢まではこの地に留まったほうがいいんだろうか。こういう人生、と諦められるものなのだろうか。そんなネガティブではなくて、いろんなところに住める!やったー!いろんなところに友達がいるー!と喜べるようにならないだろうか。
悶々としながら、翌日の朝。カナダに今住んでる〇〇ちゃんからLINEきたよ、と娘に伝えると、『カナダに会いに行きたい!カナダに住もうよ!』(実はここのところカナダに住みたいと彼女は連呼している)とっても会いたい!と大はしゃぎをしている。『ママにも会いたい友達いる?』と聞いてくる娘に『いっぱいいるよ。東京にいた時は、会いたくてもコロナで会えなかった友達もいるしね。あちこちに会いたい友達がいるよ』と話すと、『わたしも!会いたい友達がいっぱいいる!』明らかに昨日と受け止め方が違う。『いろんなところに会いたい友達がいるっていいねって先生が言ってた』先生のおかげか。『お友達100人作るの!』
いいのかわからないけれど、人数が多ければいいってものでもないけれど、
いつでも前向きに生きられる子に育って欲しい。
会いたいと思う気持ちも大事にしてほしい。


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