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カメラをやめていた時

カメラ好きです。
大学生の時から撮ってました。
「〜ました。」と書いたのは、一時期辞めていたことがあるためです。

それは、カメラは趣味としつつ、仕事はIT系を選択し、もし機会があればカメラの世界で生活を営めたらな、と淡い気持ちを持っていた時でした。

周りのカメラ仲間では名が売れはじめているのもいて、雑誌に掲載された写真のクレジットに友人の名前を見つけると、驚きと嬉しさと、小さな嫉妬がありました。
報道関係者でカメラ撮ってる人もいました。

3.11
地震があった後、とある友人がいいました。
彼は現地に行く前でした。
「いい画が撮れる」
と言ったのです。

確かに普通ではない風景だとは思います。だから、撮影をするという点では、そうした風景に出会うことはないのでしょう。
だから、純粋に撮れないものが撮れるという趣旨で言ったのだと思います。

ただ、私はその彼の発言を聞いた瞬間に強い怒りを覚え、冷静さを欠き、その場でカメラを壊そうとしていました。

許せなかったのでした。

帰り道、彼はきっとこれで名をあげるんだろうな、そうした気持ちで撮らないと見てもらえないんだろうなと自分がいつまでも趣味の領域を脱しない理由もわかったのでした。

所属していた会は辞めました。
身の回りのカメラは全部処分しました。
撮りたい気持ちがわかないのと、
結局彼の撮った写真をみて、そこに伝える力があることを知ったためです。

でも、自分には撮れないと思いました。
今でも無理です。

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