幼なじみに恋人ができた

自分のことを「恋愛感情が分からない」人間だと思っているのですが、幼なじみから恋人ができたとLINEで教えてもらって、めちゃくちゃへこんだんですよね。そのときちょうど旅行中だったので、外を歩いているときは知らない街、知らない道を目に焼き付けるのに夢中でいられましたが、ホテルに戻ったあと、一人旅だったこともあって余計にじめじめしてしまいました。

じゃあ、自分が好かれたかったか、恋人になりたかったかと言われるとそれは違う、と思います。恐らく自分は、幼なじみに誰のことも好きにならないでほしかった。私のことも含めて。

恋愛感情と雑にまとめましたが、恋愛感情に伴う性愛（性愛に伴う恋愛感情？）が分からない、と言った方が正確です。名前をつけるとしたらアセクシャルが近いのでしょうか。ちなみに、性欲自体はあります。自分の性欲と他人への愛情が結びつかず、別物だと感じています。

そう、他人への愛情も持っています。持っているけれど……プラトニックな恋愛ならできるかと言われると、それも違う感じがします。自分の「好き」はどこまでも自分の中で完結するものです。その人と過ごした時間や思い出が自分の中にあって、その思い出を持って生きていく自分がいる、ということが何よりも尊く、嬉しく思います。誰かと常に並走するいまよりも、1人で過去をゆっくり消化するいまが欲しいです。

自分は学校に馴染めず結構しんどい思いをしたのですが、幼なじみは幼なじみで学校でしんどそうにしていたので波長が合ったし、避難場所のように思っていました。そんな（勝手な）同族意識もあって、幼なじみが他者に干渉する「好き」を持てることに嫉妬、羨望、失望、祝福……いろんな感情が同居しています。時間を置けばもう少し整理できるんでしょうが、今のごちゃごちゃした気持ちも、自分が思っていた以上に幼なじみを大事に思っていたことの現れのようで、それはそれで愛おしいです。自分の気持ちは世間一般の「好き」ではないけれど、だからこそ、ゆっくり向き合って、自分にしっくり来る言葉にして、いつか幼なじみに伝えられたらいいなと思います。

こんな感じに自分の気持ちがとっ散らかっているので、LINEでなんて返信しようか、随分悩みました。悩んで、自分の勝手な願いであることを断ったうえで、幸せでいてね、と言いました。自分にとっての幸せや、自分が想像する世間一般の幸せに他人を当てはめようとするみたいで自分だったらあんまり言われたくない言葉なのですが、そう思ってしまったんだからしょうがない。幸い幼なじみも許可（？）してくれたので、今では遠く離れた場所にいる幼なじみの幸せを、好きなだけ祈りまくろうと思います。