314: Todd Rundgren / Hello It's Me

「ワン、トゥー、スリー、フォー!」というカウント。曲のオープニングで景気付けに入るのが一般的。
ですが...
おとといの「プレッシャー」は「エンディング」カウント、昨日の「マター・オブ・トラスト」は「メロディー付き」カウントと、色々なパターンをひねり出しています。
そして、トッド・ラングレンのこの名曲では、一緒に演奏しているバンドメンバーに曲の出だしを間違えさせるという、よもやの「フェイント」カウントが炸裂しています。
この曲を収録した、1972年リリースの2枚組『サムシング/エニシング?』は、間違いなくトッドの代表作。
A面-C面までは、歌とすべての楽器を自分自身で演奏しているのに対し、この曲を含むD面の多くは、バンドメンバーとのスタジオ・ライブ録音となっています。
この曲、実はセルフ・リメイクで、最初1969年に自身のバンド、ナッズでリリースした時はUS66位のマイナーヒットでしたが、ソロ・ヴァージョンは、彼にとって唯一のトップ10ヒットとなる、US5位を記録しています。
フェイントっぽいカウントとしては、ビートルズの「タックスマン」もそうですが、こちらは聴いている人に「あれっ⁉」っと思わせるのが目的だと思いますし、実際、最初に聴いた時は驚きました。
それに対して、トッドの方は、一緒に演奏しているバンドメンバーを引っかけて何かいいことあるのか?友達なくすだけじゃないか?と思ってしまいます。
まあ、何を考えているか分からないところが、いかにも変人(←誉め言葉です)のトッドらしいなぁと思います。

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