559: Paul McCartney / Here Today

昨日、ポール・マッカートニーの「トゥモロウ」を、「イエスタデイ」の続編と書きましたが、本来、「昨日」の続編は、「明日」でなく「今日」であるべき。
で、ポールに「トゥデイ」という曲はありませんが、この曲のタイトルは非常に近いので、代役を果たしてもらっても良いでしょう。
そして、この曲は、ポールにとっても特別な意味を持つ曲でした。
1980年12月8日、ジョン・レノンが殺害されるという事件が起こります。
ビートルズ時代の盟友の死というショックから、ポールはしばらくレコーディングを停止しますが、約1年がかりでアルバムを完成させます。それが『タッグ・オブ・ウォー』(UK1位/US1位)でした。
一般的にはスティーヴィー・ワンダーとのデュエット「エボニー・アンド・アイボリー」が収録されているアルバムという印象が強いですが、それ以外の曲もメロディアスでポップな曲が多く、「ポール健在」を印象づけた作品でした。
アルバムのA面ラストに収録されたこの曲は、亡きジョン・レノンに捧げられています。
ポールによるアコースティック・ギターの弾き語りで始まり、そこに弦楽四重奏が重なるという構成は「イエスタデイ」と同じですが、偶然の一致ではないことは明らかでしょう。

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