468: The Grateful Dead / Box Of Rain

ブルース・ホーンズビーがツアー・メンバーとして参加したグレイトフル・デッドは、1965年から1995年まで活動を続け、ジャム・バンドとして絶大なる人気を博した伝説的なバンドでした。
とはいえ、トップ40入りしたシングルは1987年の「タッチ・オブ・グレイ」のみで、ヒットチャートとはほぼ無縁ですし、代表作と言われる2枚組ライヴ・アルバム『ライヴ/デッド』の1曲目「ダーク・スター」は演奏時間23分超と、何か近寄りがたい空気を感じ、30歳を過ぎるまで、ほとんど「聴かず嫌い」でした。
ところが、1970年リリースの『アメリカン・ビューティー』をたまたま聴いたところ、イメージが180度変わりました。
たしかに、ジャズやサイケデリック・ロックに影響された長時間の即興演奏は、彼らの音楽の大きな特徴ではありますが、そのベースにあるのは、フォーク、カントリー、ブルースといったルーツ・ミュージックでした。
そういったところが、アメリカ人の心に響き、その長い活動期間を通じて、圧倒的なライブ観客動員を誇った原動力であったのだろうと思います。
アルバム1曲目のこの曲も、ベースとなっているのは明らかにフォークやカントリーで、そこに不思議なコード進行が加わることで、独特のサイケデリックな雰囲気が醸し出されています。そして、独特な「緩い」ハーモニーは絶品です。
間違いなく、ロック史に名を残した偉大なバンドでした。

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