250: Bob Dylan / Ballad Of A Thin Man

今日も「Ballad of …」つながりで。記念すべき250回目なので、例によってビッグネームにご登場いただきます。
ボブ・ディランが1965年にリリースした、6thアルバム『追憶のハイウェイ61』。
US3位/UK4位という最高位とは別の次元で、ロック史に残るマスターピースとなっています。
まあ、『「ライク・ア・ローリング・ストーン」で始まるアルバム』というだけで、名盤に認定しても良いのかも知れませんが、A面ラストにこの曲が入っていることも、同じくらい重要だと、個人的には思っています。
ディランが弾くピアノに導かれて始まるこの曲、サウンドのポイントは、アル・クーパーが弾くオルガンでしょう。
元々はギターで参加しようと思ってスタジオに来たものの、マイク・ブルームフィールドのギター・プレイを見て断念したクーパーは、オルガン奏者がいないことに気づき、彼自身オルガンを弾いたことがなかったにもかかわらず、強引に参加したというエピソードが残っています。
よく聴くと、確かに、ところどころ音が外れているようにも聴こえますが、逆にそれが、ホラー映画のBGMの様に、不安感を掻き立てる演出になっているようにも感じます。
そして、そんなサウンドに、抽象的な歌詞がバッチリはまっています。
何度も繰り返される「ここで何かが起きているけど、あんたはそれが何か分からない/そうだろう、ミスター・ジョーンズ?」のフレーズが耳に焼き付く、強烈なインパクトをもつ曲です。

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