375: Wings / Live And Let Die

ジョン・レノンが地味だった1973年、かつての盟友ポール・マッカートニーは、絶好調でした。
まず、4月末(UKは5月初め)にアルバム『レッド・ローズ・スピードウェイ』をリリース。UK5位/US1位(3週)のヒットとなります。シングル「マイ・ラヴ」もUK9位/US1位(4週)の大ヒットとなり、現在でもポールの代表曲の1つに数えられています。
12月には、ナイジェリアのラゴスでレコーディングした『バンド・オン・ザ・ラン』をリリース。翌年にUK/USともナンバー1を獲得しています。シングル「バンド・オン・ザ・ラン」もUK3位/US1位のヒットを記録し、こちらも彼の代表曲の1つです。
これだけでも十分すごいのですが、この年はさらに、もう1曲のビッグヒットを飛ばしています。
それが、映画『007 死ぬのは奴らだ』の主題歌としてリリースされた、この曲です。
ピアノの弾き語りで始まったかと思えば、オーケストラやパーカッションが突然疾走し始めるスリリングな展開は、007シリーズの主題歌にぴったりと言えるでしょう。
UK9位/US2位の大ヒットを記録していますが、ポールの場合「No.1になっていないんだ...」と思ってしまいます。
ビートルズ解散後、メディアに叩かれることが多かったポールですが、結果を出すことでそういう声をねじ伏せていきます。その始まりとなったのが、1973年の活躍だったと言えるでしょう。

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