249: Big Star / The Ballad of El Goodo

「Ballad of …」というタイトルの曲は非常に多く、それだけで1か月くらいは続けられそうですが、さすがにそれはあんまりなので、数曲にとどめるつもりです。
ビッグ・スターのこの曲は、1972年の1stアルバム『#1 Record』の収録曲。
音楽誌等で非常に高い評価を受けるも、レコードがほとんど流通されなかったという理由で全く売れなかった(10000枚未満とのこと)、「失われた傑作」の見本のような作品です。
しかも、彼らの悲劇はさらに続き、2ndも同様の理由で売れず、3rdに至っては、録音は完了したものの、発売すらされず、そのままバンドは解散しています。
こうして、バンドはカルト的な存在となりましたが、80年代、90年代のバンドが、口々に彼らからの影響を公言したことから再評価され、1993年には新メンバー(ザ・ポウジーズの2人)を加えて再結成しています。
また、先の3枚のアルバムは、いずれもローリング・ストーン誌の「The 500 greatest albums of all time」に選出されています。
彼らのサウンドは、口ずさみやすいメロディ、美しいコーラス、ノイジーなギターという、いわゆるパワーポップの「三種の神器」を備えていて、後のミュージシャンが影響を口にするのも納得のいくところです。
何はともあれ、彼らの作品を聴きたいときにいつでも聴ける時代になったのは、喜ばしいことです。

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