460: Johnny Cash / Hurt

1950年代から活動を続けたジョニー・キャッシュ。
彼が、生前最後にリリースしたアルバムが2003年の『American IV: The Man Comes Around』(US22位/UK40位)でした。
当時のキャッシュは糖尿病のため体調が悪く、その影響か、作品にも暗いトーンが漂っています。
アルバムからシングル・カットされたこの曲(UK39位)、オリジナルはナイン・インチ・ネイルズですが、そのことを忘れてしまうほど、完全に彼の作品になっています。
そして、強烈なインパクトを与えたのがこのMVでした。
明らかに病に蝕まれていることが分かる、年老いた彼が歌うシーンの合間に、若き日の姿が挟み込まれた映像は、人生の現実を残酷なまでに映し出しています。
過激なシーンがあるわけでもないのに、これほどまでに心に突き刺さる映像は、他にあまり無いかも知れません。
途中、2シーンだけ、妻のジューン・カーター・キャッシュが登場します。
このPVが撮影されたのは2003年2月ですが、その3か月後の5月に彼女は亡くなります。
そして、そのわずか4か月後の9月、後を追うようにジョニー・キャッシュも亡くなりました。

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