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連鎖反応 [Chain Reaction]【動画】

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つながりのある曲を鎖のように連ねながら、その曲に対する思いをコメントしていきます。ほぼ毎日更新(予定)です。
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#ボブ・ディラン

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963: Bob Dylan / Blowin' In The Wind

「イン・ザ・ウインド」で一番有名なのは、間違いなくこの曲でしょう。 ボブ・ディランが1963年にリリースした2ndアルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』(US22位/UK1位)は文句なしの名盤ですが、そのオープニングを飾ったこの曲もまた、歴史的な名曲と言えるでしょう。 代表的なプロテスト・ソングでありながら、具体的な「何か」に怒りをぶつけるのではなく、「答えは風に吹かれている」という曖昧なフレーズにしたことで、国や時代を超えた普遍的なメッセージソングになったと言えるでしょう。 意外にも本人のヴァージョンはチャートインしていませんが、ピーター・ポール&マリーのヴァージョンが大ヒット(US2位/UK13位)したのを皮切りに、非常に多くのミュージシャンにカヴァーされています。

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942: Guns N' Roses / Knockin' On Heaven's Door

『デイズ・オブ・サンダー』サウンドトラック収録曲から、もう1曲。 言わずと知れたディラン・ナンバーを、人気絶頂期にあったガンズがカヴァーしたこの曲。当然、シングルカットされてるかと思いきや、このサントラからはカットされていません。 翌1991年にリリースされたアルバム『ユーズ・ユア・イリュージョン II』(US1位/UK1位)にも収録されていて、ここからのカットで、UK2位を記録しています。 ガンズは、大学入学直後にコピーバンドをやったくらい、当時大好きなバンドだったのですが、このカヴァーはというと...という感じでした。

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914: Bob Dylan / Positively 4th Street

「道の名前」が入ったディランの曲つながりです。 『追憶のハイウェイ61』セッションでレコーディングされたこの曲、何故かアルバムには収録されず、「ライク・ア・ローリング・ストーン」に続くシングルとしてリリースされています(US7位/UK8位)。 繰り返されるシンプルなメロディにのせて、どこまでも皮肉の効いた歌詞が歌われる、いかにもディランらしい曲ですが、マイク・ブルームフィールドやアル・クーパーが参加しているせいか、サウンドの方も聴きごたえがあります。 それにしても、このタイトル、歌詞にも全く登場しませんが、どういう意味があるのでしょうか?

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913: Bob Dylan / Highway 61 Revisited

またアメリカの道路に戻ります。 ハイウェイ61は、アメリカ中部を南北に結ぶ道路で、彼の故郷であるミネソタ州ダルースを通っていました。 その道路をタイトルにした1965年のアルバム『追憶のハイウェイ 61』(US3位/UK4位)は、彼の最高傑作に挙げられることも多い、文句なしの名盤です。 「ライク・ア・ローリング・ストーン」が収録されているアルバムというイメージがありますが、それ以外にも、「やせっぽちのバラッド」や「廃墟の街」など、重要なレパートリーが収録されています。 そして、イントロの笛(?)の音が印象的なこのタイトル曲も、代表曲の1つで、ローリング・ストーン誌のオールタイム・グレイテスト・ソング500にもリストアップされています。

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776: The Beatles / I'm A Loser

「ルーザー」つながりでこの曲です。 1964年のクリスマスシーズンにリリースされた、ビートルズの4thアルバム『ビートルズ・フォー・セール』。前作『ハード・デイズ・ナイト』を首位から引きずり落とし、UK1位を獲得しています。 A面2曲目に収録されたこの曲は、フォーク・ロック調のポップなナンバー。内省的な歌詞は、ボブ・ディランの影響を受けていると言われています。 歌詞のテーマの変化だけでなく、サウンド面でも様々なアイディアが詰め込まれたアルバムで、それまでの「スーパー・アイドル」から、「歴史的なミュージシャン」へと変貌を遂げていく、過渡期の作品と言えるでしょう。

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565: The Band / This Wheel's On Fire

『クリームの素晴らしき世界』の原題は『Wheels Of Fire』。これに似ているということで、この曲を選んでみました。 ザ・バンドは、以前にも数曲取りあげましたが、この1st『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』(US30位)は、いつ聴いても歴史的名盤と呼ぶにふさわしい風格を感じます。 このアルバムには、共作も含めると、3曲の「ディラン・ナンバー」が収録されていますが、そのうちの1つがリック・ダンコと共作したこの曲で、リード・ヴォーカルもリック・ダンコがとっています。 サビのところで、ヴォーカルに寄り添うように入るコーラスが、いかにもザ・バンドの演奏という印象を与えてくれます。 シングルヒット曲ではありませんが、ディランにとっても、ザ・バンドにとっても、数多くのライヴで演奏された重要なレパートリーでした。

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448: Bruce Springsteen / Born To Run

ロイ・オービソンが「国民的シンガー」であったことを示すエピソードとして、若き日のブルース・スプリングスティーンが、「ボブ・ディランのような歌詞を、フィル・スペクターのようなサウンドに乗せ、ロイ・オービソンのように歌いたい」と語ったと言われています。 そんな「ザ・ボス」(「ビッグ・ボス」ではない)をロック・シーンの最前線に送り込んだのが、1975年リリースのアルバム『明日なき暴走』(US3位/UK36位)。 1stシングルとなったこの曲もUS23位のヒットとなりました。 これ以降、次々に名盤をリリースし、「国民的ロッカー」の地位を確固たるものとしました。 冒頭の言葉に戻ると、彼の詩は若者や労働者階級の目線で書かれたものが多く、「ボブ・ディランのような」強いメッセージをもっています。 また、この曲に代表されるように、多くのキーボードやホーン・セクションを重ねた分厚いサウンドは、「フィル・スペクターのような」ウォール・オブ・サウンドを意識していることは明らかです。 ただ、独特のしわがれた声は、ロイ・オービソンの澄んだ伸びやかな声とは似ても似つかないような気はします。 まあ、それこそが彼の個性であり魅力なので、似せる必要は全くないのですが。

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406: Bob Dylan / If You Gotta Go, Go Now (Or Else You Got To Stay All Night)

マンフレッド・マンは、ディラン・ナンバーを数曲カヴァーしています。 最初のカヴァーは、1965年9月にリリースされた「行ってもいいぜ」で、UK2位のヒットを記録しています。 彼らのヴァージョンを取りあげても良いのですが、ここはディランのヴァージョンで。 ただ、この曲、ディランのヴァージョンは、当時はオランダでシングルリリースされたのみ(しかも1967年になってから)で、USやUKでは、1991年の『ブートレッグ・シリーズ』までリリースされていませんでした。(しかも、前述のシングルとは別テイク) リリース時期からすると、オリジナルではなく、セルフ・カヴァーとなりますが、レコーディング自体は1965年1月なので、やはりこれがオリジナルということになります。 ちなみに、マンフレッド・マンによるディラン・ナンバーのカヴァーは、他にも「女の如く」(UK10位/US101位)と「マイティ・クイン」(UK1位/US10位)がシングルリリースされています。

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274: Bob Dylan / The Boxer

タバコをやめて「声変わり(?)」したはずのディランですが、次作『セルフ・ポートレイト』では、しゃがれ声と澄んだ声を曲によって使い分けています。 そして、その両方が聴ける「1人デュエット」がこの曲。 オリジナルは、言うまでもなくサイモン&ガーファンクルのハーモニーが美しい名曲ですが、ここでは「2人のディラン」が、かなりざっくりとしたハーモニーを聴かせています。 まあ、面白い試みではありますが、ちょっと散漫な感じもします。 このアルバム自体、大半がトラディショナルや他のミュージシャンのカヴァー、そしてライブ音源で構成された寄せ集め感のある作品で、賛否は分かれますが、あまり高い評価を得ているとは言い難い作品です。 とは書いたものの、かなり昔に聴いてピンとこなかったため、それ以降、食わず嫌い、いや「聴かず嫌い」になっているのも事実なので、今聴いてみると、新たな発見があるかもしれません。機会があれば、改めて聴いてみようと思います。

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273: Bob Dylan / Girl from the North Country

「見張塔からずっと」のオリジナルを収録したディランのアルバム『ジョン・ウェズリー・ハーディング』は、ロック色が影を潜め、アコースティック・ギターとハーモニカが中心のサウンドであったため、フォーク回帰とも受け止められた作品でした。 その傾向は、続く『ナッシュヴィル・スカイライン』にも受け継がれ、カントリー・アルバムとも呼べる内容でした。 アルバムのオープニングを飾ったこの曲は、1963年リリースの『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』収録曲のセルフ・カヴァー。 こちらのヴァージョンには、カントリー・ミュージックの大御所、ジョニー・キャッシュがゲスト参加し、ディランとデュエットしています。ドスの効いた彼の声は、いつ聴いても強烈な存在感です。 そして、このアルバムの大きな特徴として、ディランの歌が、いつものしゃがれ声ではなく、非常に澄んだ声であることが挙げられます。 この曲にしても、知らずに聴いたら、歌っているのがディランと気づかない人も多いのではないでしょうか。 本人曰く「タバコをやめたら、この声になった」とのことですが、本当かどうかは諸説あるようです。

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272: The Jimi Hendrix Experience /All Along The Watchtower

「クロスタウン・トラフィック」は、アルバム『エレクトリック・レディランド』からの2ndシングルでしたが、1stシングルとなったのは、ディラン・ナンバーのこの曲でした。 レコーディングには、「クロスタウン・トラフィック」にも参加していたデイヴ・メイスンが、この曲では12弦ギターで参加。 さらに、当時ローリング・ストーンズで居場所を失いつつあったブライアン・ジョーンズが、パーカッションで参加。イントロで聴こえる「カァ~!」という音は、彼による演奏です。さらに、ブライアンは最初ピアノを弾いていたとの記録もあり、改めて多才なミュージシャンであったことが分かります。 ディランのオリジナル(1967年12月)がリリースされてから、1年も経たない1968年9月にシングルリリースされ、UK5位/US20位のヒットを記録します。 ソングライターのディランもこのカヴァーを絶賛しており、「これが完成版」との賛辞を贈っています。 カヴァーでオリジナルを超えるというのはなかなか大変ですし、それがディラン・ナンバーとなると、さらにハードルが上がりますが、それをやってのけたジミは、やはり天才と呼ぶに相応しい才能の持ち主だったことが分かります。

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251: Bob Dylan / I Want You

『追憶のハイウェイ61』と並んで、ディランの代表作と呼ばれることが多いのが『ブロンド・オン・ブロンド』。フォークとロックの融合を完成させた作品です。 まず、2枚組というボリュームに圧倒されますし、「雨の日の女」「女の如く」「我が道を行く」などの代表曲も収録しています。そして、D面には「ローランドの悲しい目の乙女」1曲のみを収録というのも、おそらくロックでは初めてのことでした。 この曲も代表曲の1つ。アップテンポでポップな曲調に、歌とも語りとも取れる「ディラン節」が印象的なナンバーです。 このアルバム、1966年5月にリリースされていますが、冷静に考えると、この時点では、まだビートルズは『リボルバー』をリリースしていない(1966年8月リリース)んですよね。 当時のディランが、時代の最先端を走り、かつぶっ飛んでいたことを示す傑作だと思います。

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250: Bob Dylan / Ballad Of A Thin Man

今日も「Ballad of …」つながりで。記念すべき250回目なので、例によってビッグネームにご登場いただきます。 ボブ・ディランが1965年にリリースした、6thアルバム『追憶のハイウェイ61』。 US3位/UK4位という最高位とは別の次元で、ロック史に残るマスターピースとなっています。 まあ、『「ライク・ア・ローリング・ストーン」で始まるアルバム』というだけで、名盤に認定しても良いのかも知れませんが、A面ラストにこの曲が入っていることも、同じくらい重要だと、個人的には思っています。 ディランが弾くピアノに導かれて始まるこの曲、サウンドのポイントは、アル・クーパーが弾くオルガンでしょう。 元々はギターで参加しようと思ってスタジオに来たものの、マイク・ブルームフィールドのギター・プレイを見て断念したクーパーは、オルガン奏者がいないことに気づき、彼自身オルガンを弾いたことがなかったにもかかわらず、強引に参加したというエピソードが残っています。 よく聴くと、確かに、ところどころ音が外れているようにも聴こえますが、逆にそれが、ホラー映画のBGMの様に、不安感を掻き立てる演出になっているようにも感じます。 そして、そんなサウンドに、抽象的な歌詞がバッチリはまっています。 何度も繰り返される「ここで何かが起きているけど、あんたはそれが何か分からない/そうだろう、ミスター・ジョーンズ?」のフレーズが耳に焼き付く、強烈なインパクトをもつ曲です。

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248: Roger McGuinn / Ballad of Easy Rider

奥田民生「イージュー・ライダー」は、もちろん、超有名映画のタイトルのパロディ(と言うより親父ギャグレベルのダジャレ)。 1969年に公開されたアメリカン・ニューシネマを代表する作品ですが、音楽でも、ステッペンウルフの「ワイルドでいこう!」がUS2位/UK30位を記録するヒットとなっています。 この映画の製作・監督・脚本かつ主演のピーター・フォンダは、当初テーマソングをボブ・ディランに依頼するも、ディランは断り、代わりに歌詞の一部を走り書きし、「これをロジャー・マッギンに渡してくれ」と伝えたとされています。 そして、それを受け取ったマッギンが完成させたのがこの曲です。 アコースティック・ギターの弾き語りに、ハーモニカ(バーズのジーン・パーソンズによる演奏)という組み合わせが、なかなか味わい深いサウンドとなっています。 この後、バーズでもカヴァーしていますが、ちょっとオーケストラ・サウンドが厚過ぎるように感じます。 個人的には、フェアポート・コンヴェンションによるカヴァー(『アンハーフブリッキング』のボーナス・トラック)がお気に入りです。