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連鎖反応 [Chain Reaction]【動画】

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つながりのある曲を鎖のように連ねながら、その曲に対する思いをコメントしていきます。ほぼ毎日更新(予定)です。
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2021年8月の記事一覧

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241: Led Zeppelin / The Battle of Evermore

サンディ・デニーのことを知らなくても、ほとんどのロックファンは、彼女の声を聴いていると思います。 レッド・ツェッペリンの4枚目のアルバム、いわゆる『レッド・ツェッペリン IV』に収録されたこの曲で、ロバート・プラントとデュエットしているのがサンディです。 アコースティック・ギターとマンドリンをバックに歌われるこの曲、ツェッペリンの全作品で唯一、ロバート・プラント以外のヴォーカリストが参加している曲でもあります。 彼女が抜擢された理由は、ジミー・ペイジと同じアート・スクールに通っていた時からの友人だったからとのことですが、同時期にピート・タウンゼントやジョン・レンボーンも在籍していたというから、ものすごい話です。 しかし、まあ、このアルバムのA面、「ブラック・ドッグ」、「ロックン・ロール」、この曲ときて、締めが「天国への階段」。凄すぎます...

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240: Fairport Convention / Percy's Song

「ディランがレコーディングしたけどリリースしなかったアウトテイク曲を、ディランよりも先にリリースした曲」つながり(長い...)でこの曲を。 1969年にリリースされたフェアポート・コンヴェンションの3rdアルバム『アンハーフブリッキング』収録のこの曲は、7分近い曲ですが、同じメロディが12回繰り返されるというシンプルな構成です。 歌詞が非常に深い内容で、語り手の友人が交通事故を起こし、99年の刑を受けたため、語り手は裁判官に減刑を依頼しますが、判決は変わらないという話です。 構成的に曲の途中で飽きそうと思うかも知れませんが、緩急を入れたアレンジと美しいコーラスが非常に心地よく、このままいつまでも終わらないでほしいという気分になってきます。 そして、やっぱりサンディ・デニーの歌唱力は見事だと、いつ聴いても思います。

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239: The Byrds / He Was A Friend Of Mine

「私の友達」つながりで、このナンバーを取りあげます。 元はトラディショナル・ソングのこの曲、ボブ・ディランがデビューアルバム用にレコーディングしたことから、以降のミュージシャンによってカヴァーされることとなります。 もっとも、ディランのヴァージョンはアルバムには収録されず、ブートレッグで出回っていたのみで、公式にリリースされたのは、1991年の『ブートレッグ・シリーズ』が初めてでした。 そういう経緯もあって、最も広く聴かれているのは、このバーズのヴァージョンではないかと思います。 1965年のアルバム『ターン・ターン・ターン』に収録された彼らのヴァージョンは、歌詞が変更されていて、1963年11月に暗殺されたジョン・F・ケネディ大統領への哀悼の意を込めた内容になっています。 バーズと言えば、リッケンバッカー12弦をフィーチャーした華やかなフォークロック・サウンドを連想しますが、美しいコーラス・ハーモニーも、彼らの強みの1つでした。 こういうフォーキーな曲では、そんな彼らの持ち味を十分に堪能することができます。

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238: The Zombies / Friends of Mine

『サタニック・マジェスティーズ』がそうであったように、『サージェント・ペパーズ』の影響を受けたアルバムは多数あります。 『ペパーズ』と同じく、アビー・ロード・スタジオで録音されたゾンビーズの『オデッセイ・アンド・オラクル』も、そんな1枚。 以前取り上げた「ふたりのシーズン」を収録していることで有名なアルバムですが、個人的には、それ以外の曲にも好きな曲が多い作品です。 一番のお気に入りは、『ペパーズ』が発売された1967年6月1日に録音されたこの曲。 非常にノリのいい、ポップな曲ですが、サビのコーラスが面白くて、メンバーの周囲にいたカップルの名前が連呼されています。  ジョイス&テリー、ポール&モリー  リズ&ブライアン、ジョイ&デイヴィッド  キム&マギー、ジューン&ダフィー  ジーン&ジム、ジム&クリスティン バンド解散後に「ふたりのシーズン」がUSで大ヒットした時、そのB面にひっそりと収録されていたのがこの曲でした。

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237: The Rolling Stones / She's A Rainbow

ストーンズのアルバムで「異色の作品」として挙げられることが多い『サタニック・マジェスティーズ』(1967年、UK3位/US2位)。 まあ、ビートルズ『サージェント・ペパーズ』が与えた衝撃の余波(Aftermath!)をまともに受けた作品ということになるのでしょうけど、まあ、あまりストーンズらしい作品ではないでしょう。 私も、若い頃は「ストーンズと言えば、やっぱりライヴ!」というイメージがあったので、ライヴ感とは程遠いこのアルバムは、正直そんなに聴いていませんでした。 ただ、時代の流れに合わせて、サウンドを変え、プロデューサーを変え、ギタリストを変えながら、転がり続けてきたのがストーンズというバンド。 最近では「実はこれもストーンズらしい作品なのかも」と思うようになってきました。 アルバムの代表曲と言えるこの曲。USではシングルカットもされています(25位)。 タイトルでピンとこない人でも、曲を聴けば「iMacのCMソングだ~!」と思うのではないでしょうか。 印象的なピアノを弾いているのはニッキー・ホプキンス。ストリングスのアレンジは、当時はまだ無名のスタジオ・ミュージシャンだったジョン・ポール・ジョーンズ。 トランペットのサウンドは、ブライアン・ジョーンズがメロトロンで弾いています。このあたりにも、1967年という時代を感じます。

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236: The Rolling Stones / Under My Thumb

ローリング・ストーンズは非常に活動期間の長いバンドですが、どの時代が好きかは、人によって、結構バラケるのではないかと思います。 私は、60年代、もっと言えば、ブライアン・ジョーンズ期が一番好きです。(もちろん、ミック・テイラー期もロン・ウッド期も良いのですが) どんな楽器もすぐにマスターしたと言われるブライアンの才能が発揮された1例がこの曲。 ブライアンが演奏するマリンバが無ければ、ここまで印象に残るサウンドにはなっていなかったことは間違いありません。 この曲が収録された『アフターマス』、以前はそこまで好きではなかったのですが、今ではストーンズの全アルバムの中でトップ3に入れるくらい、好きな作品です。 ちなみに「アンダー・マイ・サム」、ライブでも人気の高いナンバーですが、意外なことに、UK/USとも、シングルでリリースされたことがありません。 これって、ストーンズの七不思議だと思います。

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235: The Rolling Stones / Walking The Dog

今日、仕事中にチャーリー・ワッツが亡くなったことを知りました。 偉大なるドラマーへの追悼の思いを込めて、今日はストーンズの曲を取りあげさせていただきます。 ラモーンズのフレーズで最も有名なのは、「電撃バップ」(「ブリッツクリーグ・バップ」よりも、こっちの邦題の方が好きです)の「Hey Ho, Let’s Go!」の掛け声ではないかと思います。(もしくは、「ピンヘッド」の「Gabba Gabba Hey!」でしょうか) このフレーズ、1964年にリリースされた、ローリング・ストーンズの1stアルバムに収録されていた、この曲(ルーファス・トーマスのカヴァー)をヒントにしています。 0:10あたりでミックが歌う「High hose, tipsy toes」を聴いて思いついたらしいですが、そう思って聴いてみても、私にはあの掛け声は作れない自信があります。 それにしても、ちょっと引きずるような独特のリズム感の、あのドラムこそがストーンズらしさだったなあと、改めて思います。

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234: Ramones / Do You Remember Rock 'n' Roll Radio?

「ドゥ・ユー」つながりで、ラモーンズのこの曲をチョイス。 1980年リリースの5thアルバム『エンド・オブ・ザ・センチュリー』に収録されたこの曲、それまでの「ギター、ベース、ドラムス&ヴォーカル」という典型的なバンド・スタイルからガラッと変わって、ピアノやシンセサイザー、そしてホーン・セクションのサウンドが、これでもかと凝縮されています。 変化の理由は、ズバリ、フィル・スペクターがプロデュースしているから。 彼のトレードマークでもあった「ウォール・オブ・サウンド」と、ラモーンズのストレートなパンクロック・サウンドの融合は、新しいファンにも支持され、アルバムはUS44位/UK14位と、彼らの作品中、最高の順位となっています。 それはそうと、このMVを見ていて思ったのは、TVの映りが悪い時、「叩いて直す」という方法は、万国共通なんだなぁ~、ということ。 物心ついた時にはすでにデジタル放送だった若い人には、何の話かさっぱり分からないのかも知れませんが... 遠くなりゆく昭和に乾杯!

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233: The Flaming Lips / Do You Realize??

ザ・フーチャーヘッズのバンド名は、ザ・フレーミング・リップスのアルバム『Hit to Death in the Future Head』から取っています。 ...なんですが...私、このアルバム、聴いていません... ということで、その代わりに、彼らの代表曲を。 2002年にリリースされた『Yoshimi Battles the Pink Robots』に収録されたこの曲は、ライヴでも毎回演奏される人気曲。ヴォーカルのウェイン・コインも、これまでに書いた曲の中でベストに挙げているそうです。 非常に淡々とした曲調ですが、本当に美しい曲だと思います。 そして、それとは対照的に、何を考えて作ったのか全く分からないMV。ネグリジェ姿の女性ダンサーを4人もはべらかすとか、単なるオヤジの趣味としか思えませんが、でも、人生で1度でいいから、このシチュエーションで歌ってみたいと、ちょっとだけ思ったりもします。

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232: The Futureheads / Hounds of Love

ケイト・ブッシュの作品は、どの作品にも彼女独自の世界観が色濃く表れているので、カヴァーする方もそれなりの覚悟をもって臨まないと、オリジナルと肩を並べるのは難しいでしょう。 そんな中、異色のカヴァーが、ザ・フューチャーヘッズのデビューアルバムに収録されたこのヴァージョン。 オリジナルは、1985年にリリースされた同名アルバムのタイトル曲。ケイトの作品の中で、最も評価の高いアルバムです。 オリジナルでは、フェアライトCMIを駆使して作ったサンプリング・サウンド(当時はPCの性能も低かったし、大変な苦労があったと思われます)を再現するためのアプローチとして、21世紀のバンドが「コーラスの重ね合わせ」という最も原始的な方法を選択しているのが新鮮でした。まさに逆転の発想。 2005年に、アルバムからの4thシングルとしてリリースされ、彼らにとって初のトップ10ヒット(UK8位)となっています。 MVの最後の方で、タイトルにちなんで猟犬が登場するところは、思わず微笑んでしまいます。 余談ですが、私もケイト・ブッシュも戌年生まれです。

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231: Kate Bush / Experiment IV

デヴィッド・ギルモアが世に送り出したミュージシャンと言えば、やっぱりケイト・ブッシュを取りあげないわけにはいきません。 1977年に「嵐が丘」でデビューして以来、表現力豊かなヴォーカルと、異常なまでにこだわったサウンド・メイキングで、数々の名作を創り出してきた、UKを代表するミュージシャンの1人です。 そんな彼女が、1986年にリリースしたベスト盤『ケイト・ブッシュ・ストーリー(The Whole Story)』に収録されていた新曲がこの曲。シングルでもリリースされています(UK23位)。 この曲、MVとセットで創られた作品と言っても良いかと思います。 タイトルの「実験4」とは、「人を死に至らしめる音」を開発する軍の極秘プロジェクトのこと。 MVも、その内容を踏襲して作られています。そのため、ところどころホラー映画の様なシーンがありますが、曲の世界観をうまく表現しています。 ケイト本人の登場は少ないですが、いずれもキーとなる重要な場面に登場しています。 当時は高校生で、内容をあまり理解していませんでしたが、今改めてみると、よく出来たMVだと思います。

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230: Pink Floyd / Comfortably Numb

ドリーム・アカデミーの1stアルバムに、プロデューサーの1人として名を連ねているデヴィッド・ギルモア。言うまでもなく、ピンク・フロイドのギター&ヴォーカルです。 ピンク・フロイドは、プログレッシヴ・ロックに分類されますが、他のプログレ・バンドのように高度な演奏テクニックで圧倒するのではなく、緻密に構成された楽曲や抒情的な演奏で魅了する、独自のポジションを築いていました。 アルバム『ザ・ウォール』に収録されたこの曲が、その一番分かりやすい例かも知れません。 ヴォーカル・パートももちろん素晴らしいのですが、この曲の一番の聴きどころは2回あるギター・ソロ。 歪んではいるけど芯の通ったトーンに、ディレイ・エフェクトがかかった浮遊感漂うサウンドが、ドラマティックな楽曲の雰囲気にぴったりハマっています。 音楽雑誌や音楽サイトの「偉大なギターソロ」企画でも、必ず上位にランキングされており、派手さはありませんが、歴史に残る名演と言えるでしょう。

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229: The Dream Academy / Life In A Northern Town

ザ・スミスの「プリーズ・プリーズ」は、シングルヒットしたわけでもないのに、多くのアーティストにカヴァーされています。 代表的なのは、ミューズ、デフトーンズ、フーティー・アンド・ザ・ブロウフィッシュでしょうか。 そして、おそらく最初にリリースされたカヴァーは、オリジナルの翌年、1985年にリリースされた、ドリーム・アカデミーによるヴァージョン(UK83位)だと思われます。 まあ、でも、ドリーム・アカデミーと言えば、やっぱりこの曲でしょう。 1985年リリースの1stアルバム『ドリーム・アカデミー』収録のデビュー・シングルで、UK15位/US7位の大ヒットとなりました。 管楽器の柔らかなサウンドと、サビで鳴り響くティンパニが、本当に新鮮でした。 「1963年の冬は世界が凍り付きそうだった/ジョン・F・ケネディ―とビートルズで」という2番の歌詞も印象的でした。MVにも映っていますね。 この曲以降ヒットに恵まれず、活動期間も短かったですが、記憶に残るグループでした。

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228: The Smiths / Please, Please, Please Let Me Get What I Want

ザ・スミスで、どうしても取りあげておきたいのがこの曲。 コンピレーション・アルバム『ハットフル・オブ・ホロウ』で初めて聴いたのですが、最初は「タイトル、長っ!」と思ったことを覚えています。 ただ、聴いていくうちに、この2分にも満たない曲の美しさに、すっかり魅了されました。 この曲は、シングル「ウィリアム(William, It Was Really Nothing)」のカップリングだったのですが、カップリングのもう1曲は「ハウ・スーン・イズ・ナウ?」という豪華さ。 ある意味、ザ・スミスにとって最強のシングルかも知れません。 今にして思うと、ザ・スミスの音楽を10代半ばに聴くことが出来たのは、本当に運が良かったと思います。 自分の音楽的嗜好に大きな影響を与えてくれたバンドに感謝です。