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大吠楽飢
2024年10月12日 18:49
その昔、江戸の町は野良犬であふれて居た。兎に角辻々にいるのだから大変な数だ。――伊勢屋稲荷に犬の糞江戸に有り触れたものとして、上掲の様に揶揄された程である。野良と言ってもその大半は放し飼いの飼い犬で、今でいう地域猫のようなものであった。そして、そういう犬は里犬と呼ばれていた。明治に入り、そんな里犬に転機が訪れる。それも悪い方へ。「畜犬規則」だ。名目上は狂犬病対策ということだ