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私にとってのNo.1〜奇跡のコートを見つけるまで【前編】

自問自答ファッションを自分なりに始めて、2年目の秋、コートを購入した。

今回のコートについての自問自答は、自分史上、1番自問自答した買い物になった。
取り寄せをお願いしに行く日の朝、本当に自分が高価なコートを買ってもいいのか、不釣り合いなのではないか、などの不安で、泣いていた
取り寄せた品を受け取りに行く日も、再び自問自答して、高額な買い物に怖くて泣いていた
無事に購入した後、帰宅後、コートを抱きしめて泣いた
とにかく、泣きまくりの自問自答だった。

そんな私のコート試着旅を振り返りたい。



8月半ばからコート探しを始めた。
細かい条件はあまり決めずに、とにかく色々なコートを試着して、試着しながら方向を決めていこうと思った。

思い描いた簡単な条件は、

  • 秋も冬も兼用できたらラッキー

  • 丈は長すぎなければ良い(階段で裾を気にしないで上がり下りできる長さ)

  • 色は、ダークカラーで、汚れを恐れずに着れる色

  • 素材は決めずに色々試す

くらいだった。

試着を進める中で、自分に似合う形、色、などがわかってきた。

  • マックスマーラのマニュエラコートのようなウエストを絞れるガウンコート

  • 襟に角があるピーコート(襟が丸いとダメ)

  • フード付きで、カジュアルに寄りすぎないキレイめコート

  • ガッツリショート丈か、お尻隠れる丈、または膝下丈のいずれかが良い。

  • 真黒よりは、ダークネイビーの方が似合いやすい。(黒は、似合う黒と似合わない黒がある)


逆に似合わないコートは

  • 硬い素材のトレンチコート(ゲームのラスボス並に体が巨大化して見えて面白い事になる)

  • オーバーサイズのコート(特にキルティングで大きめだと、やはり巨大化する)

  • ステンカラー、ノーカラーのコート(顔まわり、胸回りの上半身が寂しくなる)

  • 甘めのもの(丸い襟、さらに色も甘いとダメ)

  • 長すぎる丈(着た時は「かっこいい…」と思う事が多いが、写真を見返すとバランスが悪い)

  • タイトなダウンコート(完全におばさん化してしまう。恐怖!)


様々なコートを試着して、似合うコート、似合わないコートがわかるようになってきたが、「このコートを着た自分が『なりたい』姿なのか、わからない」という問題に直面した。

そう。私は、コンセプトがまだ決まっていなかった
キーワードはたくさん思い付くものの、なりたい職業は定まっていなかった。
あきやさんが「コンセプトがないと服が選べないんです!」とおっしゃっていたが、この時まで信じていなかった。(おいっ!)
夏は、コンセプトがなくても乗り切れた。冬のコートも、「これだ!」って見つけられるよね⭐︎と気軽に思っていた。

しかし!!!本当に選べなかった。わからなかった。似合うコートにはたくさん出会えた。でも…。それが「なりたい」かどうか全くわからなかった

それでも、なんとか試着旅を続けた。今年は買えなくても、来年のための下見でもいい、と思っていた。(去年もそう思ってコート試着をしていた。)

そんな中出会ったのが、コムデギャルソンコムデギャルソンのエステルコート
この事については下記記事をお読み頂けたらと思います。

コムデギャルソンとの出会いによって、コンセプト作りも少し進んだ。
社会に左右されずに自分を信じ、この世界を慈しむ○○。
相変わらず職業不詳だが、これをベースに今後考えていこうと思った。
ここまでで、試着100着は達成していた。
しかし、やっと「これだ!」と思えたエステルコートには振られ(上記ノート参照)、ますます迷走するばかりだった。

が、この時のコムデギャルソンとの出会いをきっかけに、モード系の試着を開始した。もしかしたら私は、モード系でビビッと来るかもしれない、と思ったから。

コムデギャルソンについて書かれた雑誌や本を読む時に、比較として、ヨウジヤマモトさんの本を読んで、「素敵…😍」と思っていたので、ワイズに試着に行った。

ワイズではとても頼もしい店員さんが接客をしてくださり、コートを探している事を伝えると、まるでわんこ蕎麦のように、次から次へと試着させてくれた。

初めに試着したコートで、驚いた。
今まで見たことのない「新しい自分」がいた。
それを着た自分をとても色っぽいと感じた。
それについてもお手数ですが、下記記事をどうぞ…


ワイズでは、この1着を含めて、全部で8着、試着させて頂いた。

ワイズのコートからは、着る人への優しさや愛情を感じた。女性を美しく見せてくれるシルエットや、オーバーサイズなのに華奢に見える作り。黒は黒でも、なんとも美しい黒、強すぎない黒、日常で着れる黒(カーキも可愛かった)。かっこいいのに、女性らしく、大人の色気香る服。コートはどれも軽くて、着心地も最高だった。

何よりも、そのコートを着た自分が、かっこよくて、色気があって、エレガントで、大人っぽくて…そんな自分を初めて見たので、ドキドキした。

しかしこの時のコートは、予算オーバーだったのと、来月にまたワイズの新作コートがたくさん入荷するとのことで、一度保留にした。


その後いくつか試着を繰り返す中で、ついに…ポエムが出た。
ポールスミスのブルーのピーコート。

この画像だとネイビーに見えるが、実物はもっと絶妙なブルー。はぁ…素敵!

ああ、素敵。なんてきれいな色。
着た瞬間「夜空のようだわ…」と呟いた。たぶんこれはポエムなのだろう。
まさに星が輝く夜空の色だった。

このコートを着て、来年二月のマティス展に行きたい…。
そう、このブルーの色は、マティスの切り絵のブルーにそっくりだったのだ。

わたしのマティスについての想いはこちらのノートを…

マティスブルーのこのコートを着て、美術館に行きたい。まるで、マティスの世界から抜け出て来たようではないか。胸が高鳴った。

サイズ展開も豊富で、小柄な私にもぴったりなサイズがあった。肩のあたりが丁度よく、スッキリきれいでかっこよく着れている。
しかし、ユーモアのあるデザインで、親しみが持てる。
この試着旅で出会ったウール部門では、私的に間違いなくNo. 1であった。

そこにポールスミスのストライプのマフラーを店員さんが巻いてくれた。
最高〜!!!と気分が上がった。

その後、4回試着に行った。その度に、最高〜!!!やっぱりこれだ!!!と思った。

しかし、最大の懸念事項があった。
私は、子供と出かける時、リュックなのだ。
ウールのコートで、リュックを背負うと毛玉が出来てしまうだろう。
なので、ウールコートは、子供と出かける時には着られないのだ。
(もちろん着ることもできるが、私は結局毛玉が気になって、リュックの時は使わなくなってしまうだろう)


ここから怒涛の自問自答タイムが始まる。

では、1人で出かける時や、リュックを背負わない日常で、使えば良いのではないか?とも思った。実際、私の演歌バッグや革靴は、1人で出かける時に、主に使っている。なので、コートも、1人で出かける時用を買う事は、全く問題ない。
今年は、1人で出かける時用のコートを買って、子供と出かける時は、手持ちのダウンコート(実家の人から貰ったお下がり)を着る、というのも現実的である。

でも、きっと、いつもいつもポールスミスのコートを着たくなるだろう。
子供と出かける時は、しぶしぶポールスミスのコートを諦めてどうでもいい手持ちのダウンコートを着る。
そのことに対して、「あーあ、子供といるからポミスコートは着られないんだ」と、子供に対してネガティブな気持ちになってしまうのではないか?

1人用のウールコートと、子供と出かける時用のお気に入りコートの2着買えれば全て解決するのに…!でも予算が…!

そんな時に出会ったのが、下記もとこさんのノート

もとこさんのこちらのノートは、私に大切な事を思い出させてくれた。

子供っていつまで親と手を繋いで歩くんだろう。
子供の成長は本当に著しく、毎日何かできるようになっている。
親の手を離すことは子供達の成長だからとても喜ばしいこと。

だから手を離しても安全に一人で歩けるようになるその日まで、
きっとほんの数年の、短い間だけは、
リュックを背負って一緒に歩きたい。

もとこさんのノートより


あーーーーー!!!私はなんてバカだったんだっ!!!
ウールコートを買う事で、1番大切な子供とのおでかけ、手をつなげる貴重なひと時を、大切にできない人になるところだった。
もとこさん、気づかせてくれて本当にありがとうございます!!!

そこで大きな決断をした。

ウールコートを着ない物リストに入れた。

少なくとも今年は着ないし買わない。ポミスコートは今年は買わない。

では、私が、今年買うべきコートはどんなコートか。それは、

子供と出かけるリュックの時に着れるコート!!!


この事を決断するまでの、ここまでのコート総試着数は179着だった。ここまで、そんな大切な事に気づかず、ノープランで、旅をしていた。
(真剣に購入を検討したコートは、ウールでは、この1着が初めてだったこともある)
本来なら、プランの段階で、これを決めておくべきだったのか!?
またしても、プランしないでドゥ!しちゃったから、試着旅が難航&長引いてしまったのか…?!とほほ…。


長くなりましたので後編に続きます!

お読みくださりありがとうございました😊

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