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【チラズアート】呪いの正体とは?チラズアート『夜間警備』解説&考察 

※追記 8/27 チラズアート公式が主人公の正体について言及

マキトchさんのもとにチラズアート公式さんからストーリーについての言及のメールが届いたらしく、それによるとやはり主人公は落木だったようです


ゲームの舞台

これは現実なのか

主人公が体験したことは現実なのでしょうか?
主人公が落木の後任として訪れたビルが呪われていて、主人公はその呪いを受けてしまったとも考えてみましたが、そう仮定するとあまりにも多くの矛盾点が出てきてしまいます。
なのでこのゲームで主人公が体験した事柄は全て主人公の夢の中、あるいは精神世界の中での出来事だったと考えるのが妥当だと思います

上下反転した世界

現実ではない証拠として、何の脈略もなく上下が反転したり、赤い液体が溜まった通路が出現したり、2階のトイレにいたはずの女の人が3階のトイレにもいたり、と現実的ではない表現が多く登場しています。
後ほど説明しますがその他のしっくり来ない出来事も夢の中だとすると辻褄が合います。

ラストシーンの意味

最後女の霊に追いかけられるとき、突如壁にキーパッドとその隣に家に貼られていた家族の絵が登場します。

家族の絵

キーパッドに1023と入力するとエレベーターへの扉が開いて脱出できるようになります
この数字は娘の誕生日の数字でした

10月23日

その後エレベーターに乗って脱出できた主人公は病室で家族が見守る中目覚めます。一見、ビルでの怪奇現象に心身をやられた主人公が意識を失い、病院に運ばれたと捉えてしまいがちですが、上述の通りあれが全て夢のなかのお話だとすると、
主人公は元々何かしらの原因で意識を失った状態で入院しており、その間に自身の精神世界の中であのような悪夢を見ていて、キーパッドに娘の誕生日を入力して自身の家族の存在を思い出すことにより女の霊に捕まることなく現実世界に意識を取り戻すことに成功した。
ということだったとも考えられるのです

悪夢の正体

警備員の罪

では悪夢の内容について見ていきましょう。
主人公は前任の落木敬護が失踪したため彼の後釜としてビルの警備をしています。
その後主人公は2階で電話番号を交換するように迫る女性社員と出会いますが、その女性社員は主人公が監視カメラを見ているときに6階で談笑している女性社員の一人として再び登場します。

2階の女性


この女性社員はパワハラを受けていた女性社員から警備員を略奪したとも言っています。

この会話の後、3階の非常階段で何者かに殺されるのですが、この流れから考えるにこの女に警備員を略奪された女性社員(あるいはその霊)に殺されたのでしょう。

警備員は浮気をしたので元カノの女性社員に恨まれていると考えられます。

女性社員の違和感

この女性社員の行動不自然に感じませんでしたか?
前任の落木が失踪して、代わりにやってきた新人の主人公警備員に一目惚れして番号を交換。その後6階で同僚に、警備員を寝取ってやったと得意げに話す。
この世界が現実だとすると、この女性社員は警備員である主人公と番号を交換しただけなのに、話を盛って略奪してやったと同僚に話している。
あるいは前任の警備員を略奪した上に、新しく来た主人公とも番号を交換して付き合おうとしているとしか考えられないのですが、
上述したようにこれは全て主人公の夢のなかで起こっていることだと考えると辻褄が合います。
これらの出来事は過去に起こったもので、別の日に起こっていた一連の出来事を、夢の中で同じ日に起こっているように感じているだけなのです。

現実の時間軸で見るとこうなります。

  1. 警備員はパワハラされている女性社員と付き合う

  2. 別の女性社員に警備員は一目惚れされ、番号を交換して寝取られる

  3. パワハラされていた女性社員、あるいはその霊によって、警備員を寝取った女性社員は殺される

主人公は夢の中でこれらの出来事をあたかも同じ日の出来事のように体感しているということです

主人公は誰?

では主人公は誰なのでしょうか?
主人公は落木の後任として初めてビルの警備員に来たはずなのに、ビルの社員から前から警備員として働いていたような反応をされています

  • 2階で女性社員に「あなたってもしかして?」と既に知っているような反応をされて一目惚れされている

  • パワハラを受けていた女性と初対面のはずなのにまるで以前から知っていたように電気のレバーを入れてきて欲しいと物を頼んでいる

  • 「あなたが来ると帰れるので嬉しいです」と以前から警備員だったような返答をされている

  • 最後女性社員の霊に追いかけられる前に「愛して」と言われている

  • エンディング1の最後に落木と表示される

そしてこれら全ては主人公が見ている夢であること、などを考えると
主人公=落木だったとするとこれら全ての辻褄が合います

パワハラされていた女性社員と付き合っていたのに、番号交換をしてきた別の女性社員と浮気をしてしまったのは落木だったのです。
主人公=落木だとすると5階の監視室に置かれていた落木のメモも全く違った意味を持ったものになります。
この世界が現実だとすると落木は心霊体験をしてしまったために警備員を辞めて、すぐに新入りの主人公が雇われた。ということになるのですが、この世界は全て落木が見ている夢の中だということ、そして現在の落木は結婚していて7歳になる娘がいることをあわせて考えると、
現実世界で落木が警備員として勤めていたのは今よりも何年も前のことだったということになります

メモの通り浮気をされた元カノの霊を監視カメラ越しに見てしまった落木は身の危険を感じて警備員を辞職。
辞職した落木はゲームの冒頭に出てきた新しい女性と結婚し、娘を授かり、7歳になるまで新しい家庭の元生活します

しかし過去の罪から逃れて新しい家族の元生活しようとする落木を怨んでいる元カノの霊は、彼を意識不明状態にさせて夢を見させたのです。過去の罪と向き合わせるために。

エンディング1で主人公=落木だと明かされる

つまり、元カノの呪いにより意識不明となった落木が、自身が犯した罪を夢の中で落木の後任者の警備員として追体験させられているのではないでしょうか。
我々プレーヤーは落木が見せられている夢を追体験しているということになります。

そしてエンディング2では落木は家族の存在によって意識を戻すことに成功したのですが、それでもまだ元カノの呪いに付きまとわれています。

エンディング1から読み取れること

最後元カノの霊に追いかけられるときに登場するキーパッドの周りにはいくつもの番号の組み合わせが壁に書かれており、それら全てに上から線が引かれています。
これはどういうことなのでしょうか。
エンディング1で非常階段に逃げると元カノの霊に襲われて、テープが巻き戻され、ビルに出勤してきた場面に戻されます。
このことから考えると主人公は同じ日の警備員の仕事を夢の中で何回も何回も繰り返しさせられていて、キーパッドの壁に上から線が引かれたいくつもの数字の組み合わせが書かれていたのは、主人公がこれまで何回もキーパッドに正しい数字を入力しようと試してきた痕跡なのではないでしょうか。
そしてこのことも、この世界が現実ではなく夢の中であるということの証拠にもなっています。
エンディング2で娘の誕生日を入力した主人公はこのループから抜け出すことができ、現実世界に帰れたというオチだと考察しました。

※追記 6/21

8階のトイレにいた女社員

これは恐らくですが落木を略奪した女性社員かその仲間だと思います

女性社員がアイツと言っているのは落木を奪われ、しかもパワハラされていた女性社員でしょう。
彼女が死んだせいで彼女の霊が他の社員たちを次々殺していったことを嘆いているのだと思います。

6階での会話でもアイツ呼ばわりしています

非常階段の謎

非常階段の扉には工事中の張り紙が貼られています
10階に行くために非常階段に入りますが立入禁止の黄色帯が放置されています
また6階で談笑していた女社員も3階の非常階段で死亡していて、6階の非常階段の扉にも大量の血が付いています。
このことからこの会社の社員は全員非常階段で亡くなっていると推測されます
主人公が出会う社員の人達はなぜか全員エレベーターを使わず非常階段を使って帰ろうとしていたのも、主人公が出会う社員は全員非常階段で殺されていた霊だったということだと思います。

5階で出会うパワハラされていた女性社員だけはエレベーターで帰ろうとしていたので、彼女の霊が他の社員を非常階段で殺していたということなのでしょう。

6階で血痕をモップがけしている女性

彼女はビルの清掃員のおばちゃんで、立て続けに社員が殺されていくので後始末させられることが多くなり、殺人の原因である不倫していた主人公を軽蔑の目で睨みつけていた、と考えました

パワハラされていた女性社員の死因

9階に回転し続けている椅子があったと思いますが、あの階に行くと女性のうめき声が聞こえることから、あの椅子を蹴って首吊り自殺をしたのではないのでしょうか

9階でひとりでに回転している椅子

ブラウン管で再生されるビデオ

あのビデオは全てパワハラされていた女社員が他の社員に悪口を言われていたシーンだったので、彼女がパワハラされていた証拠をビデオに撮っていた、あるいは主人公に自身の苦しみを伝えたかった、のどちらかだと思います

※6/26 追記 主人公≠落木説について

色んな方の考察を見させていただいたのですが、主人公≠落木だとする考察と主人公=落木だとする考察とで二分されているようでした。
しかしやはり主人公=落木のほうが筋は通っているように思います。

主人公≠落木だとすると新人警備員の主人公に、前任の警備員落木の浮気により起こった惨劇を追体験させて主人公本来の記憶を曖昧にさせて、最後霊に追いかけられるときに、本来の自分を思い出して、娘の誕生日と同じ数字を入力することができるかを試すために主人公をループ世界に閉じ込めているということになってしまいます

それはやはり霊の動機にしては弱いような気がしてしまうのです。

もちろん、最後のロッカーにケーブルを持って入っていたのが落木だったとすると、すでに霊は落木を殺して怨みは晴らしたので後任の警備員相手に遊ぶ余裕ができたとも考えられて動機は自然な感じもします。
でもどう見てもあの死体が35歳のモテモテ警備員には見えないんですよね~
服装も警備員って感じじゃないですし、私は女性社員をパワハラしていた上司の死体なんじゃないかと思っています。

まあでも失踪したと思われた落木は実は死んでました!と伝えるためにわざわざロッカーに入れたのかもとも思ってしまいますし・・・難しいですね

それでもやはり監視カメラで心霊映像を見てしまった落木が警備員をやめ、さらに新しい女性と結婚したので元カノの霊が恨みを晴らすためにループ世界に閉じ込めた。とした方が動機としては自然でホラー要素も強いのでそっちの線を押したいと思います。

主人公≠落木がしっくりこない理由として、警備員の仕事で妻子を持ってあんな良い場所の家(あの家から外を見ると結構都会に住んでいることが分かります)に住めるのか?と思ってしまうんですよね。やっぱり落木が警備員をやめて数年たった後の話のほうがしっくりくるなーと思います。


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