アルバムレビュー④ The Beatles 『Rubber Soul』

第4回は、伝説のバンド「The Beatles」の作品群の中でも特に好きな、6枚目のアルバム「Rubber Soul」をレビューしていきたいと思います。

個人的にこのアルバムからビートルズは覚醒していったと思ってます。ジョン・レノンはより内省的な方向へ、ポール・マッカートニーはよりメロディアスでポップに、ジョージ・ハリスンも素晴らしい作品を作り出します。サウンドもこれまでの元気ハツラツなリヴァプールサウンドから脱却し、よりディープになっていきます。

ジョン・レノンは、「Rubber Soulは大麻アルバムだ」と語っており、薬物による音楽性の変化というものも大きかったと思われます。また、タイトルの「Rubber Soul」は、当時、白人のロックミュージシャンが、本場のミュージシャンに、「Plastic Soul」だと揶揄されていたことから、ポール・マッカートニーが生み出した造語らしいですね。

「Drive My Car」
今やドライブマイカーと聞けば、村上春樹の方を思い浮かべてしまうが、そのタイトルの元ネタはもちろんこの曲。拍子がよく分からなくなるギターのイントロや、複雑なハモリからこのアルバムのヤバさや独特の緊張感がひしひしと伝わってくる、一曲目にふさわしい曲。ポール・マッカートニー作曲の中でもなかなか異色な曲だと思う。

「Norwegian Wood(This Bird Has Flown)」
ジョン・レノンの、フォークロック系の作曲の最高到達点だと思う。めちゃくちゃシンプルなコードなのに聴いたことない曲が作れるのがマジですごい。
シタールもいい感じに作用してて若干のインドぽさもここから見え始める。歌詞はなんか怖い。

「You Won’t See Me」
ポール・マッカートニー作曲の、ポップな一曲。
「ウーラララ」のコーラスが可愛らしい。歌詞はやっぱりあまりいい感じのものでもなく、以前から変化が見え始める。そのまんま和訳すると「君は僕に会いたくない」になるし。

「Nowhere Man」
ジョン・レノン作曲で、この曲がビートルズで初めて、恋愛以外がテーマに描かれた作品。今の時代にこそウケそうな歌詞で、僕もめちゃくちゃこの歌詞には助けられてきた。三声のハーモニーも上質で素晴らしい。最強の一曲。

「Think For Yourself」
ここでこのアルバムで初のジョージ・ハリスン作曲。ファズベースが印象的で、かっこいい。ジョージ・ハリスンの楽曲も奥が深くて聴けば聴くほど好きになるスルメ曲が多い気がする。この曲もそんな気がする。ジョン・レノンとポール・マッカートニーのハモリが聴けるだけで大満足である。

「The Word」
この曲もハモリがすごい。途中から同じフレーズだけどハモリの音が変わるというのも面白い。歌詞も、単純な恋愛の歌詞というわけではなく、愛と平和的な意味合いがある、哲学的な意味での愛みたいな感じ。

「Michelle」
ポール作曲のフォーキーな一曲。歌詞の一部にフランス語が使われているのも印象的。音楽的に語ると、ビートルズの中で初めてクリシェ(下がっていくコード進行)が使われている楽曲(多分)で、クリシェは後々ビートルズの楽曲でたくさん出てくるのでそういう意味でも先進的な楽曲だと思う。

「What Goes On」
リンゴ・スターボーカルの一曲。でも大部分はジョンによる曲。ここら辺からリンゴ・スターのボーカル曲はほのぼの系というパターンが確立してきたような気がする。歌詞も可愛らしい恋愛ソング。

「Girl」
ジョン作曲のバラード。コーラス部分の「スーーー」という息を吸う音が印象的な一曲。大麻を吸う暗喩じゃないかという説もあるが、真相はわからない。

「I’m Looking Through You」
ポール作曲。コーラスがギターメインみたいな構成で、まるでEDMの先駆けのようにも感じる。全体的にはフォーキーで牧歌的な心地良いサウンド。

「In My Life」
ジョン作曲の名バラード。歌詞の美しさもさることながら、やっぱりメロディーとコード進行が綺麗すぎる、ビートルズのバラードの中でもトップクラスの名曲。曲間のジョージ・マーティンによるピアノソロも上質で最高。

「Wait」
ジョンは、「ポールが書いた」と、ポールは、「ジョンが書いた」と言っており、意見が食い違っている曲。普通自分で書いた曲忘れない気がする。。。曲は普通にかっこいいロックナンバー。
実は「Help!」のセッション時にすでに録音されており、急遽追加された曲。急遽にしては完成度が高い。

「If I Needed Someone」
イントロの12弦ギターのリフが印象的なジョージ作のナンバー。やっぱりジョージの曲はジョージにしか作れない唯一無二感を醸し出している。そして、コーラスも非常に重厚で美しい。

「Run For Your Life」
最後は、ジョン作曲のポップなロックソング。
ジョン自身は「ビートルズ時代で最も嫌いな曲」と語っている。歌詞は、エルヴィス・プレスリーからの引用があるなど、若干他の曲に比べるとやっつけ感を感じざるを得ないが、普通にかっこいいから問題なし。


ということで以上で「Rubber Soul」レビューを終わりにしたいと思います。改めて聴き直すとやっぱりめちゃくちゃ良いアルバムですね。1965年のアルバムとは思えないくらい今聴いても古臭さを感じないのは、みんながビートルズに影響を受けているからなのでしょうか。まだレビューは始めたばっかりで拙いところも多いと思いますが、これからもどうぞよろしくお願いします。あと、なんか間違いがあればすいません。

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