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「地域おこし」してみた


山形県西川町に、2週間おてつたびに行ってきた。
今回の内容は、地域おこし協力隊のインターン。よく分からなくて楽しみ。

↓おてつたびとは



↓前回の初おてつたびの感想



↓当時の日記


7月5日
夜行バスに乗って山形駅に到着。
左沢線で集合場所の寒河江駅へ。

絵画のような車窓

11:15 寒河江駅に到着。
髪を後ろに纏めた、下北沢に居そうな男性が車から降りてきた。
お願いしまーすとだけ言われ、名前を確認されることもなく車内に案内される。もう1人おてつたびの若くていかつい男性も乗車。
 3人でシェアハウスに向かう。出身は?とか山形初めて?とか聞かれながら、20分で到着。もう2人おてつたびがいるらしく、下北沢は再び寒河江に迎えに行った。
 いかつい男性と雑談しながら待機。日本一周の話を滔々と話すと、彼は世界一周したらしい。恥ずかしいわ。


あとの2人もシェアハウスに到着。なんと、年配の方2人。あとで知ったけど、違う年代の人を採用するようにしてるらしい。

5人で昼ごはん。

山菜そば

そばを待ってる間に自己紹介。

Kさん...67歳。東京出身。退職後おてつたびを何十回もやってる。元製造業。メキシコに3年間出張。

Mさん...69歳。東京出身。元みずほ証券。ファイナンシャルプランナー。登山、スキー、結婚相談所など主催。

Iくん...27歳。姫路出身。超寡黙。去年ピースボートで世界一周。

やべぇやつの集まりだった。

そんなに会話することなく、車で近くを観光して、宿に帰る。
 今夜は居酒屋で歓迎会。長い卓で8人くらいいた。1人ずつ自己紹介する。なんと同じ大学出身の人がいた。25歳で研究で山形に来てるらしい。24歳で町長秘書をやってる人もいた。意外と若者が多い。
 前回まではおてつたびに女性多めだっのに、今回は4人全員男でガッカリされた。仕方ないだろ。自己紹介が終わると、この町だとあの子かわいい、あの子もかわいいとかの話になってた。

3時間飲み、解散。店を出ると、隣の家(とは言っても50m以上離れた)からおじいちゃんが出てきて、「車のエンジンうるさいんだよ!」と怒られる。まだ22時よ。同じ卓にいた人が「1億人いれば、ああいう人もいる」と言う。切り替えはや。俺びっくりしたけどな。
ちなみにこの街に居酒屋はない。今日の店は月に1回しか開かない。すごいところ来ちゃったな。


7月6日

4人で1部屋のプライベート0空間

8時起床。ぞろぞろみんなリビングに降りてくる。シェアハウスって感じ。
 仕事は基本4人一緒だけど、たまに2人ずつ分裂。地域おこし協力隊2名がアテンド係。1人は昨日の下北沢。1人は京都出身の人。
 今日は京都の彼といかついIくんと3人。
 午前の仕事は、町のお爺さん家のこんにゃく畑の草刈り。着いたらまずお茶の差し入れをくれた。
お爺さんは、こんにゃくを西川町の名物にしたいらしい。

こんにゃくは鳥獣、虫の害少ない

久しぶりの畑仕事。少し汗はかくけど、風が吹くと一瞬で乾く。
 休憩中、京都の彼と雑談。なぜ地域おこし協力隊に入ったか聞いてみた。半年前、彼もまたおてつたびでこの街に来て、気付いたら今ここで協力隊をやっていたらしい。その時、山形から京都まで帰るのにヒッチハイクで帰ったとのこと。やばすぎ。自分も「ヒッチハイクやったことあります」と言うと、話が弾んで嬉しい。やっぱ色んな経験しとくべきだな。
 草刈りが終わり、お爺さんの小屋でお喋り。話し相手になるのも仕事の内、と京都の彼は言う。

野葡萄茶をご馳走になる
ふるさと納税の返礼品

漢方にも使われるらしく、正直美味しくない。死ぬほど濃い麦茶みたいな味。どうやったら売れるか考えてるけど、売れすぎると生態系崩れるからなぁと。というか、方言で半分も聞き取れない。埼玉県のことを「せえたま県」って発音してた。返事は「んだ」。
ネイティブすぎる。
「売れれば地域おこしになるんでねぇがなと思って」って言葉が印象的。結構ご高齢で、自分のために生きる道もあるのに地域のために頑張ってるのが素敵。

昼を食べて、午後からKさんMさん合流。
町でやってる謎解きに参加。

東京でも似たようなのやってる

謎を解くには、お店の名前がでてきて、そこに行くと次の謎が解けるシステム。これはお店の人と会話するきっかけになって、良い仕組みだと思った。
 月山からちょうど下山した人に出会い、話を聞く。西川町は積雪量隠れ日本一で、冬は雪が積もりすぎてスキー開きは4月。月山はまだ雪が残ってるが登山には影響ないことを教えてもらった。登りたいな。
 ちなみに謎解きをクリアすると、月山ビールソフトクリームが貰える。まずかった。




7月7日
今日は町のマラソン大会があり、我々はエイドでのお手伝い。200名が参加する総距離75kmのウルトラマラソン。

自分は誘導係
このかわいいポシェット貰えた
各エイドのリーダーごとに個性がでる
ここはうちの宿主(47)がリーダー

第1エイドだから、みんな余裕そう。「おはようございます!こちらです」と声を掛けても、大体返事が返ってくる。20分程度で全員通過。

一旦宿に帰って仮眠。
11時になり、次のエイドに移動。

第8エイド 57km地点

第1エイドと違って、「ここはヘロヘロの選手が多いから、大声出していましょう!」とリーダーが言う。俺らが仮眠してた時も走ってたんだよな、すごすぎ。

フルーツポンチを配りながら、ランナーの声を聴く。

「ここまで来たら、あとは根性です。」

「明日出張で東京行くんです。」

「去年も出て、懲りたはずなんだけどなぁ笑」

やはり山道を75km走る人たちは、只者じゃない。励ます係なのに、逆にランナーたちから元気をもらう。

第1エイドと異なり、ランナー間が大幅に開くため、6時間立ちっぱなし。6時間もランナーを見てると、走りたくなる。



7月8日
7時半起床。今日は休みなんだけど、午前委嘱式がある。町長に直々に紙をもらう。

町長はなぜか東京のうちの家から徒歩1分の温泉に行ったことがあるらしい。なんで?話す時間短過ぎて聞けなかった。あと、サウナ好き?って聞かれて普通って答えてしまった。おもんない答えしてしまって少しへこんだ。

町長

宿に帰る。貴重な1人の時間。暇なので左沢線の終点、左沢駅に行く。
曲を聴きながら歩くこと1時間、到着。
4人部屋だから曲を聴くのも久しぶり。シェアハウスの難点は曲聞けないとこだな。

最上川

帰り道ラランドの声溜めラジオを聴きながらストレス発散。結婚式の悪口言ってて笑った。
宿のみんなと合流して温泉に行く。サウナで初熱波体験。熱すぎて「火使ってんのかと思いました」って言ったら初めて笑い取れた。
 お風呂を出て、宿主と少しお話し。「話そう、僕はまだ君のこと何も知らない」と言われる。人見知りなんです、と言うと、「コミュニケーションは慣れやから。憧れの人がおるなら、完コピすりゃええやん」と。そう、今の自分はそれが課題。今の自分に足りないものを分析して、それを埋める努力が圧倒的に足りてない。
 夜は久々に会社の元同期と通話。離れた地にいても友達と繋がれるのありがたいな。でもいつでも繋がれるって、ありがたみが薄れちゃう。自分の成長のために、少し距離を置きたいと思ってしまった。




7月9日
今日は空き家の掃除。箒で掃いて、雑巾掛け。Kさんが半年間職業訓練校で掃除の勉強してたらしい。スクイージーという道具の使い方を教えてくれた。

下北沢は、元々建築やってたらしく、図面が描けるらしい。Kさんは掃除に詳しい。経験とかスキルって意外なところで役立つんだな。
 この家の使い道は未定。家に必要なものの案を出し合う。みんなプレステとか燻製機とか言うけど、自分は屋根があれば結構満足なんだよなぁ。全然案出せなかった。おしゃれなインテリアとかあるに越したことはないけど、優先度は高くない。誰かと一緒に住むって、簡単そうで難しい。

みんなでアイデア出し

 夕飯は、近所のおじおばが作って来てくれる。(治郎さんと悦子さん)

シェアハウスらしさ満点の写真

 2人は80代。20歳で結婚して、ずっと一緒にいる。一方KさんMさんは、離れてる方が上手くいくと主張。カップルごとに違うね。自分には無縁の話。
 治郎悦子夫妻がすごいのは、新聞やニュースで出た言葉を調べて勉強してるところだ。NFTとかデジタル田園都市の話題になったけど若い人でも知らない人いるんじゃないか?




7月10日
9時にキャンプ場に到着。今日は小学5年生の林間学校のお手伝い。楽しみ。
9時半頃、バス2台が到着。子供達が窓からこっちを見てる。手を振ろうか迷ったけど、初対面だし辞めた。みんなに今日の昼のお弁当を配る。受け取る時、ほとんどの子はちゃんと、ありがとうございますと言ってくれる。

リフトに乗って、乗り場で集合写真。懐かし。後日廊下に貼られるんだろうな。
4人×6班あるので、京都君、下北沢、我々おてつたび4人の計6人で各班に就く。1列になって登り始める。

 大学の時塾講師のバイトをやっていたから、小学生と話すのは慣れてる。前にいた女の子とボカロの話。その前の男の子は無口だったので、高山植物を紹介したりした。後ろは先生で、どちらから来たんですか?と言われ、東京と答える。お仕事辞めて来たんですか?と聞かれたので、前はタクシーやってたと言うと驚かれ、他の先生にも伝えてた。やりすぎやりすぎ。軽く雑談してたけど下山後、教頭先生だったことが判明。

雪渓で折り返し

小学生たちがはしゃぐ。下北沢が変な動きしてて、子供に好かれる能力すごい。変な芸1個あれば子供に受けるよなぁ。
 7割くらいの子はタメ口で話してくる。子供のコミュ力が本来の人間の姿なんじゃないかと思う。大人は常識とか身につけちゃってるから。「水飲んだ?疲れてない?」って子供には普通に話しかけられるんだけどなぁ。
 前歩いてる女の子にいきなり、有名人と会った?と突然聞かれる。タクシーやってた時の話をすると、すごい驚いてた。渋谷に旅行で行ったことがあるらしいけど、人多いし汚いって言ってた。冬の通学はどうしてるの?とか色々聞けて勉強になった。
 下山して、自由時間があったので鬼ごっこに付き合う。自分以外の大人は全員ベンチに座ってた。鬼ごっこをする子もいれば、学校支給のiPadで写真撮ったり、虫を集めたりしてる子もいた。
 8班に分かれてテントを張る。今夜彼らはテント泊なのだ。最初は担任の先生が、どの班が早いかなー?って競争みたいな感じだったけど、1番先に終わった班が、遅い班を手伝いに行ってて、しかもそれが当たり前のように行われてて。素晴らしいものを見たと思った。テントを張ってる最中も、ナイス!天才!と声を掛け合っていた。
 我々は宿に帰る。帰り際手を振ると、全力で振返してくれる。

 今夜は近所の恵美子さんが、晩御飯を持って来てくれた。

唐揚げ、ズッキーニとインゲンのカレー、ナスのおひたし、ポテトサラダ

唐揚げが信じられないくらい柔らかい。聞くと、酒と無臭ニンニクで漬けたらしい。下準備すれば唐揚げは柔らかくなる、と。恵美子ご飯は、宿のみんなに”高級な家庭料理”と呼ばれてるらしい。
 食べ終わって、みんなの話になった。
まずいかついIくん。世界一周の話になる。神戸→横浜→ハワイ→メキシコ→アメリカ→カナダ→フィンランド→スペイン→イギリス→スエズ運河→インド→東南アジア→中国を3ヶ月で回る。各都市の滞在時間は1日らしい。居酒屋によくピースボートのポスター貼ってあるけど、実際に行った人に会うの初めて。何が面白いって、世界一周したのに死ぬほど無口。
 同居人のDくん。初日の飲み会で同じ大学と知った彼。東京出身の25歳建築学生。元々英語嫌いだったけど、大学2年にフィリピン留学行って、色んな国の知り合いが出来て、「世界見なきゃ」と思い、シンガポールを拠点に東南アジアをウロウロしたらしい。日系の海外支社の会社を探してて、行きたい会社がコペンハーゲンにあったけど時期的に行けず。ここ西川町は、山間部での都市設計の研究という自分のテーマと合ったから来たらしい。今は道の駅の新施設の設計してて、来年から大成建設で働く。同じ大学とは思えない優秀さ。人と比べる必要はないから羨ましくないけど、素直にすごいなぁと思う。
 同じおてつたびのKさん(67)。高校の頃自転車で北海道ウロウロ。その後も夜行列車で全国ウロウロ。メキシコに転勤になった時、観光したいなと思い、地図で空白の場所があったので行ってみるとショットガン向けられたって話が面白かった。あと息子が6歳の時指取れたって笑いながら話してた。
 シェアハウスの宿主(47)も25ヶ国くらい行ってるし、お笑いサークルに入ってる女性もいたし、このシェアハウス普通の人がいない。




7月11日
昨日に引き続き、キャンプ場へ向かう。小学生たちと合流。おはようと言っても、みんな眠そう。聞くと、あまり眠れなかったらしい。旅行の夜が1番楽しいよな。
 今日は二手に分かれる。月山は信仰の山だから歴史コースと、ブナ森コース。自分はブナ森担当。紙を渡され、「9種類の植物のを全部見つけたら、何かあるかも...?」とネイチャーセンターの人が煽る。大人たちは、switchかな?とか言ってて、子供は100万円かな?とか好き勝手言ってた。

 協力隊の京都君と同居人(町長秘書)とIくんの計4人。京都君と同居人はしばらく住んでるだけあり、植物に詳しい。これはネマガリ、これはミズナラと解説してくれた。

雪国特有の木
雪で押し潰されて変形
子供たちを1人ずつ木に跨らせて
跳ね上げる

 植物もっと勉強して解像度上げたい。学ぶことが楽しい。
 町長秘書の子供への接し方が勉強になる。①大きな声で②答えやすい問い、の2つが大事だなと見てて気付く。

良い写真

下山。30分鬼ごっこして、キャンプ場に戻る。子供達はテントへ、大人たちだけ集められる。先生の言葉が印象的だった。「子供たちはスケジュールに追われて時間を気にしてるので、大人が楽しんでる姿を見せるのが大事なんです。」確かに、鬼ごっこしてても、もう集合時間だからと言って自分たちで辞めてた。自分も修学旅行が嫌いだった原因が、時間に縛られることだったしな。
 もう一つ記憶に残っているのは、今回の林間学校は役場が企画したということ。学校の先生は授業で大変だから、役場主催の企画に学校が参加するって形らしく、この形式は他の地域ではほぼ無いらしい。
 お別れの時間。お金とか要らないから、まだまだみんなと居たかった。

 夜は飲み会。今回は宿のメンバー+役場の人たち。バラバラ世代の人と話すのは難しいけど、出身地や今何の仕事してるかと、世代間ギャップの話が盛り上がる。覚えておこう。



7月12日
今日は公民館で年配の方たちの集まりのお手伝い。全員で15人くらい。平均年齢は85歳。それぞれのテーブルにケーキとお茶を出す。これは前回の温泉旅館おてつたびの時にやった経験を活かせた。
 健康診断をする。驚くことに、ここの人たちは筋力が同世代の平均以上だった。また体内年齢も出るのだが、なんと50,60代がほとんどだった。若すぎ。畑仕事のおかげかな。でもあるおばちゃんは「テレビ見たり本読んでると、立つのが億劫なのよ。」と言ってた。

昼食
体に良いのは高級じゃなくて、旬のものだと教わる

 午後は前行った空き家のワックスがけ。クッションフロアとかペンキとかやすりを買って作業。



7月13日
休み。休みだけど、京都君の朝の仕事に着いてく。彼は園地の管理を担当していて、「蕨を守る同好会」と肥料を撒きにいく。
 既に10人くらいのおじおばが集まってた。軽トラの荷台に乗る貴重な経験をして、蕨園へ。

京都君
交代で機械(15kg)を背負って肥料を撒く

 田舎者とか、朝早い年配の方を馬鹿にする人がいるけど、都会の人が食べる米とか野菜は田舎の農家の方おかげなんだから、馬鹿にしないで欲しいと思った。
 宿に帰る。今日はおてつたび4人で蔵王登山。Mさんが東京で作った登山サークルの人たち12人がたまたま来るということで、合流して計16人で登山。なんじゃそりゃ。
 大黒天パーキングで軽い自己紹介。自分は金時山、安達太良、男体山が好きですと言ったけど、全員通じるのさすが。
 登山開始。後ろにいた美人お姉さんとお喋り。札幌出身で横浜で看護師やってる。看護師も登山するんだね、当たり前だけど。函館によく行ってたらしいから、ハセガワストアとかラッキーピエロの話、日本一周で根室が1番良かったという話。あとは共通の話題の山。最近どこ登った?いつから?ソロ派?とか色々聞けた。毎日新しい人に会うから、初対面と話すの慣れてきたかな?まだ質問探しの時黙っちゃう癖あるけど。

 ソロ登山派だから、話しながら登るの新鮮。
 お兄さんとお喋り。30歳で、なんと毎週百名山登ってるらしい。今年で20座目指してるって。すごい。
 その後何人か話した。やっぱどの集団でもコミュ力ある人は共通してよく笑う、声がはっきりしてるな。



7月14日
 この前の治郎悦子さん家のペンキ塗り。

 すぐお茶休憩にしたがる。話し相手が欲しかったみたい。

コースターもかばんも悦子さん手作り
野葡萄ジュースが美味しい
昼ご飯
きゅうりと万願寺とうがらし

 庭できゅうり、トマト、ピーマン、桃、柿を育ててる。シャインマスカットを初めて育ててる。

美味しそうだけど
実が成りすぎて失敗らしい

この時治郎さんが「まだまだ勉強中です笑」と言ったのに驚かされた。80超えてまだまだ勉強中と言う向上心がすごい。


 午後は縁日のお手伝い。

輪投げの係

「惜しい!」「あとちょっと!」など2時間声出しっぱなし。やはり小学生と話すのが楽しい。

 宿で夕飯を食べ終わった後、治郎さんから宿主に電話があり、ペンキのお礼を言われたらしい。丁寧な人だな。



7月15日
 午前は空き家の掃除。もう窓の掃除はお手のもの。Kさんに、クリーニング師免許取れるよ、も褒められる。
 午後は今月末ある花火大会のチラシの準備。役場の人と作業。この人は今日休み。この町の闇を見た。
 早く終わったので、京都君オススメの神社へ。

岩根沢神社

彫刻を観て、一目で彫刻家が分かった。大好きな石川雲蝶だ。Kさんも知ってて、雲蝶の話で盛り上がる。彼の彫刻はほんっとうに素晴らしい。
 今夜は近所の美恵子おばちゃんのご飯。山形名物ひっぱりうどん。そうめん、納豆、卵を混ぜたもの。これが美味しい。

美恵子さんは元役場の人。ジブリに出てきそうなオシャレで元気なおばちゃん。ほんと面白い人で、たまに変顔する。こういう歳の取り方したい。



7月16日
今日はワイナリーでブドウの副梢取り。(ふくしょう。新しい枝と葉の間に生えてきた芽)。
カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローになるらしい。

珍しく個人での作業。無言で副梢を取り続ける。作業中将来とか恋愛とか余計なことを考えてしまう。
 最後にワイン工場見学をさせてもらう。

 夕飯は紀子さん料理。夕飯にあんこは珍しい。

餅は臼で突いてきたって言ってた
虎杖のソースが美味しい

 なぜかまた自己紹介タイム。
京都の彼は、農学部の院を卒業したが、なんか違うなと思い1年間おてつたびして過ごす。大学ではトマトに鶏の遺伝子入れたりしてた。
 下北沢は松本出身。大学3年で飛んで、1年間おてつたび。今は休学して地域おこし協力隊。ボードゲームと麻雀が得意だから、それで町おこしの企画中。
 町長秘書の彼は24歳で熊本出身。電機大で休学して町長秘書やって、院に復帰したら積雪量日本一のこの町で、積雪発電について研究するらしい。
 優秀な人しかいない。


7月17日
 活動最終日。いつも通り町民さんのお手伝い。二手に別れて草刈り。

最終日にして1番ハード

 大体の人はおてつたびを理解してるが、たまに業者と勘違いしてる町民がいるらしい。一方の班が文句を言われたそう。こっちは毎日新しいことできて楽しいけど、町民さんからしたら「中途半端にやって、もう来ないの?...」と認識に差異が生まれてる。”おてつたび”の位置付けを理解してもらうにはどうしたらいいだろう。
 昼は変顔でお馴染み、美恵子さん家でご飯。

山菜の天ぷら

午後も草刈りして、最後の仕事を終える。
 最終日ということで、夕飯の後、宿主と下北沢と色々お話し。
 西川町の特徴、それはお金があることだ。町長は元財務省で、補助金などをゲットするのが抜群に上手い。その結果、他の自治体や企業が視察に来る。その数、年間450人。

興味ある人はぜひ読んで

現在西川町民は4623人。その中で1870人が参加するLINEのオープンチャットがある。(数はどんどん増えてる)。自分みたいに部外者も僅かに入ってるけど、基本町民。

めっちゃ視察に来る

今月は楽天、NTT、デロイト・トーマツ(世界最大の会計会社)の人が来た。
宿主に「自由に決めたらええけど、うちの会社入れば補助金で新しいことできるで。」と誘われる。さて、どうしようかな。



7月18日
目覚めると、Iくんはもう出発したようだった。無口すぎて、ほぼ話せなかったな。
 下北沢と京都君に見送ってもらう。MさんとKさんともお別れ。
 今日はオープンチャットで募集したヒッチハイクで帰る。

知らない人なのに優しい

あとでお礼を送ると、移動中に返信が。

バスで帰っても良かったけど、帰る道ですらこの町の魅力を知る手段にできたので、送ってもらって良かった。


ありがとう西川町、また来るよ。



・・・



感想。
おてつたびは、農家とホテルがほとんど。その中で、特殊な”街おこし”という大変貴重な経験が出来た。
 毎日新しいことをするのが刺激的で、お金貰わなくていいからやりたいと思える活動ばかりだった。この仕事、この町の魅力は、「おもてなし」だと感じた。役場、民家、学校、老人施設、どこに訪れても優しく受け入れてくれて。おもてなしでこちら心がポッと温められる。実際この町の魅力に惚れ込んだ若者たちが、京都、松本、東京、熊本など各地から移住してきている。
 毎月約10人ずつ人口減少しているが、それを食い止めようと努力してる人に何人も会った。80歳過ぎてこんにゃくを育てて「地域おこしになるんでねぇがなと思って」と言った人が印象深い。


優しくて、向上心のある人たちに囲まれた生活、とっても勉強になりました。



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