東南アジア冒険期(0)出発編
僕は街頭が照らす歩き慣れた公園を歩いていた。
いつも学校に行くのとは変わらないadidasのジャージ。GUのズボン。履き慣れた白いニューバランス。
変わらない重さのリュック。それを抱えて駅へ向かう。
ー電車に揺られている。
楽しそうに話す学校帰りの学生、仕事帰りの疲れた顔をしたサラリーマン達と反対方向に歩いていく。
電車の窓からホームに溢れた人。満員電車を見過ごして行く。
これからどんな事が待っているだろう。
何が起こるかわからない不安、期待、焦燥、高揚。全部ないまぜに合わせて僕という人間が揺らされて。
旅の匂いがした。
日本、羽田23:50発。
シンガポール(クアラルンプール)で4時間のトランジットの末、バンコクドンムアン空港へ向けて。
荷物バックパック一つ。
22歳独り
東南アジア四カ国周遊の旅が始まろうとしていた。
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