紀文食品 2933 じわじわと上昇してた
今回は紀文食品を分析します。
皆さんご存じの練り製品を製造している企業です。おでんやお正月のおせち料理には欠かせない食品ですよね。
創業86年になります。この2.3年の国内の売上は堅調なのですが利益は減っています。
理由は原材料の高騰。たびたび値上げもしましたが、想定外の原料価格高騰により23年はかなりの赤字でした。
ですが気づけば回復の兆しが徐々に見えてきていました!
紀文は意外にも上場が2021年でまだ3年しかたっていません。
21年で高値をつけた後はゆっくり下落していき、現在は少しずつ上がっているように見えます。
直近の業績を見てみましょう。
練り製品は人気で(特にカニカマ)高タンパク商品である事から健康志向の高い消費者から支持を得ています。
が、原材料高騰のため利益が大きく減りました。46%減とはかなりのインパクトです。何度か値上げしてていますが利益に追い付いていません。
1年ほど前からようやく主原料の価格が下がっていき価格改定の浸透も進み、24.3月は増収増益での着地となりました。
また今年24.3.26日にマルハニチロとの資本業務提携を発表しました。
この発表で事業拡大の期待が入り株価は1322円までポンと跳ねました。
月足チャートをご覧ください。ゆるく上昇していますが、横ばいになりそうな雰囲気もあります。
今期25年の目標は売上1109億(4%増)営業利益47億(1.9%増)となっています。
正直、目をひく数字ではありません。
国内は物価高で節約志向が強いとのニュースばかり目に入ります。
家計の食費も削られるだろうから紀文の業績も伸びないのかなあ~と思ってしまいますよね。
特段、株価が上がる材料がない…という感じでしょうか…。
どうすれば紀文の株価は上昇するか?
いくつか注目する点をまとめてみました。
株価上昇する材料となるモノ
①…紀文は24.5.28に中期経営計画を発表しました。それによると今後3年間で
売上1200億(今期比8%増)利益60億(今期比20%増)を目指すと発表。目標達成となれば株価上昇が期待できると思います。紀文のPERは10倍。プライム市場の食品平均PERは19倍(24.6月)ですがそれと比較しても割安です。
②…中期経営計画達成の肝となるのは海外食品事業です。国内の売上は堅調ですがやはりエネルギーなどのコスト増で当面、減益予想でした。
しかし海外は売上、利益が10%近く増える予想で利益率も6.6%→9.7%とかなり改善されます。
ちなみに海外で売上を伸ばせる製品として「カニカマ」「Healthy Noodle」をあげています。
海外でも健康志向が高いので、魚肉や和食が注目されているそうです。
どうでしょうか?売れそうですかね…?
チャートはゆっくりと上昇しており急成長銘柄ではありませんが。逆に言えばチャートが急激に下がるリスクも少ないといえます。
財務もチェックしてみましょう。
自己資本比率が26.4%と低いですが21年が15%なので改善はされています。
ただ有利子負債が多いんですよね。紀文の純利益は28億ですが、負債がその10倍の249億なんです。ちょっと多いです。今後、国内で利上げがあれば利息がさらに増加します。現在の支払い利息は5億円で利益の10%です。
利息が多く感じます。
ここまで分析しての感想ですが、
「う~ん、投資対象としては良くないかなあ」と思ってしまいました。
創業86年で紀文は常に新しい事にチャレンジしてきた企業です。
例えば、商品のパッケージ化、工場での白衣着衣、チルド物流(鮮度を維持するため冷蔵のまま届ける)など、今では当たり前の事ですが、紀文食品が先駆けて始めたそうです。
そう考えると、このまま大人しくしていない企業に思えるのです。
投資をするかしないかは別としてこれからも注目していこうと思っています。
本日はここまでとなります。
読んで頂きありがとうございました。
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