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自分がDV被害者であると認識できるにはそれなりのステップがある

今は穏やかに平和に暮らしている私だけど、わずか8年前は地獄にいたな。
DVの夫にボコボコにされていたのに、DV被害者だという認識がなかった。ただ毎日がしんどかった。
現実逃避をするために刹那的に生きていた。体力的には異様に元気だった。
終電まで飲み歩いて帰宅した翌日5時に起きて家事をこなしてから出社~なんて普通にできていた。
今思うと、私は完全に病気だった。

なぜ自分がDV被害者だと気が付けたか。
それは大切なお友達のお陰。

ある日、車で子供を送りに行く途中些細な口喧嘩から運転手の元夫が助手席に座る私をひどく殴った。私の顔は腫れあがり、意識も朦朧としたのでこの状態で子供の送りの場(他の家族がたくさんいる)に登場はできないと判断した私は、車を降りそこから一人で歩いて帰宅した(すれ違う人にとっては、昼間からホラーだったと思われる、多分)。

帰宅して、横になり、いつも日々の出来事をやり取りしている友達に、「かくかくしかじかで今静かに横になっているの。弱った動物作戦だよ。」とメールを書いて送った。
その瞬間、「あんた病院行くよ!いまから準備して!」と怒りのメールが飛んできて、あっという間に一緒に近所の総合病院へ(休日だったので救急、しかも暴力は保険がきかない)。

頭や顔の傷には問題なさそうだ、と診断され(これって証拠だったっぽい)やれやれ帰ろうかもう遅いしね、と思ったら
「今度は警察だよ」と。「ええええ?なんでどうして?警察!?」と私はびっくり仰天。それでも彼女の強い押しで目の前の交番へ。かくかくしかじか伝えたところ、「でしたら警察署へ行ってください(割と近くにある)」とのこと。
今度は警察署へ行きかくかくしかじか。
時代なんだな。DV現場検証をしたり、専門部隊が呼ばれ 「あなたはDV被害者である」ということを延々と説明してくれた。私の顔がかなり痛々しかったこともあり、「そこまでの怪我をさせるのは、尋常ではない」とまで言われた。その時点で夜中の2時くらいだった。友達はずっと警察署のソファーで待っていてくれた。

どんなにプロの警察官が私に話をしたところで「私がDV被害者? え。。。だって相手は私の夫ですよ。大切な子供の父親なんです。そんなはずありません。」私の回答はこうだった。
今だったら おい!お前目を覚ませ!やべえ奴と結婚したんだよ!と私も胸ぐら掴んでいうことだろう。

でも、でも私、認めたくなかったんだ。
今まで通り そんなはずはない、私がそんな最低な人と結婚したはずはない と思っていたかったから。

週明けに出社したら、これまた仲良くしている女性の先輩に「ちょっと!あんたそれ・・・」と勘繰られ(暴力以外何モノでもない怪我だった模様)
あらよあらよと役員面接。完全に「I αm DV被害者」となってしまった。

それで私は認めたのです。ああ、私はDV被害者なんだ。何よりもショックなことが、私の夫であり大切な子供の父親がDV加害者であるという現実。受け入れることが辛かった。

今振り返ると、これ以上の「辛い受け入れ」は私の中ではなかったので、
この事件を機に、私の人生漫画だし、世間体気にせず好きにやろう と思えたんだな、と。自分を諦めるのともちょっと違う、枠が広がったような、そんな感じ。

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