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夫婦喧嘩は犬も食わない

ハンバーグ食べてて思い出した。
かつての短い結婚生活でしたくだらない夫婦喧嘩の理由を。

ある日の日曜日、マヨさんの会社は休日だったのだがアルバイトで元職人の仕事を手伝っていた。
ていうのはサラリーマンになって給料が半分に落ちたからだ。

授かり婚とか当時は言わず〝できちゃった結婚〟というような半ば親側の注意不足とのニュアンスを含む蔑称だった。

嫁側の結婚の条件が、職人辞めて堅実なサラリーマンになるといった職人やった事ない人が言う様なくだらないものだったからしょうがない。

ビールは発泡酒(不味い)になるしこづかいは3万(タバコでなくなる)服は嫁の買ってくるヤツ、車は売り(ランサーエボリューションしてないヤツw)趣味に金を使うなんて出来るはずもなかった。尚、娘は2歳で可愛い。
「お父さんはタバコ吸わない」
「お父さんは車乗ってないし不便は無い」
と嫁は言う。

だから言ってしまった。
「バイトやから俺が好きなもん買うからな!」

今思えば子供過ぎて恥ずかしい。
しかし総て晒してnote民にディスられるのも自身の為と信じてる。そして買ったのは…

我が生涯、一点の曇り無し!
ラオウ様、私の生涯はマヨネーズでヌルヌルですよ?

TVの上に置いていたので(液晶とかまだ無い)嫌でも目に入る旦那の身勝手w
嫁は今でも北斗の拳は嫌いだろう。

そのアルバイト中に
「今日ハンバーグやからはよ帰ってきてな」と嫁電があった。
夏の日だった。
車も無いので道具を担いで電車移動だった、ニッカを履いて地下足袋なのも荷物を減らしたいからだ。
ガチャガチャ歩き汗だくでノブを回すがドアは施錠されている。
「…何処おんねん?」イラついた声で言っただろう。
マヨさんは女性に乱暴した事は無い。
その時はシバいてないなら暴力で無いと思っていた。
現場でヘルメット割れる程にラチェットでシバかれる新入りやバールの様なモノw(バール)で小突かれるなど普通にあった。
でもそれは他者の生命に関わる仕事の必要悪で軍隊の様なものと理解していた。
男の役目だ。
だから女性はそういう目にあってはならないとも思っていた。

だけど嫁は私の1つの言葉や行動に恐怖を感じていた様だ。
離婚に関しても話し合いの場なんて無かった。

「…直ぐ戻るわ」と嫁は急いで帰って来た。
部屋の前に置かれたタバコの吸い殻がまた無言のプレッシャーとなっただろう。
本人にそんなつもりはまったくないのだが。

夕食に出てきたハンバーグは煮込みハンバーグだった。
「なあ、ハンバーグって焼いたヤツやん?普通ハンバーグって言ったらそうやろ?」
「…でもウチのハンバーグはこれだもん」
嫁のお父さんはサラリーマン料理人だ。
時々良い肉をくれたし物静かで良い人だ。某宗教の徒だが。

「…は?それなら煮込みってワードいらんやん?スタンダードは焼いたヤツやねん!ウチ、ウチって大体オマエ何処に嫁に来とんねん!」
俺はキレた。
何と小さい男か?
今ならワカル。

しょうもない。

夫婦喧嘩の1番の原因は恐らく浮気や金の問題でなくお互いの生活履歴のすり合わせがうまく出来ない事と思います。
特に顕著なのは食に対する矜持でしょうか。
お互いにそれが普通と思っているので相手の普通を受け入れない。
(コイツなんでアジフライのゼイゴ取らんねん?)
(この人何でカレーにソースかけるん?)
など愛が足りなければ食卓は地雷原だ。

過ぎてからしか気づかない日々…

愛はそこにあった筈なのにね。

相手がいるから夫婦喧嘩出来るのだ。

反省の毎日で福祉に奉仕しております。


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