すきま

学校に行くってなると、どうしても電車に乗るんです。
家の最寄り〜大阪〜天王寺〜学校の最寄りってな感じで、2回ほど乗り換えをしないと行けないのです。


ただ、私どうしても電車に乗るにあたってすごい苦手なことがあるんです。
それが、ホームと電車との隙間です。
あそこに足を挟んだらどうしよう、スマホ落としたらどうしよう、財布落としたらどうしよう、イヤホン落としたらどうしよう…。
あんな10cmしかない幅に、ビビりまくって電車に乗っているわけです。


何故私がこんなに怖がっているかと言うと、思い当たる節があります。
大学に入学する直前、梅田へ買い物をしに行く機会がありました。
その頃私は早くに大学が決まったのでアルバイトをしておりまして、そのバイト終わりに靴を買いに行く予定だったのです。


バイトが終わり、駅のホームでイヤホンを装着。
いざ、電車に乗るというタイミングで私の肩に人がぶつかってしまいました。
するとどうでしょう、私の手に収まっていたBluetoothイヤホンのケースが、電車の線路へと落ちてしまったではありませんか。
ちょっとしたパニックになった私は、急いで駅員さんを呼びに行き、落とした旨を伝えました。
駅員さんも慣れた手つきで、虫網でスっと拾ってくださいました。
私はお礼を言い、予定より2本遅れて電車に乗ろうとしたのです。

しかし、どうでしょう。
先程落としたあの隙間。そこが気になってしまって、結局もう一本乗り損ねてしまったのです。
何気なしに乗り越える隙間が、いつしかトラウマにまで昇華されてしまったのです。

それからというもの、私はあそこを乗り越える時だけ、手に持っているものを全てポケットに入れるか、絶対に落とさないようにギュッと力を込めるようになりました。

1ミリの傷も触れ続ければ重傷となるように、忘れ去ることが1番なのです。
その隙間を見ることなく、歩いて行けるようになりたいです。

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