感想:〈叱る依存〉が止まらない

皆さんは「叱る」とはどういうことだと思いますか?私は
「叱る」=躾の一環。何か良くない振舞いを是正させるもの
との認識でした。
ところがこの本を読んで、
・「怒る」=すべきではないこと「叱る」=必要なこと と認識されているが、叱られる側に強いネガティブな感情が生じることに違いはなく、学びや成長につながらない。
・むしろ「叱る」ことには依存性がある。(処罰欲求、人が自分の思い通りになる満足感など…)
ということに衝撃を受けました。
確かに自分が叱られた時を考えると、叱られている状況を終わらせたくてとりあえず謝る(=逃げる)という反応を取りたくなるのがわかります。その後で反省して是正しようとするかと言われると…。
「叱る」ことに依存性がある、と言われてそんなことある?と思いましたが、確かに子どもが指示通りに動いたときは満足感のようなものを感じる(ことがある)ので、このことか、と納得しました。

ただし、筆者も「叱る」が有効なことがあることは認めています。
具体的には危機介入(命の危険がある場合や他人に危害を加えそうな場合など)や抑止力です。
子どもが車道に飛び出しそうになる場面をイメージするとわかりやすいでしょうか。「止まりなさい!」と怒鳴ると子どもの足が止ままります(=危機介入)。また、次同じように車道に飛び出しそうになった場合に「前同じことがあったな」と気付いてやめる(=抑止力)かもしれません。
この場合も、危機介入はともかく、抑止力が機能するかというと、視野が狭くなりがちな子どもが思い出してくれる可能性に賭けるしかないので、効果としては限定的ではありますが。

・「叱る」と「怒る」は受け手にとって大きな差がないこと。
・「叱る」ことに効果がある場面は非常に限定的であること。
・実は「叱る」には快感があり依存に陥るリスクがあること。
・良くも悪くも人間には慣れがあり、「叱る」はエスカレートしがちであること。
私はついつい怒ってしまってばかりで悪い母親だな・・・本当は叱るにしないと、と思っていましたが、「怒る・叱る」ではなく「説明する」に切り替えていきたいなと感じました。
常に手元に置いて読み返したい本でした。



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