冨田涼介

批評/1990年、山形県上山市生まれ。サブカルチャー研究雑誌『F』同人。 「叫びと呻き…

冨田涼介

批評/1990年、山形県上山市生まれ。サブカルチャー研究雑誌『F』同人。 「叫びと呻きの不協和音 『峰不二子という女』論」(『ユリイカ』2018年3月臨時増刊号)、「まつろわぬ被差別民 『もののけ姫』は神殺しをいかに描いたか」(『対抗言論』3号)ほか。

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新たなる闘争/逃走のために

『対抗言論』に寄稿する機会をいただいたので、これを起爆剤にして勢いのあるうちに文章を書きたいと思ってnoteを始めたのだが、案の定と言うべきか、一年以上も更新できていなかった(昨年は大きなライフイベントもあり、日々の生活は相も変わらず仕事に忙殺されていている)。いくつか書きたいと思っているものはある。だが、まずは『対抗言論』の自身の論考の反省から書き始めたい。 革命/神殺しから遠く離れて――静かな退職者 『対抗言論』vol.3が出てから1年以上経ち、その間に自分の書いた『

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        • 『対抗言論』vol.3について➀安倍晋三銃撃事件

           1月に発売された『対抗言論』vol.3(https://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-61613-6.html)に『もののけ姫』論を書き、久しぶりに『F』以外の媒体で論考を出せた。近年は書くペースがだいぶ落ちてきていることもあり、そろそろ書きたいことを書きたいときに自由に書ける場所が必要だと思ったので、ひとまずは自分で自由に書けるメディアとしてnoteに登録した次第。 『対抗言論』vol.3を読み、刊行に際して行われたトークイベント「批評

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