見出し画像

わたし

広大な白紙の上を歩き回って
足跡が作った地図の上を
赤い飛行機で旋回してみている
紙のへりで途切れた足跡
立ち止まって天を仰ぐ私がいる
もう何日そこにいるの
引き返してもいいのに
左右へ曲がっても構わないのに
どうして
ずっと手を伸ばして雲をつかもうとしてるの

広大な白紙の上を歩き回って
足跡が作った地図へと
赤い飛行機で絵の具の雨を降らせる
長靴を脱いで
傘を投げ捨ててしゃがんだ私が
色とりどりの水玉模様になってく
振り返ってごらん
もう白紙じゃない
地図は木々や川や山々で彩られているから

夜が来るたびに
闇が地図を覆って
すべてを失ったかのように
恐ろしくなるけれど
朝が来るたびに
光が地図を照らして
すべてを得たかのように
傲慢になってしまう





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?