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ビート

秒針を同じ速さですすめているような心地よさが 
あなたとの間にはあって
横に並んでいても
騒がしくもなく 賑やかでもなく
静けさの中 
一定のビートを一緒に ただ刻んでいるだけ
あなたがいることを忘れてしまうのは
呼吸を忘れている日々の暮らしと似ている

たまには大きな音をたてて 
やかましくしてしまうこともあるけれど
あなたは常に乱れることなく
同じように小刻みに空気を切っていくだけ
我にかえった私は耳を澄まして
あなたの針の音をよく聞いて
もういちど リズムを取り戻す

いつの日か 電池が足りなくなっていって
秒針を進めるのにも骨が折れるようになって
どちらかがテンポを緩めていくのだろう
ただしく時を知らせることも難しくなるのだろう

役目を終えるそのときまで
ずっと手をつないで
前をむいていこうね
陽だまりのなか
並んですわっていようね

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