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⑫【認知症】介護者は外のつながりを大切に

私は2年前に、認知症の人と家族の会で行われている認知症介護教室に参加した。
その介護教室は毎月1回6ヶ月間行われ
色々な立場の家族が参加していた。
認知症の方の配偶者、実の娘、嫁と言う
立場の人がいた。
毎回、それぞれの悩みを話す時間があり
会を重ねるごとに、皆んな認知症の人への
対応が上手になっていった。
お医者さんの助言や、役員さんの経験者としてのアドバイスも理由だと思うが、一番大きな影響を与えるものは、『大変なのは自分だけじゃない』と思えたことだと思う。

毎月つどいも行われているので、その集まりに父に参加してほしいと言ってきた。
しかし父はずっと、「わしはそういうのいらん!」と頑なに拒否してきた。
そんな父が、いつものように私の「つどいに参加してみたら?」の言葉に「いつ?」と返してきた。今月は男性介護者の方だけが集まる会になっていたので、それも背中を押すきっかけになったのかも知れない。
当日は父に付き添い会場まで行き、私は先に帰った。
夕方、電話があるかと思っていたが一向にかかってこない。
気になり電話してみた。
「どうだった?」
「どうって事ない。」と父。
しかし話していくと
「うちは子どもみたいなもんや。」
「子どもみたいって?」
「みんなもっと大変な人達やった。徘徊してはったり…。うちのお母さんはまだまだ序の口や。」
「来月もあるらしいから行ってくるわ。」

大成功!!
来月もつどいに行くと言っている!
そうそうお父さん!
大変なのはうちだけじゃないのよ!
お母さんなんてまだまだ序の口なのよ!


ずっとわたしが父に言ってきたことで
いくら言っても父の心に響かなかったことが、同じ立場の方の言葉なら
こんなにすんなり響いてくれた。

嬉しいやら腹立たしいやら…

でもとにかく
父がやっとはじめの一歩を踏み出せた。
嬉しい出来事だった。

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