マクロスのこと(仮)

いつも、お付き合いいただき、ありがとうございます。
『力の指輪』の話で言及していますが、TRPGに関わってきた歴史が長いです。マクロスのことですが、一部、テーマに絡めて話を進めていきたいと思います。

マクロスのカオスさ

マクロスというと、タイトルとしての『超時空要塞マクロス』と、マクロス級の一番艦であるマクロスを思い浮かべたり、シリーズを大雑把に表したりするかと思います。
つい最近、宮武先生の戦艦三笠のマクロス化や、河森先生によるネットミーム的にマジンバルキリーと、カオスさが収まりきらない訳ですが、今にはじまったことではなく、やはりカオスなのです。
超時空要塞の次に、超時空世紀、超時空騎団と「超時空」シリーズは、続きますが、関連性はほぼないのでした。

ロボテックというカオスと著作権ってなんだっけ

アニメにおけるカオスさというのは、たいて作画崩壊回やうっかり作画で、その場にいてはいけない人とか、彩色ミスだったりというカオスさが有名です。マクロスも多分に漏れず、しっかり作画崩壊回は存在し、製作事情とスケジュールから、他作品に負けじと劣らず立派なエラーが存在しました。
その上を行くのが、海外輸出されたマクロスです。どこから、話せばいいのかわからなくなるぐらいに混沌としていますが、説明を試みたいと思います。
先ず、輸出先であるハーモニーゴールドがやったことと言えば、米国の放送事情に合わせると、エピソード数が足りないことから、マクロスに加えて、同じタツノコのモスピーダと超時空騎団サザンクロスを1作品につなげて『Robotech』という作品を放映しやがります。
この三作が歴史的に連続性を持った物語となり、主人公の名前は変わり、血縁関係もテキトーに作られ物語ができたしまったのです。売却方法が雑だったらしく、諸権利が無視されているような気がします。
その後、Robotech the Movieでは、メガゾーン23Part1が使用されたりと、カオスマシマシになります。
wikipediaのロボテックの項やロボテックファンのwikiなど参照されるとよいかと思います。
さて日本であまり解説されないところでは1/24サイズのスケールモデルで有名なRavellの『Robotech:Defenders』がアニメに先行してコミックス展開されていたのですが、こちらはオーガスやダグラムまで混ざった玩具展開となっていました。※最初、ハーモニーゴールドのRobotechとは関係なかった。

訴訟以降で、玩具展開の一部はRavellでという流れに収まったものの問題は残っていました。
パラディウムのTRPG版ではTV版イースターエッグ的なオーガスバルキリーや作画ミスから生まれたVF-1Rなどのデータまであったりします。パラディウムの頑張り方は尋常でなく(誉め言葉)、本家が資金難で諦めたロボテックII・ザ・センチネルズではSDF-3をセル化したり、コレクターが喜ぶであろう網羅的な内容で愛情が半端なかったのです。
その後映像化はモスピーダOVAにまでおよび、イエローのライブOVAであるロボテック:ラブ ライブ アライブとして映像化されました。
なおラブライブは全く関係ありません。
どうですかーいい感じにカオスですよね。

MechwarriorまたはBattletech

ウォーゲームなのに日本では、富士見がTRPG関連出版物を手掛けていた都合だたったり、当時FASAから日本語版シャドウラン第2版の縁もあって、邦訳されたFASA版Battletech、とそのTRPG版であるMechwarrior。
MechWarriorは根強い人気で、今なおPCでも続き、いくつか最新作がでています。
Battletechもマクロス、ダグラム、クラッシャージョーのデザインを使用したゲームになっていましたが、日本への逆輸入に際して、まさかの河森先生を起用してデザインのリファインを図っているという素晴らしさ。どちらかというと河森先生の懐広さを感じます。
当のアメリカでも、上のハーモニーゴールド・Ravell訴訟に巻き込まれ(RavellはBattletech用にもモデルを供給していた)、それ以降、TVから採用したカットは削除、FASA社内で製作されたカットのみの印刷使用となり、旧デザインはUnseenと呼ばれるに至りました。もう見ることはできない…筈が2009年に、ダグラム、クラッシャー・ジョーのイラストが復帰しています。
AD&Dあるあるですが、強いメックを求めて2750年代の銀河中心部に近いメックが収蔵されている作品を探したりしたものです。
※日本のwikiでは無断使用と簡単に書かれている。Twentieth Century Importsという輸入会社が英語圏向けにリパッケージした製品(ブランドロゴをTCI製品に変えて、ボックスアートをそのまま使う権利)の販売をしており、そのライセンスでFASAは製品を出していた、と考えていた。が、実際は法的に譲渡できるような権利をTCIが持っていなかった。

それだけではなかったカオス

このカオスさに参戦する強者がさらにいました。
トランスフォーマーのスカイファイアー(jetfire)さんです。今でこそ、SR71な老人ですけれど、かつてはタカトク金型のバルキリーでした。数奇な運命を経てバンダイから流れ着いた先が、Hasbloで、そのラインナップに組み込まれました。アニメ版では違うデザインでしたが、変形機構はおおよそ同じでリアル戦闘機からSF・シューティングゲームよりな架空戦闘機になりました。
そんなトランスフォーマーですが、MP版のスタースクリームを河森先生がデザインしたり、なんかバルキリーの親戚みたいになってますよね…

また、ロボテックはボルトロンという東映アニメ系デザインのゴライオン(1作目)、ダイラガーXV(2作目)とのクロスオーバーコミックスがあり、こんな混ぜ方ができるものなんだと感心してしまいます。まったく世界観が想像つかないっすね。

国内におけるカオス

国内は国内で、マクロス続編が作成されますが、アニメではマクロスII、ゲームの一部(2036などがIIの時系列に属する)等がパラレルワールド(canonと認められないような状態)として製作されていました。
公式に寄せたゲームも多数あり、アニメに逆輸入された機体も存在しました。セガ・PSで発売されたものは良作で会った記憶があります。思えば、そんなにカオスさがない気がします。タカトクのバルキリーの運命ぐらいでしょう。

監督の考えたスマートな解決方法

冨野監督のガンダムの『黒歴史』のことは、多くのアニメファンが知っている上に、黒歴史とう言葉自体もメジャーなものになりました。
河森先生の場合、このような混迷をどのように乗り切ったかというと、各作品はマクロス世界における現実をフィクション化したもの、として扱うことによって解決したのでした。
矛盾があった場合は、現実のフィクション化されたものだからおkという発想です。TV版と劇場版の違いは、TVシリーズは戦史ドラマ、式典で放映されたフィルムが劇場版のような住み分け、ソフトバンクのヴァリアブルファイターズだったら、当時、取材した内容ではそう言われていた、とか。
青島文化教材のVFG(ヴァリアブルファイターガールズ)シリーズは、EXギア(パワードスーツ)の系譜に並ぶことで解決という手法をとっています。

さいごに

いつもどおり何だかわからない状態になりました。
アメリカあるあるな、著作権の切り売りいかがでしたでしょうか。
映像放映権をもとに、翻案し改作する。その作品のフランチャイズ(出版、ゲーム化)による収益。あくまで改作作品の付帯する権利。
他、いろいろなものがバラ売りされました。
このあたりのグダグダ感を見ると、中国版マクロス、AstroPlan(太空历险记之星原战记)の方が、パクリと呼ばれてはいるがよほど努力した後が見られます。オネアミスや雪風、AceCombatもぜひ変形してほしいものです。


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