見出し画像

③日本縦断2日目 〜出発〜

「歩く事で道は出来る。旅人よ、道はない。」

アントニオ・マチャド  


2日目。
準備を早々にホテルを出て千歳の町に。
夜とは違い流石に人が出て街らしさを感じます。
買い物してる主婦や出勤してる人、公園でスケボーしてる兄ちゃんなど町らしさを感じ少しホッとしました。

2日目の今日は旅に必要な「足」を買うこと。
旅は色々な手段でする事が出来ます。
ヒッチハイク、キャンピングカー、バス、バイク、徒歩…etc。
旅は自由でやりたい様にやるものです。
その自由から選ぶモノがその人の性格や生き様に表れ、個性になる。

将来はラクダでやってみたかったりもします笑
(写真は以前鳥取砂丘に行った時のもの)


そんな中で今回自分が選んだのは「ママチャリ」。
何故ママチャリか。
理由は2つあります。
1つ目は、「他者との比較」。
旅を始める前にSNSで旅人がどういった手段で旅をしてるのか調べました。
その結果自転車がかなり多い傾向にありました。
しかもちゃんと荷物を装着できる様なマウンテンバイクやロードバイクの様なモノ。
ここで自分はこういった「いい自転車」ではなく、「普通」の自転車をチョイスしようと決めました。
そうする事で個性が出るし、過酷であればある程自信になると思ったからです。
2つ目は、「金銭的な問題」。
半年お金を貯めたと以前の記事でも書きましたが、その7割は休学の費用として消えていきました。
なので結果始める前から金欠気味。大事な商売道具になるモノに投資するのは常識とはいえ、予算はかけられないという事情がありました。
この様な自分の中での理想と現実から「ママチャリ」を選ぶ事になりました。

意気揚々と自転車屋に向かう自分。
しかし思った様な自転車が中々見つかりません。いいモノであっても値段が高かったり、安い分少し機能的に問題があったり。
昼休憩を挟みながら3時間かけて吟味し、3店舗目でようやく自転車を購入する事になります。

りんご丸かじり。旅中の昼飯ではよく食べてました。

黒色のしっかりとしたママチャリ。
値段は23000円。
プラス後ろカゴ5000円で合計28000円。
ギアが6つとこれ以上ない程いい自転車でした。
しかも自転車屋さんがとても親切で、あれもこれもと色々備品を装着してくれました。
ホント感謝です🥲
けど最後出発する時、「北海道舐めないほうがいいですよ😏」
と軽く脅された時は少しビビりましたが…笑
何はともあれようやく出発です!!

①28000円の自転車。見ての通り普通のママチャリである。
②自分の体重含めかなりの重量。

自転車を買い、そこからルートを決めます。
ルートは2つ。
1.南下して苫小牧市に向かうルート。
2.北西に向かい札幌に向かうルート。

色々悩んだ結果、2の札幌ルートに決めます。
札幌には友人がいるのと、日本最北端・稚内に行けるというのが選んだ理由です。

昼を超えて少し日が傾き出した頃、ようやく千歳から出発!!
千歳からようやく出れる安堵感と旅を始める高揚感でテンションMAX✨
ここから猛スピードで自転車を漕いで行きます。🚴‍♂️

途中段ボールを貰って看板作成。手作り感満載です。

しかし街を出てすぐに早速北海道の洗礼を受けます。
北海道の名物
「アップダウンの激しい一本道」
これが本当にキツい!!

奥まで続く一本道。坂があるのが分かる。
果てしなく続く道。とても歩いて行ける距離でない。

「どこまで続くんだーーー!!!!」

なんて叫んでも誰もいないから恥ずかしくないくらいの田舎道。
その中を1人でただひたすら漕ぎまくります。
漕いで漕いで漕ぎまくる。
だって止まったらそこで終わりですから。
ひたすら札幌に向かって走ります。

けど走ってると、そんな事を出来てる自分が少し不思議に感じます。
こないだまで東京にいたのに、今北海道でママチャリを漕いでる自分が。
けどすぐにその不思議な感覚が「旅をしている」感覚であると悟ります。
非日常で過酷な環境こそ「旅」であり、それが「旅人」の日常。
その非日常とそれを成している人に憧れて、この旅を始めた。
そしてそれを叶えて、北海道の大地でママチャリを漕いでいる。

「あー俺今、ホントに1人で旅してるんだな」

その事実を受け入れた時、すごい青春を感じました。

走り始めて直後の写真。1人旅の楽しさを感じ笑が溢れる。

夕方18時頃。
北広島市に到着。
札幌市の手前でありますが、暗さと疲労からこの日はここで終了。
たかだか22キロ程ですが、初日だし大目に見ていいでしょう。
この日は昨日のリベンジで野宿を決行。
住宅地のど真ん中にある公園で野宿を決めます。

野宿する時は東家の様に屋根があると嬉しい。

しかし昨日と同様、夜になると北海道の冷たい風が吹きつけてきます。
寝袋は保温性が高いモノでしたが、それでもかなりキツい。
またコンクリートの上で寝てた為、下からも冷たさが突き上げてくる。
この時、初めて屋根や壁の有難さを感じました。笑
多分旅をしなければ一生感謝しないですよね😅
けど当時の自分はそれくらい辛い夜でした。
さっきの青春を感じたテンションとは一転、

「俺は何て事をやろうとしてしまったんだ…」

と旅を始めた事を後悔しました。
今振り返ると感情の起伏が激しいですね笑笑
半分涙を流しながら、結局一睡もする事が出来ずに2日目を終える事になります。

終わりに
自転車を買ったこの2日目は色々な感情に振り回された日でした。
旅の長さに絶望し、旅をしている事に希望を持ち、日々のモノに感謝し、自分の情けなさに悔しく思いました。
しかしこの日の様々な感覚が、現在分岐点に立たされている自分にとって大きな材料になりました。
「旅は人生」なんていいますが、それは「旅の経験が人生に当てはまる」という事だと思います。
いわば人生の疑似体験。
もし何か迷っていたり、自信が無い人がいれば短い期間でもいいので1人で旅をしてみてはいかがでしょうか。
そして最後までご精読頂きありがとうございました♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?