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悲しみのミートソース

昨日、姉から「実家のとの君(猫)が昏睡状態やから、会いにきたって」と連絡を受けた。
パートが終わってからすぐに駆けつけた。との君は窓際から外を眺め横たわっていた。窓から少し挨拶をし、すぐに室内へ。との君はとても暖かかった。
でも、呼吸をしていなかった。
晴れた空を見ながら、みんなと遊んだ景色を見ながら、静かに息を引き取っていた。
最後に私の顔を見てくれただろうか、声は聞こえただろうか。暖かい体が冷たくなっていくのを感じながら、冷えた私の手をとの君の胸の中にうずめる。
温めてもらっていた手。でも時間とともに、温める側になる。冷たくならないで、そう思いながらずっと撫でていた。

との君は、今日埋葬する。
姉一家と、わたしと娘で。
今日のお昼ご飯はみんなでミートソースをいただくのだ。
みんなでとの君の話をいっぱいしよう。
 思い出のミートソースにしよう。

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