ティアキンとタイムスリップ「歴史改変の考察と矛盾点」

はじめに

話題のティアキン。皆も楽しくプレイしていると思う。
しかし、ブレワイをプレイした皆さまならある「違和感」を感じていると思う。

ブレワイとティアキンの世界が「地続きとはとても思えない」からだ。
よって、「ゼルダ姫が過去に行った事で多少の改変が入ってる」という説が主流だが、これには賛成でもあり反対でもある。

その理由や考察などを記す。


そもそもどういう種類のタイムスリップなのか?

タイムスリップものに詳しい人なら分かると思うが、一言で「タイムスリップ」と言っても実はいくつか種類がある。

1、過去は絶対に改変できないという立場のもの
2、過去を改変する事でパラレルワールドが生まれるという立場のもの
3、過去は変えられる(改変したら場合によっては存在が消えたり歴史が変わる)という立場のもの

1はH.G.ウェルズ原作のタイムマシン(2002年のリメイク映画)を見てもらうと非常に分かりやすい。
2についてはドラゴンボールのトランクスやシュタインズ・ゲートと言えばだいたい分かるだろう。
3はバック・トゥ・ザ・フューチャーやターミネーターである。

結論を言うと、ティアキンのタイムスリップは1だと考察できる。
何故ならば「過去から未来への引継ぎ(マスターソード)が可能」という点から2では絶対にない。
分かりにくいと思うが、2はゼルダ姫が過去に言った瞬間に1分岐、マスターソードを過去に送った時点でもう一度分岐するからである。
要するにそもそもゼルダ姫はマスターソードを受け取れないし、それを地続きの未来としてリンクが受け取るなど不可能であるからだ。

3はどちらかというと「考えにくい」という立場に留まる。
歴史改変が可能であれば、そもそも論ガノンドロフを歴史の闇に葬るのが一番の近道だからだ。
歴史を知るゼルダ姫が居る限り、常にガノンドロフの先回りをする事が可能であり、かなり有利な立場で事を進められるのである。
しかしながら、それをしなかった=「できなかった」と考察可能となる。

よって必然的に1という事になるのだ。

因果律とゼルダ姫「ガノンドロフとゼルダ姫は表裏一体」

H.G.ウェルズ原作のタイムマシン(映画)を見てくれというのには理由がある。
この映画はこれから話す事を非常に分かりやすく説明しているからだ。

では、この映画のあらましを話す(ネタバレが嫌いな人は以降未読でお願いしたい)。
簡単に言うと主人公は恋人を交通事故で亡くし、それを助ける為にタイムマシンを開発する。
開発には成功し主人公は過去世界で恋人を交通事故から救う。
ところが、【別の要因で恋人は必ずすぐに死んでしまう】。
何度繰り返そうが結果は変わらない。
悩む主人公は未来世界に答えを求め旅立つ。
そして、様々な出来事があり、未来世界でとある答えを聞かされる。
「お前は、恋人が【死んだことがきっかけでタイムマシンを作った】」
「よって、そのタイムマシンは【恋人が死ぬという事実(因果律)に基づいて存在している】」
「だから【そのタイムマシンがある限り恋人が死ぬという事実は変えられない】」
・・・以上が「タイムマシン」のあらましだ。

大体わかっただろうか?
要するにタイムマシンと言う存在そのものが恋人が死ぬという「因果律」に基づくものであり、それで過去へ行ってもタイムマシンの存在そのものが仇となって改変が不可能と言うものである。

ゼルダ姫とガノンドロフは正にその関係なのだ。
ゼルダ姫が過去に飛ばされた「経緯」は「ガノンドロフ復活」である。

そうなのだ。ゼルダ姫がガノンドロフを倒す事は「絶対に不可能」なのである。
何故ならば、「ゼルダ姫が過去に居る」という「経緯」そのものが「ガノンドロフ復活の因果律」に基づくものであり、皮肉な事に【ゼルダ姫が居る限りガノンドロフ復活は防げない】という「運命が確定」してしまったのである。
更に付け加えると、「ガノンドロフ復活までの経緯」にすら手が出せない。

裏を返すとゼルダ姫の存在そのものが、ガノンドロフ復活を「保証」してしまったのである。
この経緯を理解できると色々な事に説明が付くのである。

ゼルダ姫が行ったのは「未来改変」である

非常に分かりずらい話が続いて申し訳ないが、もう少し付き合って頂きたい(何故なら俺の趣味だから)。
まず、ゼルダ姫の居る過去世界~ブレワイ~マスターソードの転送までの歴史は「改変不可能」である。
因果律(運命)がそれを許さないからだ。

よって、ティアキン冒頭までの世界は間違いないくブレワイと地続きである。
ゼルダ姫は「時の賢者」なので、それは承知もしくは(ゾナウ族から)伝授されていたと考察できる。
ゼルダ姫は手が出せない(リンクから見た)過去世界ではなく、「その先の未来」対して「布石」を打ったと考えるのが妥当だ。

マスターソードがその極致ではあるが、「新式・英傑の服」についてもその一種だ。
この「手が出せない因果律」には裏技がある。
リンクやゼルダ姫が「認知できない場所」を改変する事は可能なのである。
これがまさに「布石」だ。ブレワイまでの時間軸で認知できなかった場所であれば運命の神様のスキを突けるのである。
※この辺はシュタインズ・ゲートを見て頂くと大変分り易い
ゼルダ姫転送後に発動する「ゼルダ姫の導きや幻影」も恐らくその布石の一つ。
というより、「空島全体がある意味の布石」であるとも言える。

要するに、数々の布石を打つ事により、「ガノンドロフ復活は防げないが、討伐の手助けならできる」という訳である。
即ち、「過去は変えられないが未来は変えられる」という訳だ。

これは非常に重要な事で、要するに過去が変わったのではなく、
「未来が変わったことで過去と地続きになってないように見える」
という訳である。そう、見方が逆なのである(俺ってばこの系統の説好きだなw)。

ゼルダ姫の健気で涙ぐましい努力とその裏にある矛盾(笑)

これらの布石を必死に準備し、己が身を犠牲にしてマスターソードの復活。
なんと健気で涙ぐましい。。。

そんな美談で終わらせたかったのだが、目を瞑れない矛盾がそこには存在する(笑)
それこそが「マスターソード」そのものである。

正確には、「マスターソード復活の為にゼルダ姫が龍になった事」そのものが矛盾を呼んでしまっている。
何故か?非常に簡単である。
「早すぎる」のだ。龍になるのが。

過去の幻影からも分かる通り、ゼルダ姫は過去に行ってかなり早い段階で龍になっている。
※恐らく封印戦争終結直後だろう
よって、まず確定した事として、「過去何代かの姫は(ブレワイ~ティアキンの)ゼルダ姫とは全くの別人」である。
何故なら龍になると「記憶も感情も」封じられるからである。この状態では何もできない。

というかそもそも「布石を打つ時間が無い」。
おいおいおい。。。。。。

ちょっと先の未来を行ったり来たりしたんじゃないの?と思ったそこのあなた。
「ゼルダ姫は未来に行く手段が見つからないから龍になった」
のである。この動機と事実は曲げられない。

・・・・・・・これが反対でもあると述べた理由だ。
よって、
「ぶっちゃけゼルダ姫はマスターソード以外何もしてない」
「どっちかというとゾナウのロボット達やらラウル、ソニア、ミネルの魂がすげぇ頑張った」
「未来改変はゾナウ族の仕業」
って方がしっくりくるのである。なんてこったい。

一応フォローしておくと、ラウル、ソニア、ミネルに未来の状況を伝えたのはゼルダ姫だ。
よって、「間接的に」彼女が布石を打ったと言える。
ただ、マスターソード以外の主犯はゾナウ族って意味だ。
※というか多分ミネルがやたら頑張ったが一番しっくりくる訳で。。。

なにはともあれ姫様は頑張ったんだよ!!!!!(ゴリ押し)

メタ考察「ゼルダの伝説」

ティアキンは「ゼルダの伝説」である。
何言ってんだお前はって話だが、繰り返すが「ゼルダの」伝説なのである。

多分ゼルダ姫が過去へ行く事は、メタ的に言うと「原点回帰」なのである。
ゼルダの伝説はともすれば殆どの場合「リンクの大冒険」だ(笑)
要するにタイトル回収がなされていないのである。
攫われた姫様を救出してもそれはゼルダの伝説ではなく「勇者の伝説」である。

そこで今回、ゼルダ姫を過去へ飛ばす事で、彼女は歴史となり伝説となり英雄となった。
そう、これこそがまさに「ゼルダの伝説」なのである。

今回のリンクは、「ゼルダ姫の軌跡を追う」というのがメインミッションだ。
「看板に偽りなし」とはこの事である。

任天堂スタッフとしては、要するにこれを一番意図していたのではないかと思う。
まあ身も蓋も無い事言うと、こまけぇことはどうでもいいのである。
面白いし感動すればそれでいいじゃんって事だ。

俺は太眉娘大好きだしな(一番の本音)
ゼルダ姫可愛い~いいケツ~げふんげふん。。。

結論:ゼルダの伝説は姫様のケツである

それ以上でもそれ以下でもない(なんのこっちゃい)

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