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孤独を楽しむ暮らし🌱#13

幸福度から見えてくるもの

こんにちは。葉葉(ようよう)といいます。ネコと沖縄暮らししてます。
毎年発表される、「世界幸福度ランキング」。1位のフィンランドから10位まで毎年北欧諸国で、日本は51位です。なぜ北欧の人たちは幸福度が高いのでしょうか。北欧で暮らす人たちが発信する内容や本によると、ささやかだけど毎日が豊かな暮らしぶりがわかります。

2018年から7年連続1位のフィンランドは、国土面積は日本より少し小さくて人口550万人。日本は、約1億2000万人も暮らしています。
同じくらいの国土に550万人と1億2000万人の人口では、国を運営する上での様々な問題があって、一概に比べることは難しいと思います。
とはいえ、北欧人がなぜ幸福度が高いのかを知ることで、なにか見えてくるものがあるかも。

北欧は、高い税負担と引き換えに、医療費、小学校から大学院まで教育費が無料で、老後も手厚い支援ありの高負担高福祉国家です。でも、幸福度が高いのは国の仕組みだけでなく、北欧人たちは少ないお金で豊かに暮らせるスキルや思考があるようです。日本と北欧では制度や文化が異なりますが、少ないお金で豊かに暮らすヒントになると思います。

日本人にとって、娯楽はお金を使う消費活動です。買い物や外食、テーマパークに行ったり、旅行など。
北欧は、食料品や医薬品、書籍、子供用品などは軽減税率が適用され、10〜14%前後ですが、それ以外の消費税は25%です。食料品は10%で、服は25%としたら、買い物を娯楽とするのはしんどいわけで、北欧人は、少ないお金で余暇を楽しむのです。また、日本の住民税率は10%に対し、北欧は20%、25〜34%の国もあります。なので、給料の手取り率が低く、娯楽的支出にかかる消費税は高い。そんな環境のせいか、北欧人は少ないお金で余暇を楽しむ知恵と工夫がたくさんあるようです。

でも、医療費、教育費が無料なら、生活基盤は安心です。大学院まで無料の北欧と、日本では、大学に入るのに奨学金を借りて、借金返済を抱えて社会人生活がスタートします。
医療費も国民皆保険とはいえ、3割負担です。この違いは大きいです。
安心という生活の土台があるかないかは重要です。手取りが少なくても、あとは工夫すればよいのですから。

少ないお金で余暇を楽しむ北欧人は、ヒュッゲ、ミューシグという心がほっこりする時間、心地の良い快適な時間を大切にします。日々の小さな幸せを噛みしめることを大切にするのです。家族みんなで食事を楽しむ。自宅でコーヒー飲みながら、ゆったり読書する。天気の良い日にシートとサンドイッチを持って海辺で日向ぼっこ。美しい景色をじっくり味わうことに心地良さを感じる。
こういった時間も趣味ととらえ、心から楽しんでいます。日常にある小さな幸せ、心地の良い時間を楽しむヒュッゲ、ミューシグが幸福度を押し上げているようです。

また友達と会うときは自宅か自然の中が多く、森、川、海、公園などでコーヒーやお菓子片手にのんびりおしゃべりを楽しむのが一般的らしいです。そして、とにかくお散歩大好き。若者からお年寄りまでめちゃくちゃ散歩をする。朝起きて、出勤前に朝日を浴びて散歩。仕事終わりに、家族やご近所さんと近所を散歩。友達の家に遊びに行った時も、この後散歩に行かない?となるそうで、休日も、海辺や森を散歩している。散歩が日常で、散歩=娯楽としている人がとても多いのです。
散歩をすると、ストレスホルモンのコルチゾールが下がり、幸福ホルモンのセロトニンを分泌します。日常的にセロトニンを分泌する生活をしているのです。散歩は1円もかからないので、これを楽しめるようになれば、無料で心と体の健康が維持できる究極の娯楽ですね。

セロトニンが分泌する散歩が日常的で、ヒュッゲ、ミューシグは、つながりと愛のオキシトシンを分泌させます。北欧人は、セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福を土台とした生活をしているのです。その上で、ドーパミン的幸福(成功やお金など)を求める。幸福度の高さはここにあるのだと納得しました。
北欧人の余暇の楽しみ方を参考にして、日々幸福を感じる感性をはぐくむことができればと思いますが、
労働時間を比較すると、日本は8時間、北欧は6〜7時間。残業はなし。平日もプライベートを楽しめる。かなりの違いがあります。

ストレスは浪費を誘発します。日本人は長時間労働でストレスが溜まり、それを消費で発散する。それで資産が貯まらないし、保証のない老後や将来の不安は大きくなる。その不安解消のためにがむしゃらに働く、そしてストレスが溜まって消費で発散して‥と繰り返しているのではないでしょうか。買い物などの消費活動は、ドーパミン的幸福です。

「楽しい」「おもしろい」と感じられるドーパミン的幸福は欲求と結びつきやすく、消費活動で経済がまわっている社会的環境で生きている日本人は、消費を促す広告や宣伝があふれているなかで、どうしても、ドーパミン的幸福を求める気持ちが強くなるのだと思います。意識がそこにいくので、セロトニン的幸福やオキシトシン的幸福という、健康やつながりといったものは当たり前に感じてしまい、それが幸福だとは気づきにくい。それが幸福度を高めることが難しい理由だと思います。

かつての私も、ドーパミン的幸福を求める生き方をしていました。家や車、身なり、見た目、といった体裁をいかに整えていくか、それが、幸せを実現することだと思っていました。人からどう見られるかを意識していて、そこには人より優位に立ちたいという気持ちがあったのだと思います。それまで囚われていた世間体みたいなものとの葛藤の末、離婚して一人暮らしを始めて、気を遣わない平穏な暮らしになり、散歩したりネコと遊ぶ、そんな穏やかな毎日にありがたいなぁと感謝するようになりました。そして幸せだなぁという気持ちに包まれていることに気づいたのです。それまで自分が思っていた幸せではなく、“そこにある幸せ“に気づいたのでした。

2024年各都道府県別幸福度ランキングで、1位は沖縄県、46位は東京都です。そして、一人当たりGDPは、1位が東京都、沖縄県は46位です。
私の住む沖縄県は、賃金は低く、物価は高いです。輸送料がかかるため、野菜や果物など食料品が高い価格になるのです。以前、夫の転勤で福岡県に引っ越して、初めてスーパーに行ったその日、価格の違いに愕然となりました。普段買っている物の値段がこんなに違うとは‥‥。
沖縄県民は、給料が安いのに、物価が高いなかで暮らしています。GDP46位なのに、幸福度1位なのですね。

沖縄はコミュニティ社会です。友人や親戚、地域や会社の人たちとのつながりといった、コミュニティの中で暮らしています。所得の高い人もいますが、多くの人はみんなそこそこの生活です。でも“ゆいまーる“という助け合いの精神が根づいているためか、なにかしら安心感があり、お金なくても“なんくるないさー“(なんとかなるさ)で生きています。「つながり・愛」のオキシトシン的幸福の中で暮らしているので、それが幸福度を押し上げていると思います。

とはいえ、ドーパミン的幸福は、「喜び」「楽しい」「おもしろい」で、私たちのモチベーション、やる気の源であり、ドーパミンが出るから「頑張る」「努力できる」し、自己成長につながります。遊ぶ、趣味、娯楽。これらもドーパミン的幸福です。ドーパミンがすべて悪いというわけではありません。ただ、ドーパミンは「もっともっと」の物質で、「依存症」の物質でもあります。お酒、ギャンブル、買い物、ゲームといった手軽に手に入る「快楽」でドーパミン的幸福を得ようとして、ドハマりすると「依存症」になってしまいます。

セロトニンは、ドーパミン、アドレナリンといった他の脳内物質をコントロールして、増えすぎるとブレーキをかけて調整します。セロトニンは、感情を安定させます。セロトニンが下がると、イライラする、不安が強まる、キレやすい、怒りっぽいなどの症状が起こります。「もっともっと」が暴走しないように、セロトニンが手綱をとってくれるのですが、さらにオキシトシンも依存に対してブレーキをかけるそうです。

北欧人の暮らしから見えてくるのは、ヒュッゲ、ミューシグといった心がほっこりする時間、心地の良い快適な時間を大切にする暮らしです。少ないお金で余暇を楽しむ知恵と工夫で、日常にある小さな幸せを大切にしていくこと。それらは、気づきさえすればいつも“そこにある“幸せです。散歩したり、家族や友人たちとのつながりを大切にする。犬や猫などペットでもいいのです。
そのうえで、「成功」「達成」のドーパミン的幸福を楽しむ。「遊び」や「趣味」も毎日を楽しくしてくれるものです。“ほどほど“でバランスをとることが大事なんだと思います。

幸福度ランキング51位とはいえ、世界に目を向けてみると、貧困な国もたくさんあるし、治安が悪い国、戦争をしている国もあって、いつ爆弾が落ちてくるかわからない中で暮らしています。日本は比較的治安が良く、撃ち殺されたり食事に困ることもありません。国民皆保険で、安心して病院に行けます。海外では、食事も食べられず、成人になるまでに亡くなる人が50%以上の国もあります。衛生状態や、医療なども含めて、生活する上での環境を考えれば日本に生まれただけで幸せだと思うのです。まずはあるものに感謝して、あとは自分で工夫していくことだと思います。アランがいうように、幸せは自分の力でつくりだすものだから。自分を幸せにできるのは自分だけなのです。



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