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短編小説

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#見上

『星』と書いて『キミ』と読む【短編小説】

『星』と書いて『キミ』と読む【短編小説】

「1ヶ月ぶりだね、ようくん」
月命日の日、私はキミの家にお邪魔させてもらって、写真の前で手を合わせて言う。
もう1年たったんだ、なんて考えながら手を合わせているんだ。
キミがいない世界に、私はまだ慣れないよ。今でもたまに、この世界のどこかにいるんじゃないかなぁって思ってちゃうんだ。もうこの世界のどこににも居ないのにね。

「美桜ちゃん」

そう名前を呼ばれて振り向くと、ようくんのお母さんが紙を手に

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