岐阜で『安達としまむら』の存在を感じてきました
※本記事は2020年9月に初めて舞台探訪をした際の旅行記となっておりますが、筆者はそれ以後も複数回岐阜を訪れております。
以下の記事にて全体的な舞台探訪のまとめが読めますので、こちらもよろしければどうぞ。
まもなくアニメが始まるというタイミングの 2020/9/23 に、岐阜県岐阜市・本巣市・各務原市などにある『安達としまむら』の舞台モデルとされている場所を巡ってきました。
とりとめのない感じになってしまいましたが、現地の写真や感じたことを残しておこうと思います。
舞台を巡るにあたって、以下の記事をとても参考にさせていただきました。この場を借りて厚くお礼申し上げます。
非常に幅広く細かくまとめられているブログ記事です。地図もあります。
最近ブログが消えてしまったようなのですが、ウェブアーカイブをわざわざ参照させていただいたほど参考にさせていただきました…。
こちらの方も、1つ目の記事を参考に巡られたようです。
電撃コミカライズ版のアスティ岐阜の描写の細かさに気づかせていただき、こちらも非常に参考になりました…。
※当然ながら、この記事には「安達としまむら」原作のネタバレが多く含まれます。アニメのみ視聴している(しようとしている)方などは適宜ご注意ください。
※本記事公開時はアニメ放映前でしたが、アニメでの舞台モデルにつきましても追記しております。
※比較引用目的で、原作の文章やコミカライズ(完結済のGC版、現在連載中の電撃版)、アニメのカットを一部掲載させていただいております。
名古屋駅
東京から岐阜に新幹線で向かったため、名古屋駅で乗り換えになります。
名古屋にもいくつか舞台がありますので、早速巡ってきました。
記念すべき最初に巡った舞台である金時計と、その背景の高島屋です。どちらも原作3巻でチョコレートを買いに行った際に描写されています。
引用文は、突然しまむらに殺人事件の話題をふる樽見ですが、やっぱり彼女たちにとって名古屋は「都会」なんですよね…距離としてはそこまで離れていないのですが…
原作3巻では高島屋の内部が割と細かく描写されており、文章を噛み締めながら高島屋の中を歩くのがすごく楽しかったです…(そしてこの後割と時間が足りなくなったので、楽しくなりすぎたのが少し悔やまれます)
※追記
アニメ9話で金時計が描写されていました。
原作3巻のクライマックスで、しまむらが安達へのメッセージを贈った電光掲示板を探したのですが、原作において描写されていた「謎の銀色のオブジェ」(写真背景にちょっと見えるタワー状のやつです)周辺の駅の外には発見できませんでした。
個人的には、原作やコミカライズでの描写を見る限り、物語上ではこの案内板が電光掲示板になっている設定な気がしています。
GC版コミカライズでも、それっぽい i マークの上に電光掲示板がついてました。アニメでもどう描写されるかが興味深いですね。(なんとなくこのシーンがアニメ1クールのクライマックスになりそうな気がしています…)
※追記
アニメ9話で登場した電光掲示板は、やはりこの場所でした。
(なお、この話数がアニメのクライマックスにはならなかった模様)
アスティ岐阜
JRに乗って20分ほどの移動で、名古屋から岐阜へ。原作3巻でのバレンタインデーだったり、7巻でのIFストーリーでの通勤描写だったりが思い出され、この移動すらも安達としまむらを感じてしまうやつですね…。
まずは岐阜駅直結のアスティ岐阜へ。
原作1巻で安達としまむらがドーナツを食べに行ったお店はここのミスタードーナツがモデルかと思われます。
電撃版コミカライズと、ドーナツディスプレイや看板の位置が近いですね。
ドーナツを買った2人は、近くのエスカレーターの柱の前で食べたようです。
こちらも電撃版コミカライズからの引用ですが、柱の形は改変されてますね。
…と思っていたのですが、つい最近公開されたアニメのキャラクターPVでは、柱の特徴も一致するようになっていました…これは、アニメの舞台の再現度もかなり期待できるのではないでしょうか…
その他も、電撃版コミカライズでの背景描写が非常に細かく、目の前に2人の残滓めいたものを感じて感動したのですが、そのあたり詳しくは、冒頭で紹介した2つ目の参考記事も合わせてご覧ください…。
イオンモール各務原
岐阜駅でレンタサイクルを借り、イオンモール各務原までママチャリで30分ほどかけて約6km移動しました。9月とはいえ晴れていて暑かったです…
(移動手段については記事の終盤に後述します)
原作2巻で安達が日野に連れられて来たお茶のお店のモデルは、こちらの三國屋善五郎さんかと思われます。
GC版コミカライズでの描写にかなり近い外観のお店でした。
こちらが原作でのお店の名前の描写(安達のモノローグ)なのですが、直接的に名前に言及しないでも絶妙にこのお店だと分かる感じが秀逸ですね…。
以前はここで安達が買った「レジェンドオブアフリカ」が実際に売っていたようですが、自分が行ったときは残念ながら確認できませんでした。
※追記
アニメ6話でも登場しましたが、外観も内装も雰囲気が近かったです。
舞台ではないですし特に食べる描写もないですが、安達がスガキヤへの感謝を述べる場面があるので、舞台となったモールでスガキヤラーメンを食べるやつをしました。
(ちなみに安達のCVの鬼頭明里さん(名古屋出身)は、かねてからスガキヤが大好きだと公言しているので、アニメで鬼頭さんがこの台詞を喋るのが楽しみです…カットされてないといいのですが…(?))
(※追記 アニメでもしっかりセリフがあったどころか、スガキヤさんに協力までいただいていたそうです…鬼頭さんもお喜びでした…)
他にも、原作描写のようなお店の並びをしている場所があったりと、とても回りがいがある場所だったのですが、意外と時間がないことに気づき、そこそこでイオンモールを後にしました。
個人的に、作中で繰り返し描かれているモールは基本的にはモレラ岐阜(後述)をモデルにしつつ、そちらにないような場所はこのイオンモール各務原のお店の描写で補完している感じなのかなと思っています。
(※追記:お茶屋さんがあるモールはイオンっぽい外観をしていたので、アニメにおいては別のモールであるという設定になっていそうです。)
つりぼり喜水園
アニメPVで釣り堀のシーン(原作1巻)があったのですが、ネット上で見られる内部写真と一致したこちらがモデルなのかなと思います。イオンモール各務原の近所にあります。
アニメで建物外観まで描写されるかは謎ですが、結構特徴的な風貌をしていたので、映ったらすぐにわかりそうですね。
スポーツクラブアクトス
ここから岐阜駅方面に戻りつつ一気に10km以上移動して、2巻などに登場するスポーツクラブ アクトス(岐阜島店)へ。
改めて原作を読んでみると、ものすごく舞台描写が細かいんですよね…。これほど細かいので実際に舞台を巡りたくなりますし、実際に見たときの感動もひとしおなんです…。
島西運動場
7巻で安達としまむらがブーメランを投げに来た(?)運動場と思しき場所も、実際に(やや風情がない…)スポーツクラブの近くにありました。
しまむらによる「まさか二人でサッカーしようってことはないよね」という台詞があるのですが、完全にサッカー用という感じの広大な運動場でした。
というか、あまり写真がうまく撮れてなくてすみません…広いんです…
尻毛郵便局
安達としまむらたちがカラオケに行く前の待ち合わせ場所とした郵便局は、看板や電柱の位置関係がGC版コミカライズやアニメPVに近いこちらかと思われます。
余談ですが、原作でキャッチーな紹介のされ方をしている尻毛(しっけ)という地名を実際に見れたのも嬉しいポイントです…
※追記
アニメ4話で他からのアングルも登場しましたが、再現度は結構高い気がします。
尻毛という地名もちょくちょく背景に登場してましたが、やっぱり何も知らないで見るとインパクトがありそうですね…笑
モレラ岐阜
作中で描かれているモールの主なモデルとなっているであろう、モレラ岐阜に着きました。
比較画像はGC版コミカライズのものなのですが、「MALera」というロゴの文字をもじらずにそのまま使っているあたり、ある種の気合を感じます(?)
※追記
流石にロゴは改変されていましたが、アニメ3話でもしっかり描写されていて嬉しかったですね…
こちらは3巻で安達としまむらがモールに行った際のしまむらのモノローグなのですが、本当にこの順でお店が並んでいて震えました…安達としまむらが歩いた場所を、今、僕は歩いているのだなぁと…
※追記
アニメ7話でもシュークリーム屋さんが登場しました。
原作1巻でボーリングしたり2巻でエアホッケーした複合エンターテイメント空間のモデルは、こちらのラウンドワンかと思われます。
自分が知っているラウンドワンはボーリング場が別フロアにあることが多かったのですが、こちらではボーリングもビリヤードもゲーセンもワンフロアになっていました。こういう暗黙の前提みたいな誤りに気づいて、脳内の舞台像がアップデートされていく感覚が好きです…。
※追記
アニメ3話でもボーリング場の描写がありました。
完全一致という感じではないですが、隣のレーンとの仕切りがモニターになっているところがそれっぽい感じがします。
※さらに追記
アニメ6話でエアホッケーが登場しましたが、残念ながら現地にあるものとは機種が違っていました。
原作1巻でしまむらが飛ばした渾身のしまむらギャグですが、モレラ岐阜ではユニクロくんとH&Mちゃんが隣り合っています。
しまむらは当然近所のこの風景を思い描きながら喋っていたのだと思いますが、安達はとっさに理解したのでしょうか…こんな会話ですらハイコンテクストさを感じるようになってしまうモレラ岐阜という場所が怖すぎます…
※追記
原作4巻、アニメ11話で安達と樽見がすれ違ったペットショップはワンラブさんです。大きな犬と猫のプリントがされた内装が特徴的ですね。
また、直後に安達がエキシャーマンと出会ったと思われる場所もこの近所にあり、建物内の位置関係の再現率も高いです。
他にもポイントはたくさんありますが、レンタサイクル返却の都合上1時間ほどしか滞在できず、全部は回れませんでした。
ちなみに、印象的なスポットのひとつである、原作1巻で安達としまむらとヤシロが訪れたレストランのモデルとされる『シェ マディ』は、もう閉店してしまっているようです。
本当に何度も作中で登場するモールなので、舞台として描写されていない場所も隅から隅まで歩きたくなる魅力がある場所でした。というか、思っていた以上に広かったです。いつかまた、もっと時間に余裕を取って来たい気持ちがあります…。
想作新中華料理 昇龍
モレラ岐阜から長良川温泉付近のポートまでまた30分ほど走ってレンタサイクルを返却し、今晩の宿にチェックイン。
そこから1kmほど歩いて、安達のバイト先と思しき想作新中華料理屋さんへ晩ごはんを食べに行きました。
安達と同じお気持ちになれるようなお店のたたずまいですね(?)。お店の名前よりも「想作新中華料理」という文字を照らしているのもポイント高いです。
先客はおらず、客席は自分1人でした。どうやらお昼どきのほうが混み合うようです(Googleマップの混雑予想調べ)。
撮影・ネット掲載許可を取る勇気が出なかったので写真は載せられなくて申し訳ないのですが、内装がGC版コミカライズのものと一致していました…。
ネット上ではそのような情報がなかったので、かなり驚きでした。というか、こういうお店にまで取材して描いているのですね…すごい…
(後から調べてみたところ、内装の一部はGoogleマップで確認できました)
安達の主な行動範囲と思われるモレラ岐阜近辺からは距離が離れているのでどうかなと思っていたのですが、原作でもこちらのお店をモデルにした可能性がかなり高そうです。
ちなみに、電撃版コミカライズとは違ってカウンター席はなく、アニメPVとは違ってテーブルの色は白でした。
原作の描写とは異なり、メニューはお店間で使い回されてないようでしたし、ちゃんとメニュー写真通りの見た目のものが出てきました。店員さんは中国系っぽい方でした。
どのあたりが想作新中華なのかは全くわかりませんでしたが、シンプルに美味しかったです…。
※追記
アニメ2話で中華料理屋さんが登場しました。
建物の形や内装は違いましたが、建物についてる看板がもろに…
金華橋
中華料理屋さんの帰りに、近所にあった金華橋にも寄ってみました。
原作5巻で、樽見がしまむらを絵のモデルにするために呼び出した河原です。が、暗くてよく見えませんでした(それはそう)
ここに限らず、この近辺は街灯もまばらな場所が多く、こういうところからも安達としまむらの舞台の郊外感を感じることができたのが印象的です。
<岐阜を巡るにあたってのアドバイス>
私はペーパードライバーなので車を使う選択肢がとれなかったのですが、岐阜では市公式(?)のレンタサイクルが利用できます。
疲れるし遅いもののどこでも返却できて安い普通自転車(ママチャリ)と、楽だけど借りた場所でしか返却できないスポーツサイクル・電動自転車の選択肢があります。
自分は宿(長良川温泉)近くのポートに返却したかったのでママチャリにしましたのですが、30km以上の移動が必要だった今回においては、なかなか馬鹿にならないタイムロスが生じた気がします…。
公共交通機関+徒歩でもおそらく厳しいかと思いますので、1日で回りたい場合はスポーツor電動自転車を駅前で借りるのがオススメです。
ちなみに、岐阜までの交通については、前述の通り名古屋から電車で20分程度の距離なので、ほぼ名古屋と同じ感覚で行けるかと思います。もうちょっと遠いイメージがありました…
<その他の舞台>
今回は巡れませんでしたが、アニメ放送後に発見した舞台をメモしておきます。
アニメ10話でしまむらと樽見が行ったお好み焼屋さんは、外観からいって 鉄板厨房天てん 北方店 さんがモデルかと思われます。
また、モレラ岐阜の内部はGoogleストリートビューで確認することができます。
この記事で触れられなかった場所についても、かなりアニメの再現度が高いことが確認できます。
<おわりに>
安達としまむらの舞台を巡りに岐阜まではるばる行こうと思ったのは、作品自体の魅力はさることながら、舞台描写の詳細さによるものも大きいです。
今回実際に舞台を歩いてみて、文章やイラストで具体的に描写されている通りの光景が目の前に広がるのを見て何度も驚かされました。そして、彼女たちのやりとりから滲み出ている、ゆっくりとした流れの街の空気にも触れられたのも印象的でした。
確かに、この岐阜という街に安達としまむらたちは生きているのだなぁと、すごく説得力を感じさせられる旅になりました。
どうやらアニメでは岐阜の他に、東京の田無も舞台背景として使用されているようですが、そちらも近いうちに行ってみようと思っています。
安達としまむらが生きている世界に興味がある方は、是非岐阜を歩いてみてください。
[余談]
・岐阜駅前レンタサイクルポートの閉店時刻が19時なので、そこからかなりの地域で日帰りできるかとは思いますが、舞台(想作新中華料理屋さんなど)の近所に長良川温泉があるので1泊するのもオススメです。
一日中ママチャリで爆走した後の温泉は、身に沁みました…
・アニメPVで安達としまむらの通う学校が描写されていますが、体育館の外観をたよりに探した限り、モレラ岐阜付近の生活圏内にある学校がモデルになっているようです。
少し頑張ればわかってしまうことではあるのでアレなのですが、現在も通っている生徒さんがいる学校でご迷惑になるかもなので、この記事には載せていません。
・この翌日は岐阜県郡上八幡で『バンめし♪』の、そのまた翌日は石川県白山市で『ガールズ ラジオ デイズ』(チーム徳光)の舞台を巡ってきました。もしご興味のある方がいましたら、こちらの記事も合わせてご覧ください…