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卒業

「もう戻らない。」
「今までありがとう。」
そう伝えたあの夜から1週間が経った。

季節は冬から春へ変わり始めているのに、肌寒い夜。あなたの身も心もボロボロにしてしまった。

価値観の違い。
その一言はなんて都合のいい言葉なんだろうと伝えた自分自身がそう思う。

僕のために泣いてくれてありがとう。自分を守るための涙で僕のためではないのかも知れないけど。

性格の不一致から始まった恋。
素敵な輝いていた目を持つあなたに僕は虜になり、僕のものとなった。
七夕の夜。自分達は織姫と彦星なのかと錯覚した。

しかし、織姫と彦星の様には続かなかった。一年に一回しか会えない彼女達とは違って、毎日の様に会えたのに…

お互いを知っていくにつれ、不満も溜まり、怒りが増え、喧嘩が増えた。

「どうして分かってくれないの」と言う彼女。「どうして分かってもらえないの」と思う彼氏。答えは明白だった。

性格の不一致。価値観の違い。交わるはずのない2人が交わった結果だった。

これが最後だと何回も自分に言い聞かせる。

なんでだろう…顔を見ると愛おしく感じる。

自分自身も沼にはまっていた。
嫌な事はなくなってないのに、好きが嫌いを上回る。

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これを書いている今日は春の匂いがした。
懐かしい学生時代の卒業そして、入学の匂い。

僕からの卒業おめでとう。
新しい未来への入学おめでとう。

卒業したとしても、過去の事は振り返って、懐かしく感じてもいいよね。
思い出は美化されるし。

僕はもう少しだけあなたから留年したいと思います。
でも、戻りたいという気持ちはありません。

変な事言っているかも知れないけど、思い出に浸らせてください。
まるで、卒業した校舎を見て回るように。
卒業した校舎を見ている時は、この学校にまた新しく入り直そうなんて思わないでしょ。

幸せになって欲しい。
それが僕の願いです。新しい環境で新しい人と出会い。泣き笑いそして…

薄っぺらいかもしれないけど、それが僕の願いです。あなたを愛した僕の願いです。

あなたが望むような彼氏ではなかった。それだけの話。

あなたの幸せを願って世界の片隅で小さく生きます。
だから、あなたは大きな世界で生きて欲しいです。大きな世界で生きれば、世界の片隅なんて見る余裕もないと思うから。

さようなら。そして、ありがとう。

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