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9月5日 スーパーカブで北海道旅行 3日目 小樽観光
今日はスタンプラリーの残りを消化してコンプリートを狙いつつ、午後からスーパーカブで移動もしていきます。
小樽温泉オスパの仮眠室にて、7時半頃起床。窓にカーテンなどはかかっていないので、普通に朝日が差し込んできて目覚めた。私は宿泊組の中ではかなり起床が遅いほうだったらしく、ライダーとおぼしき宿泊者たちはもう既に大半が出払った後だった。適当に荷物をまとめて出発。
小樽温泉オスパには、セイコーマートが近くにある(というか建物同士がくっついている)。その辺も利用者には嬉しいポイントだ。
ちなみにオスパの中からセコマに行って買い物をすることはできないので注意が必要だ。
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昨日のガラナに続いてこれまた北海道でよく売られているソフトカツゲンだ。本当はもっと小さいサイズのが欲しかったが、品切れでデカいやつしかなかった。
仕方なく駐車場で飲み始めたが、飲んでも飲んでも無くならない。どんだけ入ってるんだと思ったら500mLと書いてある。並のペットボトル1本分だ。なくならないわけである。味はヤクルトを少し薄めて甘くしたような感じだった。美味い…美味いけど多い…。
頑張って飲み干して、小樽駅へ向かった。昨日目星をつけておいた駅前駐輪場に原付を停め、三角市場へ向かう。昨日諦めた滝波食堂の海鮮丼が目当てだ。
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しかし滝波食堂は既に観光客でごった返しており、後のスケジュールも考えて海鮮丼は諦めることに。海鮮丼を入れるためにせっかく朝飯を軽くしたのに…
朝からガッツリ海鮮丼を食べようと考える猛者は私以外にもたくさんいたようだ。あとGoogleマップでは8時開店と書いてあるけど、混み具合からみてこれは7時くらいから開いているのではないだろうか。
仕方ないので、滝波食堂のスタンプだけ回収してついでにお土産の鮭とばを買って市場をあとにした。ちなみに、市場が狭いので通路にはスタンプ台が設置されていないようだ。店員さんに声をかけると店の中まで案内され、スタンプを押させてもらえる。ランチタイムはもう三角市場に入れないくらい混むので、のんびり歩きたいなら朝の8時より前を狙っていくのがオススメだ。
9時頃に、小樽文学館に到着。ここは昨日(月曜日)は定休日だったので来れなかった場所だ。スタンプは無料スペースに置いてあるという。
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どうやらここは小樽の文化にまつわる展示がしてある施設らしい。開館直後ということもあり中はそれほど人がおらず、2階に上がると千冬ちゃんのパネルはすぐに見つかった。
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文学館、という施設に馴染みがなかったので「図書館のようなものかな…?」と思っていたが、少し違うらしい。スタンプを押したらすぐ帰ろうかと思っていたが、想像以上に居心地がいいので少し見て回ることにした。
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文学館の入り口に、ライオンズの詩が飾ってあった。特にライオンズの会員というわけではないけれど、この詩には心惹かれるものがあったので写真を撮った。空を「蒼穹」と表すの、とてもいい表現だな…
文学館の中はフロアが別れており、無料フロアと有料フロアがある。せっかくなので有料フロアの方も少し見に行った。
特に良かったのは「伊藤整」の通学列車の展示だ。伊藤整は、学生時代に塩谷から小樽まで、列車で通っていたらしい。当時の列車の座席に座りながら、古いブラウン管テレビに流れる塩谷から小樽までの車窓風景を眺めることができる。
この映像は、比較的近代に撮られたものらしくカラーで楽しむことができるが、車窓映像に一般の人がごく普通に映り込んでいる。彼らの日常生活もまたこの列車とともにあったのだ。昭和と平成が混ざりあったような不思議な車窓映像を眺めていると、ノスタルジックな気分になってくる。
また、こんな展示もあった。石川啄木は、かつて小樽を去る時に「子を負ひて 雪の吹き入る停車場に われ見送りし 妻の眉かな」という詩を残した。この詩は小樽駅前に今も石碑が残されている。明治41年1月の、小樽駅がまだ中央小樽駅と呼ばれていた頃のことだった。家族を置いて住処を去らねばならない寂しさと、無情にも降り続く雪が印象的な詩だ。
この瞬間を切り取ったジオラマが、ひっそりと展示されていた。ボタンを押すと、ガラスの中の列車模型が動くらしい。試しに押してみると、カシャンカシャンとモーターの音がしてミニチュアの列車が動き出した。しかし、想像していたような侘しさはない。何故だろうと不思議に思い少し考える。
そういえば、ジオラマの列車は加減速がなかった。ボタンを押せばすぐに加速し一定の速度で走り、離せばその時点でピタッと止まる。しかし、実際の列車はそのような無機質な動きはしない。運転士の操縦によりゆっくりと加速し、ブレーキをかければこれまたゆっくりと減速しやがて止まる。きっとそのゆったりとした動きに、文学的な詫び寂びが生まれるのだろう。そう私は結論付けた。
ちょっとしたジオラマから、ここまで思考を広げることができるとは思わなかった。無機質なジオラマはそれで味があるものだったし、かえって本物に思いを馳せられるような気さえした。自分の感性を磨くことができたような気がして、少し得意な気分になった。
そして、1時間ほどのんびり展示を眺めて文学館をあとにした。
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ちょうど人がいなかったのでまた手宮線の写真を撮った。この辺りは観光客が多いエリアなので、なかなかこういった写真を撮るのもタイミングが難しい。
これで小樽市街地でのスタンプは全て回収できたので、天狗山へ向かうことにする。一旦駅まで原付を取りに戻り、ナビを設定して出発した。
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天狗山のスタンプを回収するには、ロープウェイに乗るか徒歩で登山をしなければならない。今回は準備もしていないのでロープウェイを使ったが、登山をするのも面白そうだ。
ちなみに、ここのロープウェイ駐車場にたどり着くまでの坂がとてつもない急坂だった。スーパーカブのエンジンを限界まで回しながら頑張って登った。小樽は坂の街と言われるらしいが、その中でも間違いなくダントツの急坂だった。夏にこれだとすると、冬に雪が積もった時などは想像するだに恐ろしい。
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ロープウェイ乗り場の1階でチケットを買い、2回の乗り場に上がる。天狗山の山頂はちょっとしたアミューズメント施設のようになっていて、シマリスを観察できるエリアや神社、スライダーなどもあるらしい。私はシマリスがちょっと気になっている。
10分ほど待つと、すぐにロープウェイがやってきた。待ち客は私の他にも数人いたが、ロープウェイが高頻度で行き来しているようなので、余程の繁忙期でなければすし詰め状態にはならないだろう。
ゴンドラに乗る。少し大きめの観覧車と言った感じだ。動き始めてしばらくは山肌に沿って進んでいたが、だんだん景色が持ち上がっていき小樽の市街地や海が見えるようになってきた。
他の客が前に座っていたのでスマホで写真は撮らなかったが、なかなかいい景色だった。
山頂に着くと、すぐにお土産エリアがあった。花梨先輩の立ちパネルやスタンプもある。
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スタンプを押してから、お土産エリアを散策する。カフェも併設されており、山頂からの眺めを楽しみながらコーヒーを飲んだりできるようだ。
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ここのカフェで小樽潮風高校Projectのコラボメニューも注文できるらしい。せっかくなので「夏色花梨の夕映えソーダ」を注文した。
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ついでに缶バッジも購入した。テラス席はガラガラで、独り占め状態。最高だ。
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眼下に広がる小樽の景色を眺めながら、ゆっくりと飲み物を楽しんだ。ソーダの透明な部分は炭酸水で、紫色のシロップが夕焼けの空に広がる、完全に夜とはいえないが昼でもない紫紺色にゆっくりと溶けだしていく。絶妙な色合いだ。
オシャレなバーとかで出てくるカクテルみたいで、自分ひとりだけの夕焼けの世界に浸れる...気がする。
次の目的地は小樽商科大学...なのだが、現在は夏休み期間中で昼休みの時間帯しかスタンプが置いてあるエリアに入れないらしいので、天狗山で少し時間を潰していく。カフェを楽しんだあとは、ロープウェイ乗り場付近を散策することにした。
乗り場からすぐの所に、シマリス公園があった。無料で入れるらしい(シマリスのえさは有料)
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シマリスは図鑑でしかほとんど見た事がなかったので楽しみだ。本州の動物園でも展示されていることがあるが、たいていそういう所のシマリスは茂みに隠れていて餌の時間にならないと出てこないのでなかなか見ることができない。
入口近くには、あまりいないようだった。シマリスは想像以上に小さくて、最初は見つけるのに手間取ったが、だんだんどこにいるのか分かるようになってきた。目が慣れてくると、茂みの中をちょろちょろするシマリスを目で追えるようになってきた。
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近づくと逃げてしまうのでじっとしていると、やがて向こうから近づいてきた。頬袋から種を出してかじっているようだ。それにしても本当に小さい。私の握りこぶしより小さいかもしれない。
シマリスを驚かさないようにそっとドアを閉めてその場を後にした。
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昨日と今日、散々歩いた小樽の街並みが小さく見える。ここから見える夜景は、北海道三大夜景のひとつに数えられるらしい。今回の旅行では残念ながら夜景を見る機会に恵まれなかったが、いつか見てみたいものだ。
乗り場に戻るとちょうど帰りのロープウェイが来たようなので、それに乗って山を降りた。
そして、原付を走らせて小樽商科大学へやってきた。ここは小春六花たちが通う、小樽潮風高校のモデル地だ。今は夏休みのようだが普通に大学なので、近くのバス停で学生とおぼしき人たちが降りて次々と門を通って行くのが見えた。
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バイクの駐輪場は無いようだったので、スーパーカブは近場の邪魔にならなさそうな道路の隅に寄せて停めた。ここの坂は「地獄坂」と呼ばれるらしい。傾斜はかなりきついが、ここに来る前に天狗山の傾斜を経験していたのでそこと比べるとまだマシに思えた。
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スタンプを押せる大学生協は、入って左側の建物らしい。公式サイトの案内に従って建物の2階に上がろうとすると、大学の関係者らしき人に止められた。間違えて進入禁止のところに来てしまったのかと思い焦ったが、そうではなく2階で撮影をしているので今は入れない、らしい。
申し訳なさそうに「ちょっと待っててくださいね」と言われたので、邪魔にならないように外で待つことにした。少しすると、二階の窓が空いてさっきのおじさんが手を振っている。撮影が終わったのかと思い2階に上がると、学生たちが機材をどかして道を作ってくれていた。優しい学生たちの心遣いになんかすごく申し訳ないような気持ちになって、ササッとスタンプを押してすぐに大学生協を出た。
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隣で機材を調整している私と同じくらいの歳の学生たちに、チラチラ見られながらスタンプ帳をカバンから出し写真を撮ったりするのはぶっちゃけ恥ずかしかったが、推しのためなので我慢した。
スーパーカブのところまで戻り、エンジンをかけて出発する。上りはきつかった地獄坂だが、下りは爽快だ。並木を抜けて、小樽の市街地に出る。
次はにしん御殿(旧青山別邸)だ。小樽の中心街からは少し離れた位置にあるので、歩いていくとかなり遠い。この点、私には原付があるのでちょっとした距離の移動は楽だ。
手宮公園の脇を抜け、海沿いにせり出した短いトンネルが続く区間を走り抜ける。3つ目のトンネルを抜けたところで、小さな住宅街が見えてきた。看板を見ながら、駐車場にスーパーカブを止め、にしん御殿へ向かった。
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「御殿」って言われるくらいだしそれなりに豪華な家だろうとは思っていたが、これは凄い。ふんだんに金を注ぎ込まれた造りなのが素人目にも分かる。かつての北海道で、ニシンがどれだけの財を生み出したのか...この豪勢な御殿にその片鱗が伺える。
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ここの天井は本当にすごいので、小樽に来たなら是非一度は見てもらいたい光景だ。
御殿の博物館エリアは有料だが、例によってスタンプと立ちパネルは無料エリアにあるようだ。
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ここ、旧青山別邸は小樽潮風高校Projectにおいて夏色花梨の実家という設定だ。正装の花梨先輩は和服がとても似合っており、いつもよりお上品に見える。「家族の前では猫をかぶっている」という設定もあるから、ここにいる時は敬語で話しているのだろうか。色々と想像が膨らむ。
そろそろお昼時なので、ここの食堂エリアで昼食にすることにした。
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お蕎麦の出汁がきいていて美味かった。七味をかけて適度に味変しながら食べるのが楽しい。
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ここの食堂は、他と比べて特別価格が高いというわけではないのだが、高級感がある食器が多い。元々貴賓館にあった食器も使っているのだろうか...?さすがにそれはないか。
あと、食堂から中庭がとても綺麗に見える。隅々までこだわりが見える建物だ。きっとここまで計算されて設計されているんだろうな...。
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庭のコスモスが綺麗に咲いていて癒される。食事の後はお会計を済ませて、お土産コーナーを軽く見てから御殿をあとにした。
そして、御殿から数分走るとおたる水族館が見えてきた。ここのスタンプを押せば、今回のスタンプラリーは完全コンプリートだ。
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スタンプは水族館の入口にあるようだ。小春六花が私服で出迎えてくれた。かわいい。
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最後のスタンプを押す。
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これで14種すべてコンプリートだ。スタンプラリーを通して小樽のあちこちを歩き回ったので、自然と有名な観光地を巡る形になった。観光のお供にスタンプラリーをするっていうのはなかなか楽しかった。
感想としてはクリアファイルをもらうまでなら半日あれば十分、コンプリートを狙うならルートをしっかり計画した上で回れば、一日で周りきれる範囲だと感じた。時間があるのなら小樽に宿泊してゆっくり観光をしながら回るのがオススメだ。
これで、小樽でやりたかったことは大体やった。
せっかくなので水族館も見て回る。
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館内は少し古びているが、かなり広い。名古屋港水族館や大阪の海遊館のような一線級の水族館と比べたらさすがに小さいが、地方の水族館としては相当な広さだ。展示もかなり充実しており楽しめた。
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展示されていない。
こうして見て回ると、北海道ならではの魚が色々と展示されているのがわかる。生きた状態のアイナメなども見ることができた。アイナメは寒い海に多い魚なので、私が住んでいる中国地方の水族館にはほとんど展示されていない。
食用魚で市場に出回ることもある魚なので特段珍しいわけではないと思うのだが、やはり生息地からの長距離輸送にはそれなりのコストがかかるなどの理由で展示されていないのだろう。
屋外の海獣コーナーには、アザラシやトドが多くいた。海獣コーナーは一部が海と直接繋がっており、トドプールやアザラシプールには海藻がたくさん生えていたり外海からやってきたと思しき小魚が泳いでいた。トドの中には冬季に小樽のその辺の海からやってきて紛れ込んだ個体もいるようだ。自由だな〜...
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アザラシプールには海藻と同化した仙人みたいなアザラシもいた。
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館内がかなり広くて、見て回っていたらあっという間に時間が過ぎていった。まだ見ていないエリアもあるのだが、小樽から去る前にもう1箇所行きたいところがあるのだ。
駆け足で水族館を出て、スーパーカブを動かす。水族館の脇を通り抜けて、曲がりくねった坂道を登った先には展望台があった。
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ここからトド岩を見てみたかったのだ。あいにくの曇りだが、それでもかなり遠くの石狩の方まで望める。
これで、いったん小樽での旅はひと区切りつく。やり残したことも多いが、私には最北端の宗谷岬への到達という、優先するべき目標がある。
運河沿いの美しい景観は、私の心を魅了してやまなかった。西洋の街並みと、北国特有の清廉さ、それに一抹の寂しさを感じるいい街だった。
小樽の町を、展望台からいつまでも眺めていたかったが、雨が降ってきた。まるで急かされているみたいだ。後ろ髪を引かれながらもカッパを着て、展望台をあとにした。
海沿いをナビに従って走り、どんどん駆け抜けていく。やがて石狩平野にさしかかり、北海道らしいどこまでも広がる農地が目に飛び込んできた。
石狩平野は石狩川の河口や中流域に広がる、日本屈指の大平原だ。その面積は4000平方キロ近くもあるという(スケールが大きすぎてよくわからないけどとにかくでかいことは分かる)
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これが北海道、なのだ。私はこれから、この広い大地をひたすら旅する。どんな景色が待ち受けているのか、想像するだけでワクワクしてくる。
そうして走って、夕方6時頃に岩見沢へやってきた。本日はここ、北村中央公園のふれあいキャンプ場に泊まる。この旅初めてのテント泊だ。
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設営はすぐに終わった。ここのキャンプ場は、すぐ隣に温泉があるので暗くなる前に入りに行くことにした。
温泉はなかなかの広さで、価格の割には楽しめたと思う。温泉から上がった頃にはすっかり暗くなっていた。「なんか虫が多いな...」と思い、看板を見上げてみると、凄まじい数の羽虫が電灯に集まっていた。
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テントが心配になったが、しっかり戸締りはしてきたからテント内には侵入していないはずだ。そう信じて近くのセイコーマートに夜ご飯を買いに行った。
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案の定、セイコーマートの光におびき寄せられた羽虫が大量にガラスにまとわりついていた。客がドアを開ける度にそれなりの個体数が店内に侵入してきて、死骸がドア近くに積もるありさまだった。店員さんも嫌そうな顔をしているのですばやく夜ご飯を買い撤退。
テント周辺には虫はあまり集まってきていなかった。どうやら渓流に住むカゲロウのように、一斉に羽化するタイプの虫らしく、灯りにおびき寄せられている。要はタイミングが悪かったのだろう。それにしてもこの数はなかなか見ない。
テントの中で灯りをつけると、みるみるうちに虫がテントにまとわりついてきたので、テント内に侵入してこないように、ハッカ油をテントの入口やメッシュ部分に念入りにスプレーした。
ハッカ油のおかげで虫は寄ってこなくなったが、1時間くらいは目がスースーしてたまらなかった。どうやらスプレーしすぎたらしい。効果は覿面だがヒトにも効いてしまうのは考えものだ。とはいえ普通の虫除けでは効きそうにないしハッカ油を持っててよかった。
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夜ご飯はセイコーマートの親子丼。「美味い」と話には聞いていたがここまで美味いとは思わなかった。500円ちょいの値段なのに、専門店並みの美味さである。しっかりボリュームもあるので、これ1品でおなかいっぱいになるのも嬉しいポイントだ。
親子丼を平らげた後は、ぼちぼち歯を磨いて寝ることにした。12時頃就寝。
本日の記録
小樽温泉オスパから北村中央公園キャンプ場まで
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