9月1日 実家〜播州赤穂、姫路観光
サムネイル画像はお昼に食べた姫路名物のえきそば。美味しかった。
播州赤穂まで早朝に静岡県にある実家を出て、在来線のみで7時間ほどかけて来た。
電車での長距離移動はわりと慣れているのでそこまで疲れはない。まず病院に松葉杖を返しに行き、その後にバイクショップに行った。
店員さん達に感謝を伝え、バームクーヘン等を渡して少し話した。
しばらくすると私のスーパーカブが店長に押されてやって来た。
久しぶりに見る愛車は、少し白っぽく煤けていた。2週間も置いておけば、埃も積もるだろう。ひん曲がったカゴもあの日のままだ。
少しそれを眺めてからゆっくりと跨り、エンジンをかけてギアを入れる。ニュートラルから1速へ。アクセルを回すと、カブは「ヴィィイイイ…」と音を立てて進んだ。
良かった。乗れる状態まで直してくれたことは聞いていたが、思ったよりも元気そうだ。
久しぶりの運転は、最初はおっかなびっくりだったが段々と身体が以前の動きを思い出して、ぐんぐん走らせることができるようになった。
その後、国道250号線を通り、姫路まで移動した。国道2号線を避けての選択だったが、どうやら当たりだったようで海沿いの非常にいい景色を眺めながら走れた。
視界いっぱいに広がる瀬戸内海と、青空と、均等に並ぶ牡蠣筏。風が気持ちいい。バイクに乗るってこんなに楽しいんだ。
夢中で走っていたら、あっという間に姫路に着いてしまった。正直もっと走っていたかったが、無理は禁物だ。そう自分に言い聞かせ、ひとまずは姫路城を見に行くことにした。今夜は姫路のどこかの快活CLUBに泊まるつもりだ。
それまでも姫路城の近くを走ったことはあったが、天守閣が見えたことは無かった。不思議に思っていたが、それがどうしてなのか今分かった。姫路城の敷地が広過ぎるのだ。
私の中での比較対象が福山城や浜松城などの、そこまで大きくない城だったこともあるかもしれない。それにしても、とにかく広かった。
地下駐車場(500円、ちょっと高い)に原付を止めて城下を散策することにした。
城の向かいにある広場に、屋台がたくさん並んでいた。「夏祭り…?でもそれにしちゃちょっと時期が遅いよな」と思いスマホで調べると、やはり夏祭りらしい。
私は夏祭りが大好きで、こういった屋台や夜店があるとどうしても覗いてみたくなる。
昔両親に夜店に連れて行ってもらった時に、普段はあまり甘やかしてくれない父親が珍しく金魚すくいやヨーヨーすくいをやらせてくれたり、じゃがバターやりんご飴を買ってくれた記憶が蘇ってきた。
思うに、夜店のりんご飴などが高額なのは「祭りの雰囲気」を買っているのだ。あまり散財をしない父が祭りの時だけ買ってくれたのは「祭りの雰囲気にはそれだけの価値があるのだ」と暗に伝えてくれていたからかもしれない。
今日の朝まで居た実家を想う。北海道に行くとか言って3日目に突然怪我して転がり込んできた息子を、よく看病してくれたものだ。両親の懐の深さには頭が上がらない。
他にも、妹とスーパーボールを何個すくえるか競争したり、祭りに来たことがなかった親戚の、少し年下の子供たちを案内してまわったことだったり、たくさんの楽しい思い出がある。だから私は夜店や屋台が並ぶ祭りが好きなのだ。
あの頃に戻りたい、と少しは思うが、戻らないからこそ輝く記憶もあると理解しているつもりだ。
屋台の群れをぬけて、交差点を渡ると姫路城がいよいよ大きく見えてきた。
近くで見ると、本当に圧倒される。「白鷺城」と言われているくらいだし上品な城なのだろうと思っていたが、実際は上品さに加えて外敵を通さぬ堅牢さ、城主の権力の強大さがひしひしと伝わってくる。ような気がする。
あまりにも大きいので、今日見学するのはもったいない様な気がした。また姫路には来るつもりなので、城内の見学はその時の楽しみに取っておくことにした。
再び夜店のエリアに戻ってきた。牛串のいい香りが漂ってきて、お腹が鳴った。無駄遣いはしない(できない)と決めているが欲望に抗えず、牛串を1本買った。もちろん塩味だ。
写真がなくて申し訳ないが、ものすごく美味かった。自分の胃が喜んでいるのを感じた。
反面、私の財布は悲しんでいた。値段がどこにも書かれていないのを見て嫌な予感がしたが、案の定1000円渡して戻ってきたのは200円だった。牛串1本に800円である。
うーむ…しかし、うむ…
さっき夜店の雰囲気云々の話を長々と書いたのはこの罪悪感を少しでも薄めるためである。
食べちゃったものはしょうがないので、早めに忘れるに限る。いい感じに時間を潰せたので次は近くの銭湯に入りに行くことにした。
憩いの湯という場所が良さそうだったので、ここにした。490円(兵庫県の銭湯の最低価格)。
地元の銭湯という感じだが、排他的な雰囲気はなく、アットホームな場所だった。適度に清潔で、適度に人がまばらで、人がいいおかみさんや大将がいるなどいろいろといい所があり、個人的に非常に居心地のいい銭湯だった。
風呂で汗を流すと気持ちいい。着替えの兼ね合いで今日着た服を湯上がりにもう一度着なければならないのはちょっと不快だったが、しばらくしたら慣れた。これはどうしても慣れない人が居るのもわかる新体験の気持ち悪さだった。
風呂上がりに夕暮れの商店街をぶらぶらと歩く。
アーケードは姫路城から駅前まで続いており、駅に近くなるほどカラオケ屋やゲームセンターなどが増えて賑やかになる。城側も寂れているというわけではなく、若者向けのアイスクリームクレープのお店などが並び、歩いているだけで楽しい商店街だった。
横断歩道の前で立ち止まり、人が溜まっていく。信号が青になると、それが一斉に歩き出してすれ違っていくさまは東京のスクランブル交差点を彷彿とさせる。
帰りにスーパーに寄って少し買い物をした。商店街の一部になっているのが良い。
商店街を抜けて姫路城前に帰ってくると、ライトアップされた姫路城と屋台が待ち構えていた。最高だ。雰囲気だけでも楽しい。
まばらだった人も増えて、更に賑やかになった通りをぐるっと歩いて浮ついた雰囲気を堪能した後、8時になりそうなので快活CLUBに移動した。
快活CLUBが姫路城から近くて助かった。部屋もそこそこ空いているようだ。
荷物の片付けをして、プロテクターを脱いで、歯を磨いて早めに寝た。なかなか寝付けなかったが、10時くらいには寝れた...と思う。翌日の記事にも書くが、あまりしっかりとした睡眠は取れなかった。
この記事はたまたまコメダでゆっくりまとめることができましたが、今後落ち着いてまとめる時間はもしかするとあまり無いかもしれません。
記事のクオリティを落とすつもりはありませんが、写真の数が減ったり投稿がしばらく滞るかもしれません。そうした場合にも、暖かい目で見て欲しいなと思っています。このシリーズは1日毎に区切って完結させるつもりでいます。
みなさんのいいねやコメントは本当に励みになっています。特に足が痛くて動けない時に、「頑張ろう」という気持ちになれたのは応援してくださるみなさんのお陰です。ここまで読んでくださってありがとうございました。
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