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ロボットのよう

最近、衛宮士郎が気になります。というか、自分に重ねてしまいます。

衛宮士郎とは、PCゲームfate/stay nightに登場するキャラクターで、どんな願いも叶える願望器を奪い合う聖杯戦争に巻き込まれる魔術師見習いの少年です。
彼は幼少期に大火災から1人生き残ったため、自分は人のために生きなければならないと思っています。さらに養父の影響から正義の味方になりたいと思っています。

彼は自分がどれだけ怪我をして痛みがあろうとも戦いから逃げないし、自身の生死を顧みず人を助けようとします。彼にとって自身の痛みや命は勘定に入っておらず、ただ人を救うことが自分の使命だと思っているわけです。

人間のふりをしたロボットと言われている衛宮士郎ですが、まさしく僕にもロボットのような時期がありました。
プログラムしたことをひたすら実行するモノでした。まあ何も考えたり感じたりしてなかったわけではないんですが、実際に行動に移すのはプログラムしたもののみ、というかんじでした。

けど大学生になるあたりで限界というか行き詰まりを感じました。
自分のモチベーション、とか目標、努力、みたいな、意思が絡むことを言われると僕は今ひとつピンとこないし嫌悪感すら感じている状況だけど、みんなはそういう概念に納得して行動してるのがちょっと謎でした。
それで良くも悪くも色々考え直しまして、今までの経験からも絶対これはやるぞ、という強い決意を持ってやったときは良い結果につながったり何か成長したことが多かったなと思い返したり、興味関心のままにやったほうが結果的に満足度が高いという意味では上手くいくのでは?とか思うようになったりしました。
なんか今までの自分がロボットみたいだで、思考パターン・行動パターンが一定であることに嫌悪感を感じたり、もっと頭を柔軟に使ったほうが解決できることも増えるのでは?と思ったり、シンプルに医師としてどうなん?と思ったりしていたところでもありました。

そういった理由からマイルールを辞めて興味関心を大事にして柔軟に頭を使おう、と決めました。結果、人間臭い思考パターンは手に入れた計画性と自己管理能力が低いロボットが爆誕しました。

つまり結局、新しいプログラムを走らせるようになっただけで本質的には変わっていなかったわけですね。

この経緯から、衛宮士郎ファンのみなさんのお叱りを恐れずに言うならばHeaven's Feelの衛宮士郎に通ずるものがあるかなと思いました。
fate/stay nightは途中でルート分岐があり、①セイバールート(Fateルート)、②遠坂凛ルート(Unlimited Blade Works)、③間桐桜ルート(Heaven's Feel)の3つに分岐します。

Fateルートは同じ信念を持つ者と出会い自分の理想をきれいなものとして認める物語、UBWは正義の味方という信念の矛盾を自覚しながらも進むことを決意する物語、Heaven's Feelは大勢を救う正義の味方になるという理想を捨て桜を守るたった一人の正義の味方になる物語です。

ここは考察が分かれるところだと思いますが、僕はこのときの士郎は万人を救うという途方もない理想を捨てプログラムではなく感情で動く人間になったのではなく、途方もない理想は捨てて桜を守るというプログラム通りに動くようになったということなのではないのかなあと思います。

ちなみに、こちらの方の記事を参考にしました。

 けど今の僕にはもう衛宮士郎のようなロボットじみた執念や規則性はないので、気持ちはわかるけど完全に別物であるような気がします。

 けれどロボットも人間が作り出したものであり、元々人間がやっていたことや、やりたいけどできなかったことをかわりにやらせるために生まれたわけです。

 そう考えると、ロボットのような人間がいることは不思議ではないし、悪いことではないのかもしれないですね。

 Heaven's Feelの衛宮士郎のその後は描かれていませんが、桜と二人で困難を乗り越えていっていることを願います。

 僕も自分自身を認めて生きていけたらいいなと思います。


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