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20221019 GLAY URFAツアー 市川市民文化会館

2002年9月に発売されたこのアルバムを、私は当時ワーホリで滞在していた‘新しいおじいちゃんの島’じゃなくて(笑)New Zealandで聴いていた。真夏の空の下で。

日本とは真逆の季節の中で、繰り返し繰り返し聴いていた。当時24歳だった。就職もせずに、フリーターとして将来を模索していた。ほんの半年間の滞在だったけど、それなりに自分と向き合う時間だった。初めて親元を離れたのが、遠い外国だったのはおかしな行動ではあったけど、あの時に私は決心したのだから、そうか、とりあえずでもいいから、上京してみよう!と。

NZのカラリとした夏空の下で聴いた『UNITY ROOTS & FAMILY, AWAY』は荘厳で、壮大で、けれど爽やかな風さえも吹くような、心地の良いアルバムだった。その年、アルバムツアーは開催されなかったこと、もし開催されていたとしても当時は日本にいなかったから参加はできなかったのだろうけど、ずっとずっと、いつか生のライブで聴けたらいいなぁと夢見た曲たち…その夢がついに叶ってしまった!

座ってじっくりと聴けるスタイルで、音も良いホールで、しかもかなりの前列の座席だったのもあり、もう始まる前からじわじわと感動と緊張に包まれていた。

そしてライブが終わる頃には、もう、なんというか、上質なクラシカルなコンサートを見たかのような、深いため息が出てしまうような、温かい感動に包まれていた。


このアルバム製作時のGLAYメンバーの年齢は30〜31歳。若い。リーダーTAKUROさんの強い意志の元、当時のGLAYの得意とする音楽スタイルをあえて封印して、楽曲製作に取り組んだと言う。アレンジもそれまでにはなかったような壮大なものが多く、それはオープニング曲での荘厳なゴスペルクワイヤなどが特に顕著で、この曲だけでも確かにライブでの再現はかなり難しいと思えた。

それでも、いわゆるシングル曲や、いくつかのバラード曲はこれまでのライブでもやってはいる。けど、やってこなかった曲もあったわけで。その中でもずっとずっと聴きたかった曲、それが「friend of mine」だった。

実はこの曲が、ライブで聴けてたかもしれないチャンスが一度あった。コロナ禍初期に中止になってしまった25周年記念のドームツアーのセットリストに組み込まれていたのだ!どうしてそれを知ったかと言うと、そのライブ開催予定だった当日に、予定していた曲のセットリストを過去のライブ映像で繋いだプレイリストにして、YouTubeで配信してくれたからだ。そこで、過去一度もライブでやっていないので、唯一ライブ映像ではなかった曲がこの「friend of mine」で、配信でかかった時には、ええええええええええええええ!?!?驚きと、本当だったらライブで聴けてたかもしれないのに!コロナのばかぁあああ!という気持ち、生で聴きたかったよぉおおおおお!というもうパニック状態でお夕飯の用意をしてたよね。

そんなこんなでもうずっと生では聴けないのかもしれないと思っていた曲が、曲たちが、とうとう生で聴けるという現実!チケットが取れて、本当に嬉しくて!前日に判明した座席がまた、前列9列目!ということでさらに興奮で高まって!

アルバムの曲順どおりの13曲、プラス本編ラストは最新曲の「Only One, Only You」という、もう完璧な流れがあって、ずっと感動しっぱなしだった。豪華なストリングス隊、女性コーラスの2人、そして音楽専門学校の生徒さんたちによる素晴らしいコーラスワーク!あれはもうね、ただウタゴエだけじゃなく、そこにいる彼らの魂そのものの叫びであったり、キラキラと輝く生命のほとばしりというか、一人一人の表情を見ながらしっかりと受け止めた。

最初に彼らをステージに呼び込んだ時のTERUさんの、「みんな、楽しんでね!」というその言葉にも、とても感動した。そして本当にみんな楽しそうに声を重ねていたなぁ。彼らは年齢的に19〜20歳くらいで、つまり自分達が生まれたくらいの時にリリースされたアルバムの曲を歌っているわけで・・・なんかもう、それもすごいことなんじゃないか。

「夏の彼方へ」でのTAKUROさんのウタゴエも素敵だったなぁ。「彼らのHOLY X‘MAS」の意外すぎるアレンジとか。TERUさんのウタゴエがもう本当に本当に、素晴らしく伸びやかで、色鮮やかで、憂いも、悲しみも、喜びも、全てを包み込むように、暖かくて。聴いているだけで心から満たされてく。

アンコールでは、新たなアレンジでの「Freeze My Love」がまたカッコ良すぎて!ラストの「beautiful dreamer」でまさかまさかの歌詞飛ばし!投げキッス飛ばず!でずっこけたけど、「ごめ〜〜〜〜ん!」が可愛すぎたのでもう許しますぅ!カッコイイと可愛いが渋滞気味の51歳!尊い。

今回、まだコロナ禍ということで、観客はマスクで大声は出せないという環境でのライブだったけれど、それが苦にならない、むしろ心地よくライブを堪能できる内容だった。TAKUROさんが、声が出せないなら、そもそも出さなくても楽しめるような内容のライブをやればいいと割と前々から話してた、その通りのものだった。そうやって、どんな苦境もポジティブなものの見方に変換して乗り越えていく、それも軽やかに。そんなGLAYがやっぱり好きだ。

それでも、次こそは、来年こそは、思いっきりキャーって言いたいし、一緒に歌いたい歌もあるし、メンバーの名前を叫びまくりたい!本来のライブの形になって、また再び会いましょう。

ツアー最終公演の浜松でのライブは収録されていて、来月プレミアムモルツとのコラボキャンペーンによるプレミアムライブとして配信されます。もう一度あの感動をお家で見れるなんてね。これはコロナがあったからこそ生まれたカタチ。だから結局、音楽はエンタメは、コロナに勝ち続けるのだ!

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