初めに、未来があった。(エリー)
その世界は、初めに、未来があった。
そして、その未来に向かって、時が進んでいく。 ただ、その未来は、儚くて、微細で、その命を守るためには、私たちは注意深く、そして繊細で いる必要があった。
大学3年生のエリーは、ある映像を受け取った。 川のほとりにある高層ビル。そのビルには、たくさんの画面が並んでいた。 画面いっぱいに数字が表示され、その数字が忙しく動いている。
3年後、エリーはその映像の中にいた。 生まれ育った和歌山を離れ、東京の証券会社のトレー