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神藤タオル株式会社は、創業115周年を迎えることができました。

明治20年、大阪・泉州の地で初めて国産のタオルづくりが始まり、泉州タオルが誕生しました。そして、神藤タオル株式会社の創業は明治40年、2022年の夏に115周年を迎えることとなりました。地場産業である泉州タオルの歴史ともに並走し続けたことになります。

私が大学を卒業する間際に、先代である祖父から誘いを受けて家業に就くことを決めました。父は継がずに大手金融企業に務めていたということもあり、私は東京で生まれ育ち、中学2年生から父の転勤にともないイギリス、高校1年生の夏から大学卒業までを再び東京で過ごしました。なので、地場産業である泉州タオルはもとより、タオルづくりに関してさえも、ほとんど何の知識も体験も持たないまま、業界に飛び込んできた新参者の22歳。右も左もわからないまま、とにかく、祖父をはじめ、ベテランの職人やスタッフの人たちの仕事を、ただただ観察して、真似て、行動する。そんな毎日が続きました。

いまから思い返すと、それこそが神藤タオルのスタイル。誰かが懇切丁寧に指導することも、特別なルールやマニュアルがあるわけでもない。行動の結果、何か疑問や課題が見つかれば、その度に話し合い、知恵を出し合って乗り越えていく。100年以上にわたって積み重ねた経験と技術に裏打ちされた、ものづくりに対する誇りと柔軟な発想力、それを互いが信頼することでつながり、全員で神藤タオルを支えています。


115年の歴史を遡っていくことで、
新しいものづくりの可能性を再発見する。

私が28歳の時、先代である祖父の他界にともない、当時父はまだ他の仕事を続けていたこともあって、私が代表を引き継ぐことになりました。入社するまで泉佐野で暮らしたことがなかったので、自社をはじめ、泉州タオルの歴史や成り立ち、さらには、泉州地域の文化や営みについての知識も浅い。115年のうち、私が体感できたのは、22歳の入社から36歳の現在に至るまでの、わずか14年間。では、私が断片的にしか触れたことがなかった約100年の間に、いったい、どのような変遷があり、どのような出来事を経て歴史を紡いできたのか。それを深く知っておくべきではないかと感じるようになりました。過去を知ることによって、今を見つめ直してみる。そのようなアプローチから、新しいものづくりの可能性を再発見していくことができればと考えています。


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