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命の泉と一人ぼっちのお爺さん(Miyuki)

ある村に病気のお母さんと二人だけで住む ラナという女の子がいました。

ラナはお母さんが心配です。でも薬を買うお金もありません。

ラナは村のお爺さんが言っていたことを思い出しました。

「あの山の麓にある泉は病気を治す。」

ラナは泉に出かけます。

その泉は深い森の奥にありました。

歩けど歩けど見当たりません。

ラナは大きな樹の股で休憩しました。

疲れていたのか、知らぬ間にラナは眠っていしまいました。

目を覚ますと、知らないお家にいました。

「起きたのか。で なぜこんな森深くまで来たのだ。魔物もいるのに。」

声のする方を見ると、そこにはローブを被ったお爺さんがいました。

「私はラナ。お母さんのが病気だから泉の水をもらいに来たの。」

「クスリがあるじゃろう。」

「うち 魔物に襲われてお父さんいないから、お金が無いの だから・・・。」

「そうか、わかった。」

「お爺さんはどうしてここに一人でいるの。怖くないの。」

「わしか。わしはここにしか居場所がないんじゃ。それに一人ではないわ。」

家の外には銀色の鱗を持つ竜が眠っていた。

「わぁ、大きくってキレイな竜さん。」

「キレイか、たしかにの。」

「ラナはこれから泉に行くつもりなのかい。」

「ウン、お母さんが待ってるから。」

「ならここで暫く待っておれ。泉には強い魔物がおるからな。」

そういうとお爺さんは、竜さんを残し森の奥に消えていた。

夕方ごろにお爺さんは帰ってきました。

「ほれ、ラナ 泉の水じゃ。」

「ありがとう、お爺さん。」

お爺さんの方に目やると、お爺さんは傷だらけ。

「たいへん、このお水使って!!」

大きな手がそれを遮ります。

「その水は、お前のお母さんのモノじゃ。」

そういうとお爺さんはラナを竜の背中に乗せ、村の近くまで運びました。

「ありがとうお爺さん、今度 お母さんが元気になったらまた行くね。」

「あぁ、待っているよ。あとこれを持っていきなさい。」

お爺さんは布で包まれたものを、ラナに渡します。

急いでお家に帰ったラナ。

お母さんに泉の水を飲ませます。

すると淡い光がお母さんを包み、みるみる元気になります。

ラナは森でお爺さんに出会い、泉の水と布で包まれたものをもらったことを話しました。

「ラナ ありがとう。でも もうこんなことしないでね。」

包まれたものを開けてみると、お爺さんの走り書きと銀の龍の鱗が3枚あった。

[ラナよ、これを売りなさい。お母さんと仲良くな。]

と書かれていました。竜の鱗はラナが大人になるまで困らないほど高く売れました。

その後 元気になったお母さんとお爺さんの家に向かいました。

家には誰もいませんでした。ラナは泣いてしまいました。

「お爺さん、ありがとう。また ぜったい 会いましょう。」とお空に向かって叫びました。



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