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パニック

今日は日曜日、当然の様に充希ちゃんがいる。昨日からお泊りで。

 朝から今日は新宿のドコドコに行って、何を買って何を食べてと計画を立てていた。

 まず地下鉄で新宿まで出る。あまりに人が多いので美由紀ちゃんは、充希ちゃんの手を握り「はぐれないように、手繋いでいこう。」と言ってかおをみる。知らないお婆さんの手をしっかり握っていた。

 後ろから充希ちゃんが「おねいちゃん!! 何してるの。」と慌てて美由紀ちゃんの手を取り、足早にそこから逃げ出した。

 フルーツパーラー高野で季節限定パフェを食べるため、列に並ぶ美由紀ちゃん達。美由紀ちゃんが幼く見えた後ろの老夫婦。

「偉いわね、妹さんの面倒?  あなた、中学生?」

「あっ、わたし19才で大学生です。」

「あら、ごめんなさい。あまりに可愛かったから、中学くらいかなと思ってしまって。」

「かわいい」というワードに浮かれている美由紀ちゃん、でもそれ誉め言葉じゃないですけどね。それに面倒を見ているのは充希ちゃん。

その後も服を買いに行って「充希ちゃんこの服なんてどう!!」と大きな声でマネキンに話しかけていたそうだ。

外は異常に熱いし、人も多かったので彼女たちは早めに家に帰ってきた。

「お帰り、早かったね。」

「つかれた~。」と充希ちゃん。その後ろに落ち込んでいる美由紀ちゃん。

「美由紀ちゃん、落ち込む必要はないよ。君がいつも一生懸命だというのは、私が一番わかっているから。」

 落ち込んでいた顔に光が戻った。急に恥ずかしくなったのか、慌てて部屋に戻ろうとしドアに激突。 自動ドアじゃないから。

 小さな天災は大きな天災の前では、普通になると言うことが判った1日でした。


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