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美由紀ちゃんが帰ってきた

 美由紀ちゃんは今週の月曜日から5日間家に帰っていた。帰ったというより帰したが正解。彼女は自分の家族と仲が良くない。だから高校の頃から「早く家を出たい。」といつも言っていた。

 「嫌なものから逃げるのは簡単だけど、いつも自分にとっていい風が吹く場所とは限らないよ。克服するチャンスだよ。」

 「それに 今まで私の傍にいて学んだこと、実践してごらん。」

 彼女は渋々家に帰った。

メールもLINEも帰ってくるまでブロックした。

13時半に 予定より2時間早く帰ってきた。

「なつめさん(*>∀<*)ノただぃま★」大きな声が玄関から聞こえる。

「お疲れ様。どうだった。」

「お父さんが「お前大人になったな。」って。」

「ママもちょっと見ない間に、「いい大人になって来たね。」っていてくれました。」

 気を遣っていたのであろうか、ちょっとやつれたような感じがする。

 部屋に荷物を置くと直ぐ、ネコ様達にご挨拶。

「つきママさん、只今戻りました。レン君 なっちゃん みこちゃんもただいま。」みこ姫は美由紀ちゃんのお膝にチョコンと座り、手を舐めている。つきママはいつもの様に横目で一瞥、黒ちゃん達は彼女の足にスリスリ。

 なんだかんだ、みんな彼女のことを待っていたようだ。

「今回のことで、私 はっきり判りました。ここが私の家だってことが。だからなつめさんが「出ていけ!」て言うまで此処にいます。」

薄っすらと涙ぐんでいる。

「君の人生なんだから、君が決めればいい。」

今度は満面の笑みを浮かべ、中空にむっかて「泉さんもよろしくお願いします。」と。

 「なつめさんお腹減っちゃいました。何か作ってください。」

「冷やし中華でいいならすぐ出来るよ。夜ご飯は「豚バラのミルフィーユとんかつ」と「サラダ」だけどいいかな。」

「やった~。」

今の顔 ご両親の前でもすればいいのに。

 軽い昼ごはん食べ部屋に戻て数分後静かになったので、部屋を見に行くとヨギボーベッドで美由紀ちゃんとネコ様達が寝ていた。うつぶせで寝ている美由紀ちゃんの背中にいるつきママさんが私に気づき頷く。

 数日のことだが、よっぽど疲れたのだろう。このまま彼女が真直ぐに生きられるよう、私も努力しようと思った一日でした。

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