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代理母出産ビジネス

 早朝の寝ぼけた頭に、ニュースに一撃くらわされたので記す。

 タイで代理母出産を引き受けた女性が、出産後に子供に情が移って逃亡した。
 捜査員たちによって女性は代理母出産ビジネス組織所有のアパートの一室 で発見されたが、そこでは養育者のいない十数名の赤ん坊たちが泣き叫んでいた。
 赤ん坊たちは、臓器売買や強制労働に使われるために産まれたと考えられている。

 代理母出産については様々な考えがあるだろう。
 不妊に悩む人々や、同性婚者たちにとっての希望であることも確かだろう。
 だが、人身売買や「赤ちゃん工場」と同じく、カズオイシグロの『わたしを離さないで』的世界が現実のものとなることもまた確かだ。
 善悪を度外視さえすれば私にも容易に想像できることなのだから、想定外などとは言わせない。

 生命倫理云々の以前に、生理的な嫌悪感と怒りが噴出した朝だった。

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