カニのきんたま

詩「カニのきんたま」


どいつもこいつもすたこら
さってしまったすなはまに

しおのなみまをながめるはひとりのりょうし
そのてにはくろいタンポポさももりのごとし

どんぶらこっこおおぶねこぶねに
のらりくらりのりそこねちまって

あっちでぶらぶらこっちでぷらりしてやがる
おメデタイのひれとおおもいかいべらぼうめ

そいつはカニのきんたまよ

いますぐそのまっさらなふんどし
あかにかえやがれってんだカモメ

しりのけしりのけ
しりげにでもどり

カモメとカモメで
えんむすびされど

ワンワンワンとね
ウミネコニャンにゃ

てめぇがだいたこのおれは
いつかのカニのきんたまよ


(2020年7月琉球新報文化欄「琉球詩壇」にて発表)

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