法律相談前にしておくと良いこと(離婚編)

この記事はこれから離婚について弁護士に相談しようと思っている方に向けたものです。

無料相談であれ、有料相談であれ、スムーズに弁護士に事案を伝えられるようになること、事前知識が多いことは有用です。スムーズな法律相談をして、有益な情報やアドバイスをもらいましょう。

※読むのが面倒な人はこれだけ、「なんで離婚したいかをまとめてきてくれ」「時系列をまとめてきてくれ」「自分と相手の年収が分かるものと、証拠になりそうなもの全部もってきてくれ」です。

1 離婚の原因は何か、その証拠は?

 まず離婚の原因は何でしょうか。

 不倫でしょうか。性格の不一致でしょうか。

 相手が合意してくれれば原因は特になくても構いません。なんとなく、でもいいわけです。しかし、相手が離婚に応じない場合、最終的に裁判官に「なるほど、離婚の原因がしっかり認められるな」と判断してもらえないと離婚はできません。

 そこで証拠があるのか?という点が問題になります。

 不倫であれば、探偵の写真やメール・LINEのやりとり、ラブホテルのカード等々、色々なものがあります。私がよくみるのは探偵の写真ですね。

 ただし探偵の費用はかなり高額で、100万円くらいかかっている印象です。弁護士費用が50から100万と考えるとかなり高い印象です。しかし、証拠としてはとても強いものができます。ホテルに二人で入っていく写真が撮れる、ということがありますからね。

 それでは、性格の不一致やモラハラ、DV等、様々なことが重なり合っての離婚の場合はどうでしょうか。こちらのほうが一般的なイメージがありますね。

 これも同様に証拠が重要です。録音をとれるなら今からでも取るべきです。無理であれば日記や、友人へのLINEのやりとりでも構いません。どのようなことがいつ起きたのか、が客観的にわかることが重要です。人間すべてを覚えていられません。言った言わないということになったら困る、というのは誰でも知っていることですよね。

 ですので、客観的にわかる何か、証拠と思えるものを考えて持ってきて下さい。

 DVであれば傷の写真や動画は必須です。

あと戸籍・住民票などあって損することはありませんが、必須ではありません。ただ結婚した日がわからないと困ります笑

2 離婚に関係する権利・義務を整理する

 離婚に際してはまず①親権、それにまつわる養育費をどうするか②財産分与③慰謝料④婚姻費用請求権が問題になります。

 ①いわずもがな、親権については最重要ですよね。女性側がとることがほとんどですが、子供のためになるか?が最も重要です。よくある質問で、不倫した女性でも親権をとれるの?という質問がありますが、不倫の事実と母親としての適格は別だと考えられています。不倫する人は子供を育てられない、というのは暴論ですよね。

 そして、親権をもらったほうがもらっていないほうに養育費を請求します。その費用はほとんどが算定表によって決まります。こちらの年収・あちらの年収をあてはめると例えば月額4万円が適正だとわかるという形です。

 養育費については不払いが問題となっていますが、昔より支払ってもらう制度が整っています。ただし、弁護士費用との関係であまりペイしないというのが現状です。

 弁護士との契約の中に、養育費不払いが生じたときにどうするか、を決めている場合もあります。不払いがありそうであれば、そのことも相談するべきです。

3 お金にまつわる権利

 ②財産分与請求権は、二人で稼いだお金だから二人で分けるという発想の権利です。別居時を基準に二人の口座や金融資産を調べて、それを2分の1に分けるというものが基本です。

 ただし、財産を隠している、分からないという場合が多いです。その場合は最終的には裁判所に調べてくれというわけですが、すべての銀行を調べることはできません。どこ銀行何支店、ということまで確定している必要があります。なので、やはりどこの銀行なのか、どうにか特定してくれというのが現状です。離婚を考えていると思われて警戒される前に家に来る銀行からの資料等を写真にとる、中身をみる等して特定してください。

 高額になりやすいのはこの権利です。私の場合最高額は数億でした。高額の場合、単純に2分の1とならないこともありますが、年棒が数億円といったレベルの奇特な場合だけですので大抵は2分の1です。

 ③慰謝料は心が傷ついた、ということへの損害賠償請求です。ですので、ただ単に離婚したら生じるわけではなく、どちらの原因で離婚するのか、が問われます。不倫をしたら不倫をされた側が請求します。不倫の場合の相場はたいていの場合300万円請求して、結果的に100万から200万を狙うというものが多いでしょう。

 ④婚姻費用請求権は、別居はしたけど離婚はまだ成立していない、という場合の生活費を請求する権利です。養育費と生活費を混ぜたイメージです。なので養育費よりも高額です。これも算定表がありますので、相手の年収・こちらの年収がわかる必要があります。

4 調停や訴訟の可能性を整理する

 先ほども述べた通りですが、相手が合意しない場合は離婚届を書いて提出する離婚(協議離婚)はできません。その場合裁判所で裁判所に離婚を認めてもらう必要があります。これが調停と訴訟です。

 調停は話し合いを裁判所の調停委員2名、裁判官1名が仲介をしてくれます。なのであくまで話し合いです。これも合意がないと成立しません。しかし、合意をとれるように裁判所が働きかけてくれます。ほとんどが調停で終わりますので、安心してください。よっぽどのこだわりがないと成立します。ただし時間がかかるかもしれません。

 訴訟は、調停が不成立となった場合にはじめて可能です。これは裁判官が一方的に判決で離婚を認めてくれます。通常ここまで行くのに3年ぐらいは別居しています。別居3年程度があると離婚訴訟でも成立します。例外もあり自分が不倫した人から離婚訴訟というのはずるいですよね。なので、別居期間が6年かかるという場合もあります。やはり個別の相談は必要です。また、このことを弁護士に隠してしまっても相談の内容が変わってしまいます。恥ずかしくても正直に話すほうがいいですね。

5 かかる時間・費用を整理する

 弁護士費用ですが、たいていの場合合計で50万円ー100万です。ただし、上記の請求権ごとに弁護士費用を算定するか、全部まとめてなのか、事務所によって異なります。また、たいていの場合、請求する額やされた額、またとれた額、減らせた額ごとに数パーセントをかけて計算する、という形です。

 それが請求権ごとになった場合は複雑です。

 請求権ごとにそれぞれ算定する方法が変わっていたりします。ですので、個別の相談の際に、何を請求するか、請求がどのくらい認められるかを計算して、合計いくらかかるのか、なんでかかるのかを納得できるまで聞いてみましょう。

 また日当もかかるのかもきちんと確かめましょう。

 事件が終わった後の請求がなんでこんなに高いの?その理由がわからない等と思うかもしれません

 また時間ですが、交渉は1か月くらい続けることが多いと思いますが、全然交渉できないといったときはすぐに調停を申し立てます。

 調停の場合でもスムーズに終わるときもあれば何度も何度も調停に行かないといけないこともあります。その分日当がかさみます。

 相手の性格や態度から予想するしかありませんが、3か月くらいから1年以上かかるときもあるというイメージで、あとは個別の相談ですね。1週間で終わらせますよ!みたいな人はいないと思いますが、そんなこと言う弁護士は私が相談する側だったらこわいですね。

 かといってわかりませんみたいなのもイラっとすると思います。こうかもしれないし、こうかもしれないと言ってくれた方が私なら安心しますね。

6 結局どの弁護士がいいの?

 まずは実績ですよね。これまでの経験が少しでも開示されているとありがたいです。離婚をやったことないという町の弁護士はいないと思いますが、知識がアップデートされているかも重要です。

 しかしそういったことを相談者の側で判断するのは難しいですよね。なので私なら話していて心地よい、共感してくれる、安心できる、なんでも話せる、レスポンスが早い等の要素で決めると思います。色々な弁護士がいて、本当にコミュニケーションが苦手そうな人もいますし、偉そうな人もいますし、メンタルがやばい人もいます。

 私なら説教してくる人は絶対に嫌です!笑 きみ、そんなことしてはいけないよとか言われたら帰ります。笑 わかっとるわって感じですしね。 

 一度話してみて決めるというのが一番ですので、法律相談の際にはそこも注目してみると良いですね。そのためにセカンドオピニオン的に色々いってみるのがよいと思いますよ。

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